ピストンエンジンは永遠か!な?

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パンヘッド スプロケットシャフトシール

2018年05月13日 | クランクケース

 

 

1953年のFL、いわゆるパンヘッドのクランク左側、たぶんコロニーのシールキットが装着されていると思われますが、シールのリップはもともとの形状とサイズが心もとないし硬くなっています。

 

そこで2017の120mm径の丸棒の在庫があったので・・・・。

 

シャフト径は1インチなので25mmシャフト用の汎用シール(200円くらい)をはめ込み・・・・。

 

オープンプライマリーなのでプライマリーカバーの取り付け穴を利用して固定しました。

ドライブスプロケットと干渉しなければOKです。


エンジンがカタカタ?

2007年06月20日 | クランクケース

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フライホイールの支持ベアリングが決まったら左右のケースを合わせます。

クランクケースの合わせ面には通常は液体ガスケットを使います。ワタシは両方の面に薄く塗って、少し硬化してから組み立てます。

矢印はボルト穴ですが、この付近は接合面の幅が狭く、オイル洩れはボルト穴を伝わって生じることがあります。

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コレは前にも紹介しましたが、左右のケースは一体に加工してありますから、この刻印は本来同一のはずです。

最近に輸入された中古車では同一でないケースもあるようで、購入する場合の重要なチェックポイントだと思います。

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シリンダーとの接合面を再チェックしておきます。

日本製エンジンでは必ずといってよいほど、クランクケースの合わせ面には位置決めのピンなどがありますが、ハーレーでは存在していません。

クランクケースの固定ボルトは前中後期に変更になっていて、特に前期のものは太いスタッドボルトを下部に使用して位置決めになっており、その場合では接合面に狂いがあれば再加工しなければなりません。

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矢印がマウント部です。フレームをリペイントする場合もクランクケースと接する部分はマスキングしておいたほうがベターでしょう。

昔話では、厚く塗られたペイントが座屈して緩んだボルトが原因で、新幹線の車両のモーターが落ちた事故がありました。

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ところが、エンジンをフレームに載せてみるとしっくり行きません。シックネスゲージの厚みは0.35mmです。

このまま固定ボルトで締めてしまうと、クランクケースに危険な応力が掛かってしまいます。

これを修正するのにはシムの挿入という選択肢もありますが・・・・。

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これはクランクケース前側のマウント部です。だいぶ段が大きいですね。

画像はありませんが、後ろ側は左右逆に段がついています。

フライホイールを組み込む前に確認をすべきでした。

と言うより、エンジンを下ろすときにチェックして、作業工程に入れておくのがベストですね。

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オイルストンで研ぐこと4時間余り。ゲージをあて面が狂わないように注意しながら、フレームに何回も載せたり降ろしたり・・・・。

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ピッタリおさまりました。

TCエンジンからは通しボルトでエンジンを固定してありますから、こんな面倒は不要です。

このエンジンオーバーホールは予定より1ヶ月以上も遅れています。Kさんお待たせしてごめんなさい。

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カムベアリング周辺

2006年05月26日 | クランクケース

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これはショベルヘッドのクランクケースで、矢印の部分にクラックが生じています。

下のクランクシャフトベアリングアウターレースが鋳込まれてるとは言え、肉厚が5mm程度しかないのでは、ある意味当然の結果かもしれません。

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全部が全部クラックが入るわけではありません。これは無事なクランクケースです。

しかし、ベアリングとケースの穴には相当な負荷が掛かっている痕跡が見られます。

限られたスペースに必要なサイズのモノを押し込めるのにはカナリ苦労したのでしょうね。

アウターレース外径とカムベアリング外径は必要最小限の大きさです。カムベアリングのアウターレースの肉厚がもう少し厚ければ荷重の分布も変っていたでしょうけれど、その分ケースの方の肉厚がなくなってしまいます。基本設計から考えると最善とみても良いと思います。ほとんど同じエボエンジンでもそれほど多くのトラブルが発生したわけではありませんから。

しかし、プレッシャーのきついバルブスプリングやハイリフトのカムを使用するとなると、結果は保証できません。

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TCエンジンで大きく変ったのは、その名の由来とおりカムをシリンダー毎に分離して2本にしたところです。

上の写真の赤両矢印が示すように肉厚を大きく取って、ダイブ丈夫そうになっています。

ベアリングも下の写真のようにチョッピリ大きくなっています。

しかし!

ワタシも初めて気が付いたのですが、タペットガイドがない!?

エボエンジンまでは別体のタペットガイドがあり、万が一故障したり磨耗したら交換できます。

しかし、クランクケースの一部を研磨してガイドにするとなると、磨耗したらケース交換ですね。

イヤイヤ大騒ぎする事ではありませんでした。

スポーツスターでは’95年モデルから、別体タペットガイドは廃止されていたんですね。実績がありました。

でも、クランクシャフトベアリングアウターレースが交換できることを考えると、釈然としませんね。

トヨタが世界で一番の生産台数に到達するのはモウジキのようです。

昔は世界の半分の台数を作っていたアメリカのメーカーは、当時自信に溢れていましたから、デッカイエンジンの設計も手馴れたものでした。デカければ常用回転数も抑えられ、ガソリンは大量消費したとしても、ある意味効率が良かったとも言えます。

例え、日本の感覚で整備不良と言われるような状態で、オイル消費量が大きく白煙吐いていたって、1クオート1ドルの安いオイルを継ぎ足していれば、タフなV8エンジンは走り続けていたのでしょう。

鋳鉄ヘッドではバルブガイドも使わず、直接ヘッドにバルブガイド穴が開いたエンジンも多く、それらにステムシールを付けるために考えられたのが、’04以降のスポーツスターのシールなんだそうです。

こういった例や、日本製のツインカム(DOHC)でもタペット穴は直接ヘッドに穴を開けてあるし、ココでとやかく言うのは考えすぎ?

続きます。


クランクシール

2006年02月23日 | クランクケース
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通常のプライマリーハウジングの場合はこのようにオイルシールがセットされています。
普通に考えると裏返しなのですけれど、プライマリーハウジング内の汚れたオイルが、大事なクランクベアリングに侵入しないための処置です。
オープンプライマリーの場合はこの逆の向きに取り付けます。
良く見るとヒビが入ってませんか?
オイルシールのゴム部分には普通ではヒビなど入りません。

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このオイルシールは外しにくいですね。
タッピングビスを使いたいのですが、穴をあけた時の切り粉がベアリングに入り込むのは避けたいし、裏返しのシールですから向こう側のスペースはないし・・・・・。
前に紹介したノミに加工したドライバーの出番です。
もちろん2次災害には気をつけて、シールのハウジングにキズをつけないように、ツッコミます。
外周の1/3くらいめくっていけば・・・・

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取れました。

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ゴムがカチカチで、矢印のところだけでなくヒビが多数あります。

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シールの接するスペーサーもダメになる寸前でした。
矢印のようにシールの接触部分が磨耗して凹んでしまうと交換です。
これは幸い跡が付いただけのようです。


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スペーサーの外周うぃ磨きなおして、シールをマッスグ入れてココはOKです。

しかし、シールが硬化していることは・・・・・。

チョット気になって、どうせシールを入れるのにオルタネーターのステーターが邪魔なので、外してみると

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リード線が見事に、こんなになっていました。このままだとショートしてしまうのは一目瞭然。
バラス前に充電電圧はチェックしておいたのですがね。
外してみて良かったですね。
















カムシャフト・ブリーザーバルブ エンドプレー

2006年02月22日 | クランクケース
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カムのエンドプレーはこのように測定します。
構造上では、エンジンが熱くなるとエンドプレーは多くなると推測しますが、0ではマズイ。
カバーは仮付けでよいのですが、マニュアルにも書いてあるように、カムの周囲を均等に4本以上のスクリューで締め込みます。

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エンドプレーの調整は奥のシムの厚さを変えて行います。
写真のように1.88mmのシムで0クリアランスだったので、1ランク薄い(0.13mm)シムに交換して再測定します。

シムの厚さ=1.27~2.41mmまで0.13mm刻み

エンドプレー=0.001~0.016インチ(0.0254~0.4064mm)

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ココで気になるのはガスケットの厚さです。
古いガスケットを測ってみると61/100mm
新しいガスケットは77/100mmでその差は16/100mmもあります。
つまり、新しいガスケットでエンドプレーを13/100に調整した場合にはガスケットの沈み量のほうが大きくなってしまう可能性があるのです。
マニュアルの記載ではちゃんと0.15mm差し引けと書いてあるのですが、私の場合は古いガスケットを使って測定しました。

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ブリーザーバルブのエンドプレーは写真のように、スケールを使ってシックネスゲージで測定します。

エンドプレーの許容範囲はカムと同様。

シムの種類は2.79  2.92  3.0  3.17 とマニュアルには記載があります。

マニュアルの数値にはタブン間違いは無いと思いますが、前述のようにえんじんが熱くなるとクリアランスは多くなるので、ワタシは出来る範囲で小さく調整します。















カムシャフトベアリング交換

2006年02月22日 | クランクケース
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ブログランキング1位達成も束の間。やはり厳しいですね。
おなじバイクのカテゴリーとはいえ、マクロ的には全く異なるしんたろうさんもガンバっています。
今日は少し暖かいとは言えサムーいこの2月は、バイクの世界は盛り上がりに欠けているようで(寒いばかりではない?)
同じブログランキングでも芸能系の1位は60万ポイントですから。

皆様も一緒に盛り上げましょう!!

しかし、皆様のお陰でランキング上位にいるのに、こんな事を言ってはナンですが、ワタシの重箱のスミを突っつくようなナカミに、どなたかが驚愕しているように皆様ヨク見に来ていただけるとワタシも・・・・・・・。
さて、今日もスミを突っつきましょう。

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クランクケースの組み立てのトコロで”機会があったらカムのベアリングを交換すべき”と言っていたので、今回はその手順です。
写真はプーラーをセットしたトコロですが、実はこのプーラーはTCエンジン用のものです。
カムギアケースの奥深くにセットされたベアリングをクランクケースの分解をすることなく抜き出すのには、専用のプーラーがなくては無理でしょう。
ジムズのプーラーは現地価格で100ドルくらいではないでしょうか?

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写真のように①を締めると②が広がってベアリングに固定されます。
それから③を締めるとスルスルっと抜く事が出来ます。
この際はやはりマッスグに引っ張る事が肝要で、ネジの力は強大なので例え曲がっていても抜いてしまうでしょうけれど、
ベアリングが入っている穴にダメージを与えてしまいます。

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②の部分を拡大すると・・・・・。
サルがつぼの中の・・・・・アレッ何だっけ?・・・を掴んだら手が抜けなくなったのと同じ理屈です。

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ガッチリと掴んで抜き出します。

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抜いた後は良くチェックして・・・・・。

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ベアリングを挿入するのには専用のインストーラーもありますけれど、ワタシが使うのは手造りSST。

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SSTの先端はベアリングの内径より小さく作ってあり、ベアリングを手で支えなくても挿入できます。
こういったものをマッスグ入れるコツは最小限の力で少しずつ入れることで、いきなり大きな力で入れようとすると曲がってしまいます。
ベアリングの厚みが外径と同じくらいあるので、最終的に曲がったままという事は余り考えられませんが、このベアリングはデリケートなので細心の心遣いをしたいものです。















カムシャフトオイルシール

2006年02月21日 | クランクケース
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カムシャフトのオイルシールからオイル洩れがあったので交換します。
ポイントやガバナーを外して・・・・・。
この状態からオイルシールだけ交換することも可能です。
適当なサイズのマイナスドライバーをカムやカバーを傷つけないように気をつけながら、オイルシールのリップに差し込んでグイっとこじれば浮いてきました。

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トランスミッションの分解に使った「曲げたドライバー」を使えば、簡単に外れました。

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オイルシールが外れたら、良く掃除をしてからオイルシールを嵌め込めばOKですが、意外と難しいものです。
オイルシールの内側と外側を同時に入れる感じなので、まっすぐに入れるのは失敗する可能性があります。
どうしてもココだけやりたいのでしたら、オイルシールは失敗して潰してもやり直しができるように2個以上用意しておけば良いでしょう。

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オイルシールは外してしまいましたが、今回はコーンカバーも外します。
その前にリフターブロックも外しますが、ついでに写真のスクリューを見てください。
ネジ山にオイルが付着しているのが分りますが、このクランクケース側のネジ穴は下まで貫通していて、ネジがキチンと締まっていてもオイルがにじみ出てくる事があります。

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リフターブロックが外れたら、コーンカバーのスクリューを緩める前に、カムシャフトのエンドプレーをチェックします。
正常ならカムは赤矢印のように動きます。
動かない場合は2つの原因が考えられます。
①エンドプレーが無い
②カムギアの噛合わせが硬すぎる(バックラッシュがない)

エンドプレーは青矢印のシムの厚さを変えて調整します。

カムギアの噛合わせが硬すぎるとエンジンが回れば「うなり音」がでるので、当然エンジンをバラス前のチェックで分るはずですが・・・・。

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コーンカバーを外すのには、写真の手造りSSTを使います。
同様なものはCCIなどのカタログにも載っていますが、自分で作れば「タダより安いものはない!」
幅20mm厚さ5mmのフラットバーを使っていますが、すでに曲がっています(笑)。
でもカバーへの固定はポイントベースの細いスクリューしか使えませんので、余り丈夫に作ってもカバーが壊れてしまいます。


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SSTをシッカリ固定して中央のボルトを締めこめば、カバーは浮いてくるはずですが、無理は禁物です。
ポイントベースのスクリューは細いので、コレを介して引っ張る力を大きくするとネジ山が壊れて、カバーの交換というハメにもなりかねません。
しかし、カバーには位置決めのピンが2本あるので、プラハンなどで叩いても余り効き目がないのです。
そしてカバーの肉厚はそう厚くないので、強く叩くと割れてしまいます。
では?
SSTの中央のボルトに少しずつテンションを掛け、カバーのまわりをコンコンとプラハンで叩き、それでも浮いてこない場合はオイルポンプをテコの支点にしてヤサシクこじります。

次回はカムベアリング(クランクケース側)の交換です。














クランクケース組み立て

2006年01月18日 | クランクケース
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本来はこの時点ではなく一番最初にチェックしなければならないのが、クランクケース下部に打刻してあるこの識別番号です。クランクケースは左右の分割ですが一体にして加工してありますので、このように同じ番号でマッチングケースなのが正常です。
番号がマッチングしていないケースは、わざわざ年式違いのものを組み合わせる手法があったとも聞きますが、壊れてしまった片方をスワップミートで拾ってきて修理?した過去をもっているハーレーもあるのでしょう。
国外から中古車として輸入された旧年式のハーレーを買う場合には、ココをまず確認することをオススメします。

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クランクケースの合わせ面ですが、ここは後マウント部の付近ですけれど、幅がこのように狭くなっているので確実な作業をしないと、後でオイル洩れに悩まされます。
ボルト穴を通ってオイル洩れが発生することもあります。

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クランクケースの下の2本は他が5/16インチ(約8mm)なのに対して、ネジ以外の軸部が11/36と太くなっていて位置決めのピンの替りになっています。チョッときつめが正常ですから、ココのボルトをメッキなどやり直すと入らなくなることもあります。
ちなみに前にこのエンジンを組んだ大馬鹿ヤローは、普通の5/16のボルトを使っていました。

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ワタシがココ10年間クランクケースの合わせ面に使う液体ガスケットです。
トヨタ純正で、透明感のあるシリコンのものより断然強いです。

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合わせ面の両方に薄く塗ってから、しばらく乾かして指にべトつかなくなってからケースを合わせます。

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ケースのボルトを対角線に順番に少しずつ締めて、30~35Nmのトルクで仕上げます。
これも本来は最初に確認すべきことですが、マウント部やシリンダーとの当たり面のアライメントをスケールなどを当てて平面度を見ておきます。
マウント部の平面度が悪いとケースの破損があり得ますし、シリンダーの当り面が悪いとシリンダーの取り付けが斜めになってしまいピストンとシリンダー内面の具合が悪くなります。















クランクケース、ねじ山修正

2006年01月17日 | クランクケース
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写真はクランケースを組み上げてしまってからのものですが、前にこのエンジンを組んだ”大馬鹿ヤロー”はこれ以外にもいくつかのミスをしていますが、この場合は短すぎるボルトを使ってしまいネジ山が2山くらいしか噛合っていません。
この年式のクランクケースには6本の5/16インチ(約8mm)の貫通ボルトと、2本の3/8インチ(約9.5mm)18山で更にHEX HEAD 1/2(通常は9/16)という特殊なボルトを使っています。

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2山しか噛んでいないケースのねじ山は壊れる寸前で、写真では分りにくいのですが、ネジ穴のまわりが盛り上がってしまっています。
良く見てみるとネジ山の奥のほうは無事なので、修正して本来のボルトを使えばOKでしょう。

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まず、ネジ穴のまわりを面取りカッターで面取りして・・・

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1番タップを元々のネジ山に噛合うように気をつけて入れていきます。
このときにムヤミに力をいれてタップをいれてしまうと、ネジ山が無くなってしまいますのでソッと微妙な力加減で作業します。

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うまくタップでの修正が終わったら、オイルストーンで残った僅かなバリなどを除去します。
ここでも微妙な力加減です。ムヤミの力を入れて擦ると、そこだけ減って面が平らでなくなってしまいます。

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これで修正作業終了です。
分割クランクケースは多数のボルトで固定しますが、均一に締結しないとオイル洩れの原因にもなりますので、折角組みあげたエンジンを「やり直し」にならないようには細部の点検が必要です。













カムシャフトベアリング

2006年01月14日 | クランクケース
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この$10のベアリングが壊れてクランクケース交換に至った例もありますので、機会があるときには交換しておくことをお勧めします。

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クランクケースが分解してある状態でしたら、裏側から当て棒を使って叩けば抜けます。
カムシャフト側から引き抜くSSTもありますので、それがあればクランクケースを分解しなくてもベアリングを交換することができます。


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ベアリングにはメーカーの刻印がありますので、こちらを外側にします。
オイルシールなどにも必ず品番などの文字がありますが、こういった「文字」を外側にセットするのが「お約束」です。

この小さなベアリングが「カムシャフトの荷重=バルブスプリングの荷重+バルブ駆動部品の完成重量)を全部受け持っているので、強化スプリングなどの場合には特に気をつけてください。

エボまでずっと基本的に変わらないビッグツインの構造では、このベアリングを大きくするスペースがないので、高速巡航でのリスクを減らすためにTC(ツインカム)になった理由もこの辺りにあるのでしょう。