ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

マフラーがでかい!

2007年11月24日 | マフラーの容量

人気blogランキングへ  今日も意外と暖かく、18℃くらいにはなったでしょう。

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2008年モデルのHAYABUSAです。

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まあ、乗り手が見る部分はココが一番?

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これはモーターショーのときの画像です。

ダッシュボードのデザインといい、湾曲した矢印の部分といい、昔のフランス車っぽいような気がするのはワタシだけでしょうか?

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本題ですが、後ろから見ても横から見てもマフラーというか、サイレンサーというか、デカイです。

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これはK社の・・・・、モデル名は・・・・・分かりません。タブン1000ccのネイキッドモデルです。

後輪の前に膨張室がありますからサイレンサーは少々小振りになっています。矢印は触媒。

NEW HAYABUSAは馬力自主規制も撤廃されたことだし、フルパワーの国内販売の可能性もあるかなと思っていましたけれど、どうもそれはないようです。

内側に防音材が張り巡らされたカウルがエンジンをすっぽり覆い、更に巨大なサイレンサーを以ってしても、ヨーロッパの騒音規制をクリアできるだけで、日本での73db加速走行騒音規制は無理なのでしょう。

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ホンダの特許は?

2007年07月28日 | マフラーの容量

人気blogランキングへ 明日は注目の参議院選挙ですね。

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Exhaust patents reveal next generation Honda Fireblade

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これは3日ほど前のMCN(ttp://www.motorcyclenews.com/MCN/News/)からの情報ですが、エキゾーストシステムの特許が話題になることは珍しいと思います。

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中々理解しづらいですが・・・

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2回180度ターンして管長を稼いでいます。

コレの理由は単にマスの集中を求めたのか?MotoGpスタイルの導入のためなのか?

それとも、馬力自主規制の撤廃と、騒音規制改正による逆輸入車のメリットがなくなることを睨んでのことなのか?

いずれにしても静粛性とパワーを両立させるためには、先のハヤブサニューモデルは巨大なサイレンサーを左右に備えていることを見れば納得できます。SSの運動性を犠牲にしないために、この特許は大きな意味があるのでしょう。

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もっともMCNの読者からのコメントで”ビューエルに先を越されている”との指摘がありました。

追記

”今年9月発表のファイアーブレードに採用されるであろう”と予測されています。

バイク盗難情報

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マフラーの容量(28)

2007年03月15日 | マフラーの容量

人気blogランキングへ  今日は曇っていて気温が上がらず寒い1日。

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KTMは元気が良さそう。R/C誌タケタヅ氏のスペインでの試乗会の様子は”世界の車道から”によりレポートされています。

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更に別冊モーターサイクル誌4月号にも詳しいレポートが・・・。

”バランサーシャフトとクランクシャフトが同軸に配置”という解説は疑問ですが、KTMジャパンのウエブカタログにはない写真も掲載されて、興味のある方はご覧になったほうがよろしいかと思います。

20年ぶりの新設計エンジンは、恐らくユーロ3の排ガス規制のためだと思われますが、ケーヒン製のインジェクションシステムとのマッチングも良いのか、厳しい排ガス規制も動力性能に悪影響は見られないようです。

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”跳ね上がったサイレンサーは、好みが分かれそうな斬新なスタイルだが・・・”とだけ同誌では評されている”煙突型”サイレンサーはアチコチで議論されていたような気がします。

単気筒なのに2本ですよ!

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もっとも単気筒2本マフラーは過去にも例があり、煙突型の最初は角度が多少緩やかとはいえ、2003年発表のヤマハXT660でしょうか?

オフロードモデルやモタードは、ノスタルジックである必要もないし、それほどエモーショナルに拘る必要もありませんから”好み”程度で片付けられ、斬新なスタイルもそれほど批判もされる危惧もありません。

そういった意味で、好きなだけの容量を得られるマフラーを装備できるモデルは、規制に縛られても乗って楽しいパフォーマンスが嬉しい存在です。

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マフラーの容量(27)

2006年11月03日 | マフラーの容量

人気blogランキングへ  又秋晴れ復活です。しかし確実に気温は下がっています。

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久々に”マフラーの容量”シリーズです。

写真は”883R”のGotaroさんから拝借いたしました。最新記事では85~90ps/6900rpmとの推測情報も報告されています。エアボックスはチョット小さいのではと思いますけど。

イグニションモジュールのシリーズでは、空冷エンジンは本当に生き残れるのかという疑問も書きましたが”ビューエルが水冷になって、スポーツスターもその流れになるのではないか”というコメントをジャイアンさんからいただきました。

写真はケンケンガクガクと議論が既にし尽くされた感のあるXR1200です。異例とも言えるウエブ上での公表とアンケートでした。

XRを名乗るからには給排気のレイアウトがXR1000と同じが望ましいような気がいたしますが、プロトタイプが走っている映像が公表されているからには、このまま量産に入るのでしょう。

そう、明らかに空冷エンジンです。ワタシはユーロ3以降の空冷エンジンには懐疑的でしたから、Vロッドシリーズの発表後は水冷エンジンの浸透後に随時採用されると思っていました。

多分メーカーも水冷エンジンの反応も確かめたかったと思いますが(決して公式には認めないでしょうけれど)ドコカで誤算が生じたのでしょうね。

勿論製品の空隙を空けるわけには行きませんから、空冷エンジンのユーロ3適応も間に合ってメデタシメデタシですが、その代償に各種の問題も発生というところではないでしょうか?有能な開発エンジニアもそう多くはいないのでしょう。

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そして本題ですが、この写真は”血と汗と涙のシート製作記”から拝借して加工したものです。

メーカーも心配しアンケートまでとりましたが、大不評の巨大なマフラーですね。

排出口が端に寄っているのも不評ですが、容量を最大限に使うということなのでしょう。

”マフラーの容量(24)”ではBMWR1200GSを紹介いたしましたが、同じ空冷で容積の100馬力はXRを名乗るからには同様に出したいもの。

ハーレーはツーリングモデルを除くとスリムなマフラーが伝統になっています。エボエンジンではクロスオーバーパイプが目立っていましたが、商品性を高めるため?にTCでは目立たないように工夫されています。

クロスオーバーパイプは容量を稼ぐために必要なものですけれど、XRでは見当たりませんが、サイレンサー部分か途中でVロッドのようにドコカで集合されているのは間違いないでしょう。

つまり何が言いたいかというと、空冷エンジン、排ガス規制、騒音規制、パワーを満足させるのにはこれだけの大きさが必要ということです。

同様にスポーツスターの60馬力級なら、このサイズのマフラーを備えればオーバーヒートも解決するのではないでしょうか?次世代のスポーツスターはこの路線でしょう。

更に穿った見方をすると、今までのスリムなマフラーの流れから脱却し巨大なマフラーを標準化するために、XRスタイルを利用したとも考えられます。

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マフラーの容量(26)

2006年09月01日 | マフラーの容量

人気blogランキングへ  今日は秋の長雨の到来を思わせるようなシトシト雨で、時折日差しも・・・・。週末は良さそうです。

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写真は近接排気騒音の測定をしているところです。

近年ではご存知のように、世間からの騒音への苦情が大きく、継続車検の機会でも測定されることが多くなっています。特に一目で純正マフラーでないものは必ずといって良いほど測定されます。

測定方法は写真のように、マフラーの出口の排出方向の延長線上に対して45度、出口から50cm離した所に騒音計のマイクロフォンを設置します。

更に細かく説明すると、

  • エンジンの最高出力回転数の75%(最高出力回転数が5000rpmを超える2輪車は50%)に数秒保持し、急激に減速したときの最大音量。
  • 聴感補正回路はA特性。
  • 計測は2回行う(1db以下は切り捨て)
  • 2回の計測値の差が2db以上あったら無効(2回とも基準値を超えていたら有効)
  • 2回の平均値を騒音値とする。

と、中々細かく規定されています。

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通称ドラッグパイプはシンプルなスタイルで人気がありました。

車検を受ける前には必ずチェックする必要があるのは言うまでもありません。どの時点で何処で施行したのか不明ですが、①と②の2丁掛けになっていましたけれど、測定値は103dbでした。

②はパイプの内径に合っておらずスカスカですから、役に立っているとも思えませんね。

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こういった場合では音量を下げるのが第一目的ですから、音質にも拘っていると時間ばかり掛かってコストを上げてしまいますから、適当なもの(この場合はライザーブッシュの大きなワッシャー)をバッフルの先端に溶接して塞ぎました。これで下がったのは僅か1dbです。

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次は後端部に穴の開いたフタを付けて、また1dbダウン。

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更に穴をズラしたフタを追加して、やっと98.5dbです。

この処置をしたサウンドはココで聴く事ができます。アイドリングと測定した回転域です。

エキゾーストパイプと全く同じ径のサイレンサー?では容量が全く不足で、段階的に膨張させて消音することは出来ませんから、ヒタスラに絞って音量を下げる事になります。極端に絞った通路は如何にも苦しげな音質で、狭いところを抜けるシュッシュッという音も出てしまい、重低音とは程遠い音質です。またエンジンの性能も大幅にダウンで、走るのもヤットという感じですね。

今回は時間も費用も限られていたので、前述のように音量を下げる事しか出来ませんでした。需要があればドラッグパイプ用のバッフルを開発しても良いのですが、成果はどうですかね~。

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マフラーの容量(25)

2006年08月26日 | マフラーの容量

人気blogランキングへ  「毎日の更新をしない宣言」いたしましたのでブログランキングからの撤退も考えましたが、これまでクリックしていただいた方に申し訳が立ちませんので、引き続き宜しくお願いします。

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きょうは更新しないつもりだったのですが、禁断症状が出てしまいました。タバコをやめるよりは簡単だと思いますが・・・・・。手頃なネタがありましたので性懲りもなく・・・・。

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ココだけ見ても、分かる人は分かるM/Hエボリツォーネ。

これの注文は大変でした。正月に先着1000台?でネットからでしたけど中々ログインできなくて・・・。おまけに納車は1年以上遅れるし、ドウカティの面目躍如?でした。

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エキパイは比較的細く、前後の長さを揃えることは考えていませんね。

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サスガにイタリアンデザイン、独創的です。他に例を見ないサイレンサーにテールランプとウインカーが吊り下げてあります。

2000年モデルですから音量は近接で99dbギリギリですが、ドカらしいメカニカルなサウンドを発し、音質的には満足できます。後から見たのではパイプ状のサイレンサーをつなげたようですが、実際はボックス形状からパイプが突き出ている構造です。充分な容量のお陰で、回転数の上昇に音量が比例して大きくならないようになっております。

先日のBMWもそうですが、ヨーロッパのメーカーらしく、パフォーマンスとの両立が叶っています。

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さて、矢印の”棒”みたいのはなんでしょう?

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答はテールランプとウインカーのワイヤーハーネスの支持なんですね。

アチコチに新しいアイディアの試みがなされています。

シンプルですが、燃料タンクの容量が少ないことは別として、質感の良い素晴らしいバイクです。

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マフラーの容量(24)

2006年08月16日 | マフラーの容量

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このシリーズは久々ですが、忘れていたわけではありません。

この写真は「BMW」のタイトルの記事でも紹介いたしましたが、R1200GSはデュアルパーパスですから、ピークパワーを追求しているわけではありませんので、ハイパワーモデルの128馬力より低めの100馬力を発生させています。

約250kgの車重に100馬力は必要にして充分であり、軽快な走りを与えてくれます。

GSのアバンギャルドなスタイリングは、マフラーのカタチにも呪縛にとらわれずに、機能を充分に発揮していると思われます。

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シリンダーの配置が上から見て左右ほぼ対象なのは、エキゾーストパイプを同じ長さに揃えるのに苦労しません。

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コレはO2センサーでしょうね。

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集合部手前でテーパー形状になっています。集合部の後ろに触媒が入っているのでしょうか?

ボクサーツインのレイアウトはエンジン高が低いのでスペースを有効活用でき、見栄えのしない部分は目立たないところに押し込んでいます。

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集合部よりヤヤ細いパイプは、風通しの良さそうなヒートシールドに囲われてサイレンサーにつづいています。

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集合マフラーですから出口は1つで良さそうなものですが、管径を絞って開口面積を稼ごうという趣旨でしょう。この設計は意図通りに機能してると思います。音量は聞くだけでも押さえられている割に、力強そうなサウンドで、絞りすぎて「シュッシュッ」という音は聞こえません。パワーを落とさず充分に消音している見本ではないでしょうか?カットして構造を見たい衝動に駆られます。

続きます。

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マフラーの容量 特別編

2006年07月21日 | マフラーの容量

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ずっとこのシリーズで燃焼とマフラーの関係を解説してきました。主題については直接の説明は未だいたしておりませんが、体感できる現象は燃焼室にまで及んでいることが、ご理解いただけたと思います。

ココで唐突ですが、法規制について考察をしたいと思います。6月26日のプレスリリースというニュース性はもうありませんけれど、ワタシもようやくこの記事を皆様にお伝えする決心がつきました。

クルマと比較して20年も遅れてやってきた排ガス規制は、平成18年規制(ハーレーは輸入車特例により2年遅れ)により1足跳びに厳しい基準になります。これは何も日本だけのものではなく、ヨーロッパのユーロ3を初め各国でこれに準じた規制が行われているのは言うまでもありません。

ハーレーダビッドソンの来年モデルがウエブ上で発表され、無事に空冷エンジンも引き続き市販が行われるのは非常に喜ばしい限りであります。

ワタシは06ダイナの排ガス分析表を発売開始当初に見る機会があり、それから判断した結果は「現行規制をコレだけ下回っていれば、コールドスタートが加わっても大丈夫だろう」ということでしたから、それほど心配していたわけではありません。

新車規制が厳しくなるのは、この先どれほど販売台数が増加するかを予想する面も必要と思いますが、規制が2サイクルエンジンのように絶滅になった要因になる事もあります。昭和54年規制でまるで走らなくなったクルマを知っている方も多かろうとも思いますが、20年の技術の発展と蓄積は新たなバイクのハードルを越える原動力にはなっていますけれど、事、空冷エンジンに関しては、完全にユーザーを満足させるレベルに達するに、多少の年月を要するかもしれませんね。

一息ついたら次の問題が浮かび上がってくるのはこの世の常でして、規制は排ガスだけでなく騒音にも及び、やはり輸入車特例で94db規制が実効になったのは2003年の9月からでしたけれど、この94という数字は微妙でした。

弊社で今も販売しているエクトスマフラーの開発で苦労したのは、最高出力回転数の半分で近接測定するわけですから、アイドリングと加速でドコドコ音を出し、測定回転数では静かにしなければならない点でした。このバランスが困難で、規制音量が95程度であればカナリ満足するレベルになったのですがね~。

こうした設定を可能にしたのが、新車規制と使用過程車の規制の違いでした。新車規制は「マフラーの容量③」で説明している通りですが、使用過程車は定常走行と加速騒音の測定は困難という事もあって、最近継続検査でも行われている近接測定しか規制されていなかったからなんです。

下記が国土交通省から6月27日に発表されているプレスリリースの本文です。

  1. 経緯
  2.  自動車による騒音問題については、依然として厳しい状況にあり、特にマフラー(=消音器)の改造や交換等を行ったため、一般の自動車に比して騒音レベルが著しく高くなっている自動車に対する苦情も多く寄せられており、それら車両に対する対策が強く求められております。
     このような状況を踏まえ、平成16年7月、国土交通省と環境省は合同で『自動車排気騒音対策検討会』(座長:黒田道雄 成蹊大学名誉教授)を設置し、不適切な交換用マフラーを装着した車両等、騒音が著しく大きい車両を効果的に排除する方策として、

  3.  Ⅰ 基準に適合する優良な交換用マフラーの普及促進策
     Ⅱ うるさいと感じる車両を規制できるように規制値の設定レベル及び測定手法の改善

    の2つの柱について鋭意検討を重ねてきましたが、今般、主としてⅠの検討課題につき、これまでの検討結果が取りまとめられたのでお知らせ致します。
    (委員名簿及びこれまでの開催経緯については別紙1参照


    「Ⅰ 基準に適合する優良な交換用マフラーの普及促進策」の検討課題に関しては、主に次のような結論を得ました。

    • マフラー改造車※1に対して新たに加速走行騒音等の走行騒音基準を適用し、車検時に同基準への適合性を示す公的試験機関の試験成績書の提示を求めることが必要。併せて、規制の公平性を確保するため、非認証車※2に対しても新たに加速走行騒音等の走行騒音基準を適用することが必要。

    • 装置型式指定制度の対象としてマフラー(消音器)を追加し、良識あるユーザーや販売店の適切な交換用マフラーの選択に資するとともに、認証マフラー※3への交換を行った車両については車検時の公的試験機関の試験成績書の提示を不要とすることでユーザー負担の軽減を図ることが必要。

    • 今後も、交換用マフラーや非認証車の製造、販売、使用等の実態及びそれら製品の基準適合性について市場調査を行う等により施策の効果を把握・評価し、必要に応じて更なる追加的対策を講じることも視野に入れつつ、適切に対応していくことが重要。

     一方、「Ⅱ うるさいと感じる車両を規制できるように規制値の設定レベル及び測定手法の改善」の検討課題のうち、「近接排気騒音基準値の強化の検討」に関しては、本検討会で調査を行ったデータ収集結果を踏まえ、現在、中央環境審議会において検討がなされているところであり、「近接排気騒音の測定手法等の改善に係る検討」に関しては、今後、実用化の見通しを得るべく本検討会にて引続き検討を進めていく予定です。

    国土交通省では、この検討結果を受け、早急に制度改正及び所要の体制整備の検討を開始し、年内を目処に改正内容についてパブリックコメントの募集等の手続きを行う予定です。

  4. 中間とりまとめについて(概要については別紙2参照)
  5. 今後の対応について
     

 

※1 マフラーの改造や交換等を行った車 ※2 型式指定等の認証を取得しない車 ※3 装置型式指定を取得したマフラー

ワタシの注釈を加えると、 加速走行騒音等の走行騒音基準・・・・新車基準(73db)と同等であれば、近接測定値はノーマルマフラー(87db前後)と同じ程度になってしまう。

装置型式指定制度・・・・公的試験機関において基準に合格した製品に形式を指定、勿論取り付け対象車と製品形式が一致しなければ無効。

コレはどういうことかというと、建造物の耐震強度偽造のようにチェックを民間に開放したら、トンデモナイ事になってしまった例が後押しした感があり、新車時に装着されていたマフラーを交換したら試験結果を継続車検時に提出しなさい。しかし、政府が管理する形式指定を取得したマフラーならその限りではないという事です。

つまり、不正改造防止法という30万円の罰金が用意されている厳罰でも騒音は収束しなかったという深刻な事態があり、社会と政府はもう容赦しないということなんでしょう。

耳にハサンだ話では、フランスは違法マフラーは販売も禁止ということです。日本の法律で同じようにするには線引きが必要ということですね。

しかし、これで収束しなかったら次の手は?

今日は余り楽しい話題ではありませんでしたが、趣味も社会に与える影響が取り沙汰される時代なのは間違いありません。ペットだって可愛がっているうちは良いですけど、爬虫類のように大きくなりすぎて捨てられた例も多くなると社会問題に発展します。

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マフラーの容量(23)

2006年07月19日 | マフラーの容量

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フォーンとかクォーンとかのサウンドも余りウルサイと世の中に嫌われて、騒音規制のレベルアップとバイクの性能向上とともに大きくなってきました。初期のものは①のようにまるでドラッグパイプのように径がそのままのパイプに単純なバッフルが挿入されただけであり、そのうちに②のような小型のアルミサイレンサーが装着されるようになりましたね。

大径のカーボンパイプが普及してからは一挙に大型サイレンサーが大勢を占めるようになり、暫らくはバイクとスペシャルパーツとしてのマフラーはセットで買う時代が続きました。

ワタシの知り合いの某マフラーメーカーは1月に4000本の注文が舞い込み、大ブレークして瞬間的にオカネモチになったとか・・・・(今は昔の物語り?)。

大型サイレンサーも性能向上には大きな貢献もいたしましたが、音量を下げる能力には欠け、音量を下げるためには④の赤線で示すようなバッフルも必要です。ただしこの方式は音量を下げる効果の割に性能低下が著しく、音量の低下に比例するが如くパワーも低下してしまいます。音質も如何にも苦しそうでした。

とココまでは日本製4気筒バイクのマフラーについて軽く考察いたしましたが、これらを参考にハーレーのマフラーについて考えてみましょう。

4気筒と2気筒の根本的な違いをもう一度羅列してみると、

  • 単シリンダーあたりの行程容積が違う。
  • 上記の理由にも起因してストロークが違う
  • ストロークと回転域の違いでピストン速度が違う
  • Ⅴツインでは燃焼行程の間隔が不均等
  • 4気筒は連続音で可、2気筒は歯切れの良い低音と、求められる音質が違う。

日本語のウエブ上では、中々学術的なマフラーの理論は見つけることが出来ませんが、us05 1200Rさんが見つけていただき見解を示してくださった英語の論文があります。

これを要約すると、

現在のコンピューター解析はかなり正確にマフラーの性能を予見する事が出来る事が判ります。これは有限要素法とか境界要素法と呼ばれる手法で複雑な形状や組み合わせの解析が可能なのですが計算には未だ時間を要します。とはいっても最近のコンピューターの進歩により長くても数十時間かと予想しています。これらの高度な解析をする前に簡易的に予見を行おうとする試みもなされTM(トランスファー・マトリクス法)は実験結果に対して多少狭い範囲では有りますが実用的な予見が出来ると報告されています。

TRIZという比較的新しい信頼性の為の技法がマフラー設計の考察をしているものがあります。これは2つ以上の相反する要求事項に対しちょっとパズルの様に答えのヒントを出す・・・あちらを立てればこちらが立たずの比較のために記載されている表が色々なマフラー構造のTL(トランスファー・ロス)特性を整理していて見易く出来ています。

コンピューター解析は人間が作った条件を解析するだけですので、限られたコンセプトの中での適正化は可能でも究極の答えを与えてくれるものでは有りません。只、実際のエンジンの音源とマフラーの寸法、構造を入力すればどの音がどの程度出てくるかは可也正確に予知できると報告しています。

当然の事ながら、自動車で使われる3室型のマフラーで十分な消音効果が得られるために殆んどの学術(算術)的手法や研究は3室型の実際の性能とモデルをいかに合わせるかに焦点が有るようです。依って、バイクもこのモデルに従う事が多いのかと思います。

調べる限りでは容量=長さ×径に関して2つの物理的(音響的)性質が有ります。1つはヘルムホルツ共鳴と呼ばれギターの胴やオカリナに代表される共鳴。もう一つは管楽器などの気柱共鳴です。昔のオーディオスピーカーはヘルムホルツ共鳴で容量を上げて全域で特性が出る・・やわらかいアコースティックな音色を持ち、最近の細長いスピーカーは気柱共鳴をデジタル的に調整し全域で(見かけ上)フラットな特性を持たせている・・・らしいです。一般的にハーレー辺りのマフラーのサイズは気柱共鳴に対しては低音を出すのに十分な長さを持っていますがヘルムホルツでは大太鼓の容積を必要としますので現実的では無いようです。

排気ポート部では音源としてのガス流が同時に流れほぼ同じ物と考えがちですが、音波と排気ガス流速の違い(数倍)に依ってマフラー部では別物となってしまいます。コンピューターモデルでも排気管内は有るガスがあるスピードで流れていると定義してその中の音の伝わりのみを解析しています。まあ、どうって事も無いのですが性能を上げるための流路の働きと、消音の為の音響的働きは違う物理現象である事が再認識出来ます。

消音の手法としては;

  • 吸音材

  • 膨張、圧縮による強制的な流速、流路の変化での(摩擦的?)減衰

  • 反射による打消し効果

  • アクティブコントロール

等が扱われています。最終的にはアクティブコントロールを除く組み合わせで全域に渡る減衰量が確保されるようです。ブロワーなどの単一な周波数のアクティブコントロールは自動車などよりは一般的な様ですがコスト、複雑さ、容積、エネルギー源などの問題から自動車への適応は考察程度のようです。

  1. Boundary Element Analysis of Reactive Mufflers and Packed Silencers with Catalyst Converters2003年に発表された境界要素法(コンピューター解析の一種)を使った触媒を吸音材と扱ったものです。此処でもTM法が基本です。

  2. The study of problem solving by TRIZ and Taguchi methodology in automotive muffler designationは信頼性工学の為の論文ですがp16から式の説明が有りp19にマフラー構造とTL特性の一覧が有ります。

  3. Muffler Modeling by Transfer Matrix Method and Experimental Verification2005年の論文で一番判り易く書かれています。数式は分かり易いと言っても余り意味が無いのですが各マフラー構造と減衰特性(TL)が良くまとめられています。但しこのモデルでは吸音材を扱っていません(無視している)

論文#3Real Mufflerとして扱われている3室型のサイレンサーの特性はこの考察に関しては計算と実験が合致し1100Hz辺りに通過してしまう音域が有ります・・・程度の事です。ただ上の方でよく減衰されて200Hz以下の減衰が少ない・・・いい感じかも知れません。但しこのモデルではカットオフと呼ばれる周波数を下側343Hz、上側2100Hzとしているので200Hz以下は正確でない可能性が大です。

1・2・3の論文にご興味がありましたら、ご連絡をワタシにください。

と、様々な条件で変化するガスを消音したりパワーを生かそうと思ったら、アカデミックに解析しても難しいものなんですね・・・マフラーって。

車両メーカーは性能を満たすためには勿論コンピューターを駆使して設計するでしょうけれど、社外メーカーが設計するときはユーザーに求められるモノが違いますから、全部の性能を満たす事はできませんし、経験を基に試行錯誤の繰り返しになる事が多くなります。

次回から、ハーレーのマフラーのそれぞれのタイプについて検証してみましょう。

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マフラーの容量(22)

2006年07月18日 | マフラーの容量

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いよいよ大詰めになりましたが、ここでモッタイブル訳ではありませんけれど、チョットここまでの経過を振り返ってみましょう。

  1. サイレンサーの種類
  2. サイレンサーの大きさ
  3. 騒音規制
  4. バルブオーバーラップの必要性
  5. 燃焼行程  燃焼速度
  6. ヘミヘッド  バルブ挟み角
  7. 燃焼室形状の種類
  8. 燃焼行程  燃焼済みガス排出の重要性
  9. 最大燃焼圧とクランク角の関係  ストロークとトルク ピストン速度
  10. クロスフローとカウンターフロー
  11. スキッシュエリア
  12. ポンピングロス
  13. バルブシート
  14. ポートの大きさ
  15. バルブリフト量
  16. 燃焼済みガスに影響する排気ポート
  17. 2サイクルエンジンのチャンバー
  18. トンネルの発生音
  19. 抜け過ぎるマフラーとトルクの関係
  20. 抜けすぎるマフラーとアフターファイアの関係
  21. ボア・ストローク比

中々アカデミック?な内容になりました。キッカケは「マフラーの容量」でしたが、化石燃料エンジンが今後生き残るためには有害物質放散防止装置としての役割が益々重くなるマフラーと、エンジン自体の変遷はマフラーだけでは厳しい基準をクリアできない理由も、遠回りしながら、全てとは言えないまでもお伝えできたのではないかと自己評価しています。

”フィーリングの追求”もハーレーダビッドソンとしてはアイデンティティを主張するための空冷は危ぶまれていますが、生き残るための方策も間違えば存続の危機にもなります。それはいくら趣味性が高いといっても、世界各国の法律で定められた基準に沿った性能を求められる運送用機器の一つに過ぎません。

性能といっても動力性能だけでなく、制動性能や操縦安定性能といった安全を求める性能であったり、前述の有害物質を防止する性能であるわけです。クルマでは更に燃費も重要視されていますね。

また前置きが長くなりました。

スズキがカタナ6(ワタシが勝手に命名)をプロトの形で発表していますし、ホンダはフラット6をずっと市販していますが、4気筒エンジンがバイクでは一番効率的なのは一般的評価です。

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ポップ吉村がバイク用の集合マフラーを発明?いたして以来、高回転型エンジンがピークパワーだけでなく幅広いレンジで効力を発揮し、結果として更なるパフォーマンスを誇示できるようになりました。

4気筒の集合部を平面図では書けないので想像にお任せするしかありませんが、4気筒ではクランクが180度回転ごとに燃焼行程があります。

排気ガスの流れを考える上で難しいのは、発生が燃焼行程毎ですから断続するし、ガスの温度が一定ではないので容積も圧力も変化し、スロットルバルブの開け具合も変ってきます。

集合マフラーで特性を利用するのは断続にあります。排気ガスの断続を利用するのは一度でも聞いたことのある脈動効果で、図のように燃焼行程を終えて排気行程になったとき、直前に同じ行程が終わった他の気筒の排気ガスが緑矢印の部分で圧力の谷を作ります。

この谷が集合部以前にあるガスを引っ張り込み排気行程のポンピングロスを減少させ、更にポート付近の流速を増す事が出来れば、バルブオーバーラップ時の燃焼済みガスの残留を少なくすることが出来ます。

エキゾーストパイプの長さ(集合部までの長さ)や太さは不変であるのに対し、回転数やスロットルバルブの開度でガス流の速度は変化しますので、あらゆる回転で引き出し効果があるわけではありません。ガス速度とエキパイの長さの関係を考えると、短い方が高回転型になりますね。並列4気筒では4本のエキパイの長さを揃えるのもサホド困難ではなく、○○ムラ手曲げとか○○ワキ手曲げとか一世を風靡しました。

あのフォーンという独特のサウンドは引き出し効果が最大に発揮しているときで、更にカムタイミングによる充填効率も最大のときに相乗効果で得られる爆発的なパワーは、経験した方にしか分からないかもしれません。

優れた集合マフラーはピークパワーと幅広いパワーバンド、官能的なサウンドを提供できます。これは”魔法のコトバ”ではありません。

音の正体?

S82_1

これから紹介することは今までにホトンド論じられずにきたことです。今日の記事を読まれた方はラッキーと思ってくださいね。

ワタシもこのシリーズの最初では燃焼済みガスが大気開放された時に排気音が発生すると書きましたが、実は排気行程の始まりでバルブが開いた瞬間に生じた圧力の変化が波になり、エキゾーストパイプを通過する過程で成長して大音響の基になります。⑱の項のトンネルの発生音を思い出してください。

図のボアスルータイプのサイレンサーは燃焼済みガスの圧力を下げるのには有効ではありませんが、インテークポート内で発生し燃焼済みガスより速い速度(勿論音速)で伝播してきた音波は有効に減衰されるようです。 ですからこのタイプのサイレンサーは排気ガスの圧力を落とさないので、99dbまでの規制にはクリアして、らしいサウンドを聞くことができます。

ボアスルーのままサイレンサーのサイズを大きくしても、静かにならないのは実証済みです。

続きます。

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