「名人戦主催権」の毎日・朝日争奪戦は、妙な方向に変針した。契約書問題でモメたあと、泥仕合になるのかと思ったら、将棋連盟の次の一手は、「毎日・朝日共催案」だ。一見、大妙手か大悪手か、「一か八か」と見える。普通の発想では考えられない。現在、毎日は名人戦と王将戦の二つの棋戦、朝日は朝日オープンというように2紙で3つの棋戦である。それが一つになると、当初の目論見とは逆に、収入減になるのではないだろうか、と考えられる。しかし、まさかそんな単純な話ではないだろと深読みしてみる。
深読みの補助線1は、各棋戦の契約金。表示は年間金額である。
毎日:名人戦 3億3400万円
王将戦 7800万円
計 4億1200万円
朝日 朝日オープン 1億3480万円
(毎日+朝日) = 5億4680万円
読売 竜王戦 3億4150万円
(参考)
棋聖戦(産経) 1億4650万円
王位戦(東京等)1億2380万円
王座戦(日経) 1億0960万円
棋王戦(共同) 1億0351万円
深読みの補助線2は、まったく内容がさわやかではない、米長邦雄氏の「さわやか日記」5月10日、11日の部分。
5月10日には、中原副会長が同行し、朝10時半に毎日、11時半に朝日を訪問し、「毎日・朝日共催案」を要望している。そして、翌11日には、11時に読売に二人で行き、経緯を説明。11日午後は中原副会長だけが日経、産経へ説明に向かう。こんなスケジュールが記載されている。
このあたりの要素を加えて考えると、米長会長は、こういう筋書きを考えているのではないだろうか。もちろん私の推測である。
第一段階:毎日は、今の4.12億でもキツイが朝日は5億くらい出す気になっている。それなら、毎・朝とも4億ずつ拠出し、名人戦を8億円程度にする。朝日オープンは廃止し、王将戦は連盟に返してもらう。まず、現状の両社の支払額合計より2億5320万円改善する。
第二段階:この8億円を読売に突きつけ、棋界最高棋戦の地位と引き換えに竜王戦の契約金も8億につりあげる。この改善額は4億5850万円(こちらの方が多いが、ダメ元ともいえる)。
第三段階:由緒ある王将戦を磨き直して(例えば阪田三吉記念○○王将戦とか冠を企業名にしたりして)、別のスポンサーに売渡せば、最低1億円にはなるだろう。この段階で8億円程度の増収になる。もちろん運がよければ産経・日経からもとりたてる気なのだろう。
ところで、問題は、このガメツイ案にたどり着いた過程なのだが、作戦の当初からここまで読みきっていたのなら、スゴイ。が、単に右往左往した結果のようにも見える。どうも米長日記を読むと、タイトルホルダーX氏と密談した形跡がある。対局中の助言は将棋では禁止なのだが、どうもX氏の「天才の頭脳」が裏から登場したのではないかと、疑ってみる。
一方、米長会長が将棋連盟内に設置した経営諮問委員会の委員長である「以前、"経営が生ぬるい"と外資系株主から追い出された」ある人物よりもアドバイスは的確だろうとは、思う。
深読みの補助線1は、各棋戦の契約金。表示は年間金額である。
毎日:名人戦 3億3400万円
王将戦 7800万円
計 4億1200万円
朝日 朝日オープン 1億3480万円
(毎日+朝日) = 5億4680万円
読売 竜王戦 3億4150万円
(参考)
棋聖戦(産経) 1億4650万円
王位戦(東京等)1億2380万円
王座戦(日経) 1億0960万円
棋王戦(共同) 1億0351万円
深読みの補助線2は、まったく内容がさわやかではない、米長邦雄氏の「さわやか日記」5月10日、11日の部分。
5月10日には、中原副会長が同行し、朝10時半に毎日、11時半に朝日を訪問し、「毎日・朝日共催案」を要望している。そして、翌11日には、11時に読売に二人で行き、経緯を説明。11日午後は中原副会長だけが日経、産経へ説明に向かう。こんなスケジュールが記載されている。
このあたりの要素を加えて考えると、米長会長は、こういう筋書きを考えているのではないだろうか。もちろん私の推測である。
第一段階:毎日は、今の4.12億でもキツイが朝日は5億くらい出す気になっている。それなら、毎・朝とも4億ずつ拠出し、名人戦を8億円程度にする。朝日オープンは廃止し、王将戦は連盟に返してもらう。まず、現状の両社の支払額合計より2億5320万円改善する。
第二段階:この8億円を読売に突きつけ、棋界最高棋戦の地位と引き換えに竜王戦の契約金も8億につりあげる。この改善額は4億5850万円(こちらの方が多いが、ダメ元ともいえる)。
第三段階:由緒ある王将戦を磨き直して(例えば阪田三吉記念○○王将戦とか冠を企業名にしたりして)、別のスポンサーに売渡せば、最低1億円にはなるだろう。この段階で8億円程度の増収になる。もちろん運がよければ産経・日経からもとりたてる気なのだろう。
ところで、問題は、このガメツイ案にたどり着いた過程なのだが、作戦の当初からここまで読みきっていたのなら、スゴイ。が、単に右往左往した結果のようにも見える。どうも米長日記を読むと、タイトルホルダーX氏と密談した形跡がある。対局中の助言は将棋では禁止なのだが、どうもX氏の「天才の頭脳」が裏から登場したのではないかと、疑ってみる。
一方、米長会長が将棋連盟内に設置した経営諮問委員会の委員長である「以前、"経営が生ぬるい"と外資系株主から追い出された」ある人物よりもアドバイスは的確だろうとは、思う。