知られていないのは、蒸気エンジンでの飛行が成功したことだ。
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1874年、デュ・タンプル兄弟は「単葉機」を作り上げた。これは大型の飛行機で、材料はブレストのアルミニウムであり、翼幅は13m、重さは(搭乗者を除いて)たったの80kgであった。数回の試行がなされた。斜面によって加速してから自力での離陸を成し遂げ、短時間の滑空に続いて軟着陸をしたことが……そして定義にもよるが(ごく短距離、ごく短時間の飛行だったので)これが歴史上最初の動力飛行成功例であることが……一般に認められている。(画像と記事の抜粋はウイキペディアから)
国家プロジェクトという制約を解かれたモジャイスキーは蒸気機関を海外に求めた。その結果選ばれたのがヘンソン・ブラザーズ商会が開発したバイブレイティングレバー方式による小型高出力の蒸気機関であった。モジャイスキーはこのエンジンを3台購入し、1870年代にスプリングでプロペラを回転させる模型飛行機を製作し実験を重ねた。
1884年7月20日、モジャイスキーは遂に航空機実物によるの飛行実験を実施した。結果は滑走台から発進し30メートルほどジャンプした後に右に傾いて大破したため、一般的には飛行とは認められていない(ロシアでは世界初の航空機と呼ばれている)。
1854年、ロシア海軍士官時代であったモジャイスキーはプチャーチン提督による開国交渉のロシア艦隊の旗艦ディアナ号に同乗していた。ところが安政東海地震による津波で乗船は大破、修理のため向かった戸田への回航中に嵐に遭い宮島村(現、富士市)沖で沈没してしまった。一行はやむを得ず戸田に滞在し、モジャイスキーの設計の下、帰国のための帆船を建造することになった。
戸田には船大工が数多く集められ、モジャイスキーの指導の下、日本初の外洋帆船が建造された。船はプチャーチン提督によりヘダ号と名付けられ、日本の西洋型造船の嚆矢と言われ、同型のスクーナーが複数建造され戸田村のある君沢郡にちなみ君沢形(くんたくがた)と呼ばれた。(画像と記事の抜粋はウイキペディアより)
ライト・フライヤー複葉機成功以前にロシアのモジャイスキー、フランスのアデール、
イギリスのマキシム飛行機はすべて蒸気エンジンをつけていたが、どれも操縦できる安定した飛行機は出来なかった。
ところがライト兄弟の初飛行から30年後の1933年にはアメリカのベスラー社は軽量で、強力な蒸気エンジンを開発に成功、これをトラベルエアー4000複葉機に取り付けて飛行に成功した、V型4気筒、うち高圧2、低圧2気筒、公称出力150馬力/1.625r.p.m.エンジン重量81.8kgボイラーその他の部品、水、燃料、油など合わせて、220kg、1馬力あたり重量1.46kg
当時のディーゼルエンジンに近いところまで漕ぎつけた、
機首の下にはラジエータ-式複水器がついておりこれでピストンから排出された蒸気を99%まで複水できることができ、予備水タンクは10ガロン入りで充分だった、燃料消費率は距離16kmで1ガロン1時間を巡航速度160kmで飛行して10ガロンと言うことになる
この蒸気飛行機は1933年4月21日オークランドで7分間飛行に成功その後アメリカだけで10名の航空用蒸気エンジン研究者が続いたという
ガソリンエンジンに比べ蒸気エンジンは爆音、騒音も少なく使用燃料が灯油間に合い、維持費が安く、危険性が少なく、キャブレターやマグネットは必要なく構造が簡単で故障も少なく部品が少ないそのため整備がしやすい量産すれば価格が安く、また高空でガソリンエンジンほど出力が低下しないこと、気象状況に変化が少ないない
さらにプロペラを逆回転もできる、着陸時滑走距離短縮が出来る、
同機の実験では約15mで停止したという。
(画像と記事はttp://www.geocities.jp/hikoki100/hazi2.htmより転載)
デュ・タンプルの功績は飛行機よりも近代的なボイラーの発明にあり、モジャイスキーは日本の造船技術に貢献したと言えるのだが、両者の失敗の原因はエンジンよりも機体のほうにあると思う。対してべスラー機の成功は、ライト兄弟のフライヤー号以来、急に発展した翼の設計で実績のある機体を使ったこと。それに内燃機関も充分に熟成された時代だから部品の加工技術も進んでいたし、メカニズムも内燃機関からアイディアをもらったのではないだろうか。
成功したとは言え、その後普及し現代まで生き残ることができなかったのは、潤滑がうまく行かず試験飛行以上の長時間の運転が難しかったり、時を同じくしてハイオクガソリンの発明がケッタリングらによってなされ、ガソリンエンジンの性能が急に向上したからではないかと想像する。それを裏付けるのはハイメカニズムな蒸気エンジンの存在だが、詳しくは後ほど。
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