ピストンエンジンは永遠か!な?

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鍛造ピストン

2008年06月23日 | ピストン

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これは、アメリカの老舗メーカーの製品です。

ピストントップに窪みがあるのはリバースドームと呼ばれ、ハイコンプピストンとは逆ですが、例えばスポーツスター883から1200にボアアップするときに、フラットでも圧縮比が高くなりすぎてしまいますから、このように窪みで調整するわけです。

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左側はエボビッグツイン純正のピストン。当然鋳造です。

裏側を見ると、右側の鍛造ピストンと違いが一目で分かります。

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大体、こうした説明書が付いてきます。

赤線の部分は、ボーリングとホーニングの作業にはトルクプレートを必ず取り付けろと書いてありますが、車両メーカーのマニュアルにも書いてありますね。

トルクプレートの必要性は拙ブログの記事”シリンダーボア測定””シリンダーボア測定②””シリンダーボア測定③”にも書いてあるので参考にしてください。

赤丸で囲んである数字は推奨ピストンクリアランスです。一般的に鋳造より鍛造ピストンは膨張率が大きいと言われ、そのためにクリアランスは大きく設定されています。

実は今日はココまでが前置きです・・・・。

随分前のことですが、ワタシはこのピストンに一回酷い目にあったことがあります。

その犯人のピストンは残念ながら処分してしまい、実物をお目に掛けられません。

燃焼室を圧縮比調整のために拡大加工しなくて済みますから、施工時間は大したことではないので、比較的低い金額で請け負ったと思います。

サクサクっと作業を終えエンジンを掛けると、いわゆるタペットノイズのような異音がする。

ピストンクリアランスが大きめだから、暖まれば消えるだろうと思うも、消えない・・・。

お客さんには納期を約束してあるので、調子は悪くないし、さほど重大なトラブルに発展するとも思えないから、自然治癒を期待して(するはずはないと思う反面)事情を説明して納めさせてもらう。

何百キロか走った後に、やはりクレーム。

それはそうで、作業前にはしなかった異音がするわけですから。

それから苦闘が始まり、たまたまあった事故車のエンジンから、動弁系の部品を次々に移植して、それでも、どう聞いてもタペットノイズに聞こえる異音は消えない・・・・。

こうなると、事態を解決するのが最優先になりますから、新しいピストンキットを使って事故車のシリンダーをボーリング。組み付けるとウソのように異音はなし。

トラブルのピストンとシリンダーは、見た目も測っても異常はない。

いまだもって納得していない、狐につつまれたようなトラブルでした。

クレーム後の費用はお客さんに請求できないのは当然ですが、パーツメーカーに文句を言ったところで埒はあかないし、いいところで現物交換ですね。

ショップにも、こんなリスクがあることを知っておいてください。

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暇つぶしに

2008年06月01日 | ピストン

只今は差しあたって急ぐ仕事もない(忙しくない仕事もない!)ので、暇つぶしというか何というか、前からやろうと思っていたことを・・・・

あ、プロフィール写真を替えました。長年使わせていただいた絵はポンさんに描いていただきましたが、改めてありがとうございました。

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と言うわけで、新しい画像。

愛煙家は苦しい立場ですが、ピストンを廃物利用する定番はピストン灰皿。

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材料は、ガソリンエンジンのピストンとしては最大級と思われる105mmボアのDR850のもの。

付着した埃が放置してあった年月の長さを物語っている。新品ではないが未使用品。

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少々カロリーを消費したくて、旋盤のチャックに固定して手鋸で。

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サスガに鍛造ピストンは、アルミと言えども手応えあり。

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切った端面は、そのまま旋盤で仕上げる。

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比較のためにハーレーTC88(右側)のピストンを切って(ワザワザ!?)みると、105mmの巨大さが。

作ってみたものの、どうしよう・・・・。

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このピストンはまるで灰皿に使う目的のようにも。

表面積を増やす浅いフィンは、タバコをもみ消すのに実に具合がよろしい。重さも適度にあるので片手で押さえなくてもOK。

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モリブデンコートピストン

2007年03月18日 | ピストン

人気blogランキングへ  今日も夕方から寒い。

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開幕のF1は順当な結果でしたね。もちろんスーパーアグリやホンダチームにはもっと速く走ってもらいたいですが。クルサードがブルツの顔の前を通り過ぎたのにはビックリでした。

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価格の割りに評判が悪くないピストンキット、80cu,inショベルヘッドエンジン用で1台分の現地価格は100ドルチョット。

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同メーカーに、何とモリブデンコート仕様がありました。

価格は約50ドルプラスですから、それほどリーズナブルとは言えませんが、モリブデンショットのコストを考えると食指がうごきます。

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色が変わって見えるのは材質が違うのか、ワイセコの製品と同じように見えますが、形状は裏側も細部に至るまでソックリ同じです。

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これはTC88エンジンの純正ピストンです。1万km走行程度と思えますが、コーティングに磨耗はそれほど見られません。純正品と社外品に同レベルの品質は求められないような気もいたしますが、実際に使用するか考えどころですね。

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