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ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

スチームエンジン飛行機

2010年01月18日 | オイルリーク

知られていないのは、蒸気エンジンでの飛行が成功したことだ。

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1874年、デュ・タンプル兄弟は「単葉機」を作り上げた。これは大型の飛行機で、材料はブレストのアルミニウムであり、翼幅は13m、重さは(搭乗者を除いて)たったの80kgであった。数回の試行がなされた。斜面によって加速してから自力での離陸を成し遂げ、短時間の滑空に続いて軟着陸をしたことが……そして定義にもよるが(ごく短距離、ごく短時間の飛行だったので)これが歴史上最初の動力飛行成功例であることが……一般に認められている。(画像と記事の抜粋はウイキペディアから)

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国家プロジェクトという制約を解かれたモジャイスキーは蒸気機関を海外に求めた。その結果選ばれたのがヘンソン・ブラザーズ商会が開発したバイブレイティングレバー方式による小型高出力の蒸気機関であった。モジャイスキーはこのエンジンを3台購入し、1870年代にスプリングでプロペラを回転させる模型飛行機を製作し実験を重ねた。
1884年7月20日、モジャイスキーは遂に航空機実物によるの飛行実験を実施した。結果は滑走台から発進し30メートルほどジャンプした後に右に傾いて大破したため、一般的には飛行とは認められていない(ロシアでは世界初の航空機と呼ばれている)。
1854年、ロシア海軍士官時代であったモジャイスキーはプチャーチン提督による開国交渉のロシア艦隊の旗艦ディアナ号に同乗していた。ところが安政東海地震による津波で乗船は大破、修理のため向かった戸田への回航中に嵐に遭い宮島村(現、富士市)沖で沈没してしまった。一行はやむを得ず戸田に滞在し、モジャイスキーの設計の下、帰国のための帆船を建造することになった。
戸田には船大工が数多く集められ、モジャイスキーの指導の下、日本初の外洋帆船が建造された。船はプチャーチン提督によりヘダ号と名付けられ、日本の西洋型造船の嚆矢と言われ、同型のスクーナーが複数建造され戸田村のある君沢郡にちなみ君沢形(くんたくがた)と呼ばれた。(画像と記事の抜粋は
ウイキペディアより)

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ライト・フライヤー複葉機成功以前にロシアのモジャイスキー、フランスのアデール、
イギリスのマキシム飛行機はすべて蒸気エンジンをつけていたが、どれも操縦できる安定した飛行機は出来なかった。
ところがライト兄弟の初飛行から30年後の1933年にはアメリカのベスラー社は軽量で、強力な蒸気エンジンを開発に成功、これをトラベルエアー4000複葉機に取り付けて飛行に成功した、V型4気筒、うち高圧2、低圧2気筒、公称出力150馬力/1.625r.p.m.エンジン重量81.8kgボイラーその他の部品、水、燃料、油など合わせて、220kg、1馬力あたり重量1.46kg
当時のディーゼルエンジンに近いところまで漕ぎつけた、

機首の下にはラジエータ-式複水器がついておりこれでピストンから排出された蒸気を99%まで複水できることができ、予備水タンクは10ガロン入りで充分だった、燃料消費率は距離16kmで1ガロン1時間を巡航速度160kmで飛行して10ガロンと言うことになる

この蒸気飛行機は1933年4月21日オークランドで7分間飛行に成功その後アメリカだけで10名の航空用蒸気エンジン研究者が続いたという

ガソリンエンジンに比べ蒸気エンジンは爆音、騒音も少なく使用燃料が灯油間に合い、維持費が安く、危険性が少なく、キャブレターやマグネットは必要なく構造が簡単で故障も少なく部品が少ないそのため整備がしやすい量産すれば価格が安く、また高空でガソリンエンジンほど出力が低下しないこと、気象状況に変化が少ないない
さらにプロペラを逆回転もできる、着陸時滑走距離短縮が出来る、
同機の実験では約15mで停止したという。
(画像と記事はttp://www.geocities.jp/hikoki100/hazi2.htmより転載)

デュ・タンプルの功績は飛行機よりも近代的なボイラーの発明にあり、モジャイスキーは日本の造船技術に貢献したと言えるのだが、両者の失敗の原因はエンジンよりも機体のほうにあると思う。対してべスラー機の成功は、ライト兄弟のフライヤー号以来、急に発展した翼の設計で実績のある機体を使ったこと。それに内燃機関も充分に熟成された時代だから部品の加工技術も進んでいたし、メカニズムも内燃機関からアイディアをもらったのではないだろうか。

成功したとは言え、その後普及し現代まで生き残ることができなかったのは、潤滑がうまく行かず試験飛行以上の長時間の運転が難しかったり、時を同じくしてハイオクガソリンの発明がケッタリングらによってなされ、ガソリンエンジンの性能が急に向上したからではないかと想像する。それを裏付けるのはハイメカニズムな蒸気エンジンの存在だが、詳しくは後ほど。

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続・TWINGLE

2010年01月17日 | エンジン

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これは”ジョセフ・デイの最初の2ストエンジン”で紹介した図だが、掃気ポートから入る新混合気がそのまま排気ポートから出てしまったり、燃焼済みガスが掃気されないで残ることを解決するために、ピストン上部にデフレクターが設けられている。

この記事は”TWINGLE”の続編です。できれば前編を先にお読みください。

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Searsmtr 画像はttp://home.sprynet.com/~inniss/sears.htm

TWINGLE”の謎の正体はこうなっている。キャブレターが前のほうに位置している理由も分かる。

Puchpist 画像はttp://www.mfs-online.at/oldies/puch.htm

プフの後期型は副コンロッドだが、初期のものはご覧のように字型コンロッドだ。

1953_twn_bdg250_split_single

The concept was adopted by Ing Zoller in 1931 and was to make DKW (Germany) the dominant racing motorcycle in the Lightweight and Junior classes during the pre war years.
The idea of a split single was to have the exhaust port open before the transfer ports then close before the transfer ports thus preventing loss of fresh charge out the exhaust. The traditional two-stroke engine allowed the charge to flow straight across the cylinder and out of the exhaust port with the exiting burnt gasses despite port angling and schnerle ports. This layout gave a smooth power delivery with no 'four stoking' and excellent high end performance. Good tractability from low revs and 20% improvement on fuel consumption.画像と記事の抜粋はttp://www.classicmotorcycles.org.uk/bikemuseum/museum_twn.htmより転載

DKWはサイドバイサイドの方式で、排気ポートを早く開いて掃気を行い効率を上げ、ロスを減らすことに成功したようだ。

TWINGLEはスプリット・シングルとかダブル・ピストンあるいは堅苦しく2 cylinders with a common chamber と呼び方は数種類ある。

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TWINGLE

2010年01月17日 | エンジン

Smrih_51609_028 画像はttp://2strokebiker.blogspot.com/2009/06/1964-puch-allstate-250-twingle.htmlより転載

これは1964 PUCH”Allstate”250。プフはオーストリアのメーカーで後にピアッジョに買収される。このモデルはアメリカのシアーズで売られたらしい。

ところで、キャブレターの位置に違和感がないかな?

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800px1965_allstate_puch_250_sgs_at_

車体右側にはキャブレターがないということは、短気筒でマフラーが2本というのも考えられるが、それならキャブレターの位置はエンジン後方の中央か、ロータリーディスクバルブでキャブレターはクランクケースカバーで隠れているというのが普通。

60年代はスポーツモデルでもこういう感じ。

ちなみにTwingleはシアーズから販売されたもののみに付けられているようだが、TWINとSINGLEを合わせた造語だと思う。

核心は後ほど・・・

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続・多気筒エンジン

2010年01月16日 | エンジンの怪

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アメリカのM4戦車の初期型は星型エンジンを搭載していた。それは航空機用エンジンを流用していたのだが、エンジンが足りなくなると次々に違うエンジンを使い、車体の変遷もあるが多くのモデルが存在した。

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星型エンジンというだけでも話の種になるのだが、A4というモデルに搭載されたのは戦争という極限状況の中で”間に合わせ”じゃないかと思わせるエンジンだ。

110704_3lo 画像はttp://autospeed.com/cms/title_The-Chrysler-A57-MultiBank-Engine/A_110704/article.htmlより転載

これが、そのクライスラー・マルチバンク A57だ。

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後部からの画像。どうなっているのか分かりづらい。

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5基のエンジンが並んでいる。

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丸で囲んであるのはキャブレター。1バンクが6気筒というのが分かる。”多気筒エンジン”で紹介したH32には気筒数で負けるが、5基のエンジンを組み合わせた発想と知恵には驚く。

もっとも整備の複雑さに手を焼き、イギリスに貸し出されてから活躍したみたいだが。

このエンジンの存在は以前から知っていたが、画像が中々探し出せなかった。

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ソーラー・スリーホイーラー

2010年01月16日 | スリーホイーラー

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【ムンバイ=黒沼勇史】インド南部の新興二輪車メーカー、シノシュア・エンタープライズは太陽電池を搭載した三輪バイク「ヤシ・トラスト」を開発した。ディーゼルや圧縮天然ガスなどと併用する仕組みで、燃費を82%減らせるという。三輪バイクは低価格のタクシーとしてインド各都市で普及しており、同社は将来の需要拡大を見込んでいる。画像と記事の抜粋はttp://www.nikkei.co.jp/news/main/im20091116AS2M1404R16112009.htmlより転載

クラシカルな外観とソーラーパネルの組み合わせは意外とイイ。

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続・四角いピストン

2010年01月15日 | エンジン

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これは1938年型なのでツインカムだが、エットーレ・ブガッティはエンジンの造形にもこだわっていて、四角い外観のエンジンはSOHCのほうがこだわりに適っているとツインカム化が遅くなったという説があり、できればピストンも四角いほうが望みだったのだろうか。

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Squarepiston

The Square Piston Engine (SPEC) represents the next stage in the evolution of the reciprocating internal combustion engine. It is a two-stroke engine with a square piston. In essence, the SPEC has a superior power-to-weight ratio compared to existing two-stroke engines. However, more importantly, it has significantly reduced emissions achieved by more complete combustion and a closed-loop oiling system. The engine is also modular in design, which provides significant manufacturing flexibility. The SPEC engine leverages existing two-stroke engine technology (lightweight, powerful, three moving parts only, cheap to manufacture, etc.) and at the same time eliminates the disadvantages. The port placement delays the opening of the exhaust port on the power stroke, yielding more torque and much lower emissions. A number of prototypes have been constructed and have operated on a variety of fuels.(画像と記事の抜粋はttp://invenvo.wordpress.com/2008/05/02/square-piston-engine-low-emissions-two-stroke-engine/より転載)

とまあ、イイコトずくめの主張をしているのだが、確かにシンプルであるし四角いピストンも理に適っているように見える。

動きもシンプル。

小さいながらも試作エンジンは実動だ。

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続・続・大西エンジン

2010年01月14日 | エンジン

Ypvs 画像はウイキペディアから

印象の強さで例を用いるなら、スズキGT750以来の水冷2ストエンジンの復活で、レーサーレプリカ大ブームをもたらしたともいえるヤマハのYPVS付きエンジン。

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100106 画像はttp://www.honda.co.jp/factbook/motor/CRM250AR/199701/より引用し、矢印を書き加えた

これはホンダのCRM250ARのRCバルブだが、パワーバルブの原理はウイキペディアに詳しい説明がある。要は排気ポートの開くタイミングと開口面積を回転数に応じて変化させてエンジンのトルク特性を改善させる。

100107 画像はttp://www.honda.co.jp/factbook/motor/NS250/19840400/003.htmlより転載

これはホンダのATAC。RCバルブ以前に使われていて、チャンバーの容積を変化させ回転数に応じた反射波をコントロールするが、RCバルブのほうが効果が大きかったのだろう。

ここまで来てお気づきだと思うが、大西エンジンの”ATAC”は活性熱雰囲気燃焼。ホンダの”ATAC”はパワーバルブとややこしい。しかもホンダは、今のところの最終世代2ストエンジンといえる活性熱雰囲気燃焼を”AR燃焼”として実用化させた。

大西氏と故本田宗一郎氏は個人的に関係があったともいわれているが、技術の歴史の流れは非常に興味深いと言わざるをえない。

大西エンジンでの惜しいところは、混合気の吹き抜けを防止して排ガスのHCを減らす研究と、それに付随したシリンダー内の気流に着目したところの成果は多大だったが、潤滑オイルの完全分離まで考えなかったことだと思う。

通常の2ストエンジンの潤滑方法は燃料にオイルを混ぜる方法だから、オイルの燃える臭いはディーゼルの煤と同じくらい社会に嫌われる可能性があるし、マフラーに溜まるオイルは触媒をコーティングして効力を失わせる。それだけに”STEPPED PISTON ENGINE”は大したものだと思う。

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