もみじマーク、なんと日本的な・・

2006-05-04 07:15:53 | 市民A
e119d7be.bmp両親の病気で、首都圏の田舎に何度も行っている。そして、そういうシチュエーションの場所は、おおむね「老人天国」になっている。老人天国については、もっと分析的に語る日がくると思うが、もっと即物的な話をすると、妙なマークをつけたクルマが町中を多く走っている。


高齢運転者マーク

70歳以上になると、このマークをつけていいことになっている。一見、免許取立て1年間の義務である若葉マークのようであるが、似て非なるものである。

そして、妙な愛称がついている。「もみじマーク」という。

おかしなことだらけなのだが、まずこの名称。もみじとは似ていない。もみじの葉は五本指だ。このマークはどうみても、「枯葉マーク」。あるいは「落ち葉マーク」。無理に「もみじ」に結びつけるなら「紅葉の別読み」ということだろう。そして、それらのいずれの解釈でもいいのだが、「老人に対して無神経」というのは間違いない。

要するに、嫌な気持ちを植え付けて、早くドライブをやめさせようということなのだろう。日本的思いやりの精神だろうか。70歳以上で免許更新するときは、実地教習が義務になっている。ただし、下手だからと言って、更新しないわけにはいかない。教習は、単に行政の思いやりサービスに過ぎない。

そして、これから老人がどっと増えるのにもかかわらず、このように性格のはっきりしないルール(つけてもつけなくてもいいマーク)で対応していけば、いずれ大事故の犠牲者が出る。

この2週間で、老人天国の場所で見た「枯葉マーク」の珍プレーを列挙してみる。

1.左に寄り過ぎ
 歩道のない畑の中の道路。片側1車線なので、車線の中央を走ればいいのに、左の路肩から10センチのところをゆっくり(40キロ)走行。誰も歩いていないからいいが、人や自転車や犬がいたら、死亡事故になるだろう。自分が路肩から落ちて死ぬと、天国に行けるが、柔らかいものを跳ね飛ばすと、地獄へ行かねばならない。

2.反対車線侵入
 片側2車線の広めの道で、私の前のクルマ(枯葉)が、赤信号の交差点で右折しようと意図する。当然、片側2車線なので、左から二番目の車線の停止線で右ウィンカーを点滅させ、待機しなければならないが、左から3番目の車線で待機する。おっと、そこは対向車線でしょ、ってこと。当然、交差点は大混乱。これも、被害者が出ればどうするの。

3.高速道路蛇行運転
 片側2車線の高速道路でのこと。左側走行車線を走っていたら、枯葉カーが70キロ程度の遅い速度で走っている。追い越し車線に出て追い越そうと思うが、そう簡単にはいかない。なにしろ、蛇行運転するわけだ。左側の路肩に入り、左壁に激突寸前に、戻ってくる。そして、こんどは右に流れてきて右車線に侵入したあと、また左に蛇行する。そして、左のあと、右ではなく、また左になったりする。つまり、右側を追い越そうと思っても右に蛇行されたらぶつかる。結局、誰も老人を追い越すことができず、長蛇の列ができてしまった。

その他、私は見ていないのだが、「若葉マーク」と「枯葉マーク」の両方をつけている車もあるそうだ。理論的には可能だ。結局、「危険性」と「個人的人権」のはざまで、妙な自主マークとなったのだろうが、まあ、おカネに余裕のある方だけでも、70才になったら、ハンドルを置いてしまえばいいのではないだろうか。

代替手段として、例えばタクシーでもいいではないだろうか。市区町村では老人タクシー割引制度が充実しているところもある。それの方が総合的には安上がりのこともあるだろうし、帰りは電車に切り替えてもいいのだ。

しかし、タクシーをマイカーの代りにすれば問題が解決するかというと、また次の問題が発生するわけだ。

それは、「タクシードライバーの高齢化問題」である。