ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

バッテリーターミナル

2006年02月28日 | 電気系
人気blogランキングへ*ランキングトップ奪回です。ゼヒご覧ください。

一時はあきらめかけていたランキングトップの座が今朝戻ってきました。
まるで最後の最後で金メダルを奪取した荒川選手のようです。(チョット??ダイブ?大袈裟でした)

これも皆様のご支援のお陰と、感謝申し上げます。

今日は月末に加えバージンハーレーに掲載する記事の校正に追われ、ブログ更新の記事をまとめる時間がないかな?と思っていたら、うってつけの事件?が舞いこんで来ました。

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遊びにきたお客さんのダイナがエンジン始動不能です。スタータースイッチを押すと電気がダウンしてしまいます。

2001年モデルと新しいし、ココまで走ってきたのですから、そう厄介なトラブルではないでしょう。
写真のようにシート下がホコリだらけですから、しばらくシートを外した気配もありません。

とりあえずバッテリーターミナルをチェックしようと、こうしてシートを外してみるとターミナルの角度が変ですね。
ターミナルのスクリューは緩んでいなかったので他の原因を考えてみると、過去に良く見られたのはスポーツスターのバッテリーケーブルの断線がありましたので、ケーブルの被覆をはがしてチェックしましたが異常はみられません。

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バッテリーの充電状態をチェックしようと思って、その前にケーブル側の端子をもう一度良く見ると、何か接触面の様子が・・・。
ターミナルの表面に何かの酸化皮膜が付いていたようで・・・・・。

バッテリーとケーブルの接触面を磨いてターミナルグリスを塗り、取り付けてOKでした。

今日校正したバージンハーレーに掲載する記事の中に「始業点検すれば出先のトラブルは随分防げる」というような事を書いていたのですが、今のバッテリーはメンテナンスフリーといっても、端子はたまに磨いてやらなければならないですね。



クラッチハブ

2006年02月27日 | ドライブ系
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ローラーをクラッチハブに組み付けるのには、リテーナーにグリスを塗ってローラーを張り付けると作業しやすいですね。

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赤矢印はベアリングプレートを固定するスプリングの入る溝です。この溝はハブの3本の長いドライブスタッドにあります。
青矢印はドライブスタッドの磨耗している部分で、ココでフリクションデイスクを駆動しているため、どうしても磨耗してしまいます。磨耗が酷くなるとクラッチの機能(切れ具合)に悪影響しますね。

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赤矢印は固定用のスプリング、青矢印はベアリングプレートで変形しているのは、ハブのセンターナットのロックワッシャーを折るときに曲げてしまったのでしょう。

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クラッチハブが付くメインシャフトです。
矢印は回り止めのスピールキー(通称キー)で、なるべく新品の使用、少なくとも磨耗していたり傷ついていたら必ず交換です。

*ハブを組み込むときに、溝の中央にないとハブを破損してしまうので注意!

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センターナットとロックワッシャー。
ロックワッシャーのシャフト側のツメは、さほど大きくなく、シャフトの形状によりずれ易いので、やはりココも注意です。

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上記のようにロックワッシャーがずれやすいので、ワタシはナットの矢印の部分のカドを面取りして、ナットを締める時に引っ掛からないようにしておきます。

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ナットを締めてこのようにロックワッシャーのツメを折り曲げて回り止めをします。

*このナットは逆ネジ(左ネジ)になっています。

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ココの時点でベアリングプレートを付ければ、変形させずに済みます。

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プライマリーハウジング取り付け

2006年02月26日 | ドライブ系
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昨日の記事はこの記事の冒頭にする予定で書いていたら、思わぬ展開になり時間がなくなってしまいました。
しかし、現在ブログランキングの1位の”しんたろう”さんは、ずっとトップに君臨しているだけに手強いですね。

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プライマリーハウジングの裏側です。
①はまだホースをつけていないですが、ココからクランクケースの圧力の変化を利用して、ハウジング内のオイルを回収します。
②はクランクケース内とオイルタンクとの圧力を均一にする通路になっています。
③はプライマリーチェーンを潤滑するため、ポンプからオイルを送るホースです。
④はチェンジペダルのリンクですね。

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前時代的なブリキ製のスターターシャフトが通る仕切り板です。シールにはOリング!

S3_3
クランクケース側にはOリングが付きます。
このOリングもドライの状態でハウジングを取り付けると、ハウジングのカドでキズつける可能性があるので、ワタシは滑らせるために液体ガスケットを使用します。

*このOリングはエボのものとよく似ていますが、太さが違うため(エボのが太い)しようできません。
もし使用するとハウジングを壊してしまいます。(経験済み!)

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準備ができたらハウジングを嵌め込む前に、スターターシャフトを組み込んだり、ホースをつなげたり、各部を同時に作業しなければならないので、一旦はこの状態で保持しておきます。

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オイル回収のホースはこの段階でつなぎます。

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Oリングを損傷させないように気をつけて、仕切り版にスターターシャフトを通して、モーターのリダクションギアに押し込みます。仕切り版にはガスケットを液ガスなどで固定しておいたほうが良いでしょう。
ココは中々難しく、集中力が要求されます。

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スターターシャフトのシフトカラーの溝にシフトアームの先端が入っているかも注意しないと・・・・・。


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各部を無事に取り付ける事ができたら、給油ホースなどを挟み込まないように気をつけながら、ハウジング固定用のボルトやナットを締め付けます。

*トランスミッションはプライマリーハウジングで位置決めされるので、ハウジング固定用のネジを締める前には、トランスミッション固定の5本のネジは必ず緩めておきます。
ワタシは更にしつこくハウジングとミッションのネジを仮締め、緩め、仮締め、本締めと繰り返して、エンジン・ハウジング・ミッションの相関位置を無理のないように気をつけます。
無理のある取り付けはハウジングのクラックの原因になります。
最後にハウジング内に突き出たメインシャフトが手で軽く回す事を確認します。

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クランクケースの後ろ側2本の5/16ボルトは頭部に穴があいているので、ワイヤーロックで緩み止めをします。
ワイヤーのロックはネジが締まる方向に引くことに注意を。

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プライマリーチェーンのアジャスターが付くプレートは、プライマリーハウジングのキットにも付属していたのですが、写真のようにメッキしてありますので、今まで付いていた純正部品を使う事にしました。

*このような硬化処理してある部品にメッキは禁物なのです。
水素脆性という作用によって鋼が脆くなってしまうのです。

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プレートの取り付けスクリューには、緩み止めとオイル洩れを予防するために、ロックタイトを使用しました。

このプライマリーハウジングの組み立てはワタシも正直言って「面倒くさい」で、オープンプライマリーのなんと単純で、整備性の良い事かといつも思います。
ショベルのミッション廻りのオイル洩れが整備しにくい理由のひとつでしょうね。



























ショベルは・・・・。

2006年02月25日 | consideration
ブログランキングは1位安泰と思った瞬間に陥落してしまいました。
”ライバル”の”しんたろう”さんも中々ガンバッています。
うちのブログのアクセス解析によると、1回目の方がほぼ毎日40~50%を占めています。
しかし問題は2回目のアクセスがその15%くらいになってしまう事ですね。
でも考えてみれば、中身の重箱のスミに恐れをなして?2度と来ないのも当たり前かもしれません。

15年くらい前の話ですが、うちのスタッフの同級生だったK君がバイクが好きで、よく入り浸っていて雑用などを手伝ってくれたので、彼のバイクの修理に工具と場所を貸してやりました。
まあよくある話です。
カワサキのGPZだったと思うのですが、オイルパンを交換したのですけれど、仕事が早い!
何か、あっという間に終わらせて出掛けたと思ったら、電話が掛かってきて「エンジンが止まってしまった」
エンジンは焼きついていました。
オイルパンのなかの通路のプラグを移植するのを見逃して、エンジンオイルの内出血でした。

と昔話ですが、ココで得られた教訓は「エンジンは積み木ではない」ということです。

バイクとクルマで違う最大の点は「バイクには走る目的以外の余分なモノはなく、機能部品だけで構成されている」ということです。
最近のクルマは特にコンフォートに重きを置かれ、ほとんどが走る応接間(アッこれは死語?)
バイクにもコンフォートの波は来ているようですが・・・・・・・。

話は長くなってしまいましたが、エンジンには機能部品以外はないということで、どんな部品にも役割が割り当ててあり不要の部品はありません。重要度合いは様々で、オイルが洩れるだけのモノもあれば、それの故障で致命的なダメージを受けてしまうモノもあります。

ハーレーダビッドソンに於いては、その奇跡的存在で、30年以上を経たものが我々一般大衆にも所有されても、それがさほど稀有な存在ではありません。
アメリカはその独特な地政学的な理由で、クルマの発展の方向もヨーロッパ(と日本)と大きく違い、エコの風は20年以上も前から吹き始めたにもかかわらず、その風に乗らずにとうとうGMの経営危機まで言われはじめました。

大型バイクの世界はクルマと数量の大きな違いで、排ガス規制から逃れてきましたが、さすがに21世紀になってからはその”安楽な世界”に決別をつけさせられました。しかし日本の4大メーカーは25年前のクルマの排ガス規制の対応する技術のフィードバックにより難なくクリアするでしょう。しかし問題は”機械の標準化”で世界の4大メーカーが日本の4大メーカーであり始めた頃から兆しがみえたこの標準化は”バイクの標準化”になってしまい、どのメーカーのバイクを較べても違いはなくなってしまいました。
標準化がもたらしたものは、故障が少なく信頼性が高く、コストは低くパフォーマンスと価格の釣り合いは”不当”なほど安い!一時は1馬力1万円を目指していましたが、今や高馬力なバイクほど割安感があり、300km/h!を150万ほどで買えるのです。

その反面失ったものはナンでしょう?

日本のメーカーは先駆者を「追いつき追い越せ」で遮二無二やってきたので、すべてを数値化することで評価して発展しました。その成果は動力性能で、制限速度と道路事情を考慮しなければ、その素晴らしさには異論を唱える事は出来ません。
故障のない日本製バイクはチューニングでもしない限り分解する必要はありません、幸いにワタシは多くのバイクを分解する機会がありましたが、ホントにメーカーの違いはおろか何気筒でも基本的に同じです。
高性能化により失った最大の点は「巡航スピードのつまらなさ」で、ワタシは最初に気が付いたのはヤマハRZV500Rという2ストのV型4気筒でした。60km/hで走っていると、まるで徐行しているようで・・・・。飛ばすとおもしろかったのですがね。
そして大量生産を前提にした価格設定は「売れること」を前提に生産計画をする必要があり、いつしか無難な線にまとまりモデルの標準化はそうして当たり前になってしまたのでしょう。
そうなると普通に走っての「面白さ」は元々数値化などできることではなく、現在に至ってしまったのでしょうね。ハーレーにもその兆しが・・・・・?

前置きがようやく本題に・・・・
ハーレーダビッドソンに日独の技術が注入される以前は、エンジンの外観以上に中身は前時代的であり、なんたって基本的にはビッグツインはナックルから同じですから。
各部品の製造行程は「戦前と同じ」ではと思わせるものが多数あり、単純な構造で路上での分解整備を可能と言われたのも頷けるほどですが、それが返ってズサンな経歴を思わせます。
大量生産で低コストにつくられた機械に高精度は必須で、だれが組んでも同じ結果でないと信頼性は得られません。
つまり、ショベル以前は部品交換といってもマクロ的な観察が必要ということです。故障が多いと言う評判はこうした時代背景が異なる機械を評価するには余りにも酷ではありますが、事情を踏まえた人がまだまだ少ないということなのでしょう。

jaiさんがバイクと言うカタチのハーレーダビッドソンと言ったのは誠に言い得て妙です。
エボからは日独のノウハウが注入されていますが、まだ地政学上の理由が残っています。

ワタシはこうした事情を説明したいがためにブログを毎日更新しております。(ホント?)
でも楽しみながらやってます。(本音はシンドイ?)


スターターシャフト

2006年02月24日 | スターター系
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プラーマリーハウジングを組み立てようと、各部品をチェックしていたら、青矢印のナットが緩んでいました。
危ない、危ない。

指先で押したスターターボタンの指令はこの部分まで伝わってきます。

今まで引っ込んでいたピニオンギアがソレノイドによって押し出され、赤矢印のように飛び出します。

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分解すると、このようになります。

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シャフトの先端のネジ山は逆ネジになっています。
通常は硬く締まっていますので、逆ネジを知らないと外れません。

赤矢印の斜めになったスプラインは、ピニオンギアがココを滑って回転による慣性を利用して、ソレノイドの押し出す力を助けて、勢いを付けて飛び出します。

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スタータードライブギアユニットと呼ばれる部品ですがワンウエイクラッチになっていて、エンジンが始動するとモーター側に負担を掛けないようになっています。
これはたまに消耗して空回りしてしまい、始動不能の原因になる事もあります。

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ギアユニットを交換する場合は、赤矢印のスナップリングを外して、シフターカラーを分離する必要があります。
青矢印は斜めのスプラインの雌側ですね。

*スターターモーターが空回りしたら、慌てないで上記ギアユニットを点検してください。



















クランクシール

2006年02月23日 | クランクケース
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たくさんのご応募をありがとうございました。
当選された方には後ほどメールでご案内いたします。
次回の読プレにご期待ください。


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通常のプライマリーハウジングの場合はこのようにオイルシールがセットされています。
普通に考えると裏返しなのですけれど、プライマリーハウジング内の汚れたオイルが、大事なクランクベアリングに侵入しないための処置です。
オープンプライマリーの場合はこの逆の向きに取り付けます。
良く見るとヒビが入ってませんか?
オイルシールのゴム部分には普通ではヒビなど入りません。

Simg_0283
このオイルシールは外しにくいですね。
タッピングビスを使いたいのですが、穴をあけた時の切り粉がベアリングに入り込むのは避けたいし、裏返しのシールですから向こう側のスペースはないし・・・・・。
前に紹介したノミに加工したドライバーの出番です。
もちろん2次災害には気をつけて、シールのハウジングにキズをつけないように、ツッコミます。
外周の1/3くらいめくっていけば・・・・

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取れました。

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ゴムがカチカチで、矢印のところだけでなくヒビが多数あります。

S13
シールの接するスペーサーもダメになる寸前でした。
矢印のようにシールの接触部分が磨耗して凹んでしまうと交換です。
これは幸い跡が付いただけのようです。


Simg_0294
スペーサーの外周うぃ磨きなおして、シールをマッスグ入れてココはOKです。

しかし、シールが硬化していることは・・・・・。

チョット気になって、どうせシールを入れるのにオルタネーターのステーターが邪魔なので、外してみると

Simg_0288_1
リード線が見事に、こんなになっていました。このままだとショートしてしまうのは一目瞭然。
バラス前に充電電圧はチェックしておいたのですがね。
外してみて良かったですね。
















カムシャフト・ブリーザーバルブ エンドプレー

2006年02月22日 | クランクケース
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*締め切りは今日の24時です。


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カムのエンドプレーはこのように測定します。
構造上では、エンジンが熱くなるとエンドプレーは多くなると推測しますが、0ではマズイ。
カバーは仮付けでよいのですが、マニュアルにも書いてあるように、カムの周囲を均等に4本以上のスクリューで締め込みます。

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エンドプレーの調整は奥のシムの厚さを変えて行います。
写真のように1.88mmのシムで0クリアランスだったので、1ランク薄い(0.13mm)シムに交換して再測定します。

シムの厚さ=1.27~2.41mmまで0.13mm刻み

エンドプレー=0.001~0.016インチ(0.0254~0.4064mm)

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Simg_0266
ココで気になるのはガスケットの厚さです。
古いガスケットを測ってみると61/100mm
新しいガスケットは77/100mmでその差は16/100mmもあります。
つまり、新しいガスケットでエンドプレーを13/100に調整した場合にはガスケットの沈み量のほうが大きくなってしまう可能性があるのです。
マニュアルの記載ではちゃんと0.15mm差し引けと書いてあるのですが、私の場合は古いガスケットを使って測定しました。

Simg_0259
ブリーザーバルブのエンドプレーは写真のように、スケールを使ってシックネスゲージで測定します。

エンドプレーの許容範囲はカムと同様。

シムの種類は2.79  2.92  3.0  3.17 とマニュアルには記載があります。

マニュアルの数値にはタブン間違いは無いと思いますが、前述のようにえんじんが熱くなるとクリアランスは多くなるので、ワタシは出来る範囲で小さく調整します。















カムシャフトベアリング交換

2006年02月22日 | クランクケース
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*締め切りは2006年2月22日24時です。

ブログランキング1位達成も束の間。やはり厳しいですね。
おなじバイクのカテゴリーとはいえ、マクロ的には全く異なるしんたろうさんもガンバっています。
今日は少し暖かいとは言えサムーいこの2月は、バイクの世界は盛り上がりに欠けているようで(寒いばかりではない?)
同じブログランキングでも芸能系の1位は60万ポイントですから。

皆様も一緒に盛り上げましょう!!

しかし、皆様のお陰でランキング上位にいるのに、こんな事を言ってはナンですが、ワタシの重箱のスミを突っつくようなナカミに、どなたかが驚愕しているように皆様ヨク見に来ていただけるとワタシも・・・・・・・。
さて、今日もスミを突っつきましょう。

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クランクケースの組み立てのトコロで”機会があったらカムのベアリングを交換すべき”と言っていたので、今回はその手順です。
写真はプーラーをセットしたトコロですが、実はこのプーラーはTCエンジン用のものです。
カムギアケースの奥深くにセットされたベアリングをクランクケースの分解をすることなく抜き出すのには、専用のプーラーがなくては無理でしょう。
ジムズのプーラーは現地価格で100ドルくらいではないでしょうか?

S275
写真のように①を締めると②が広がってベアリングに固定されます。
それから③を締めるとスルスルっと抜く事が出来ます。
この際はやはりマッスグに引っ張る事が肝要で、ネジの力は強大なので例え曲がっていても抜いてしまうでしょうけれど、
ベアリングが入っている穴にダメージを与えてしまいます。

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②の部分を拡大すると・・・・・。
サルがつぼの中の・・・・・アレッ何だっけ?・・・を掴んだら手が抜けなくなったのと同じ理屈です。

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ガッチリと掴んで抜き出します。

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抜いた後は良くチェックして・・・・・。

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ベアリングを挿入するのには専用のインストーラーもありますけれど、ワタシが使うのは手造りSST。

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SSTの先端はベアリングの内径より小さく作ってあり、ベアリングを手で支えなくても挿入できます。
こういったものをマッスグ入れるコツは最小限の力で少しずつ入れることで、いきなり大きな力で入れようとすると曲がってしまいます。
ベアリングの厚みが外径と同じくらいあるので、最終的に曲がったままという事は余り考えられませんが、このベアリングはデリケートなので細心の心遣いをしたいものです。















カムシャフトオイルシール

2006年02月21日 | クランクケース
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カムシャフトのオイルシールからオイル洩れがあったので交換します。
ポイントやガバナーを外して・・・・・。
この状態からオイルシールだけ交換することも可能です。
適当なサイズのマイナスドライバーをカムやカバーを傷つけないように気をつけながら、オイルシールのリップに差し込んでグイっとこじれば浮いてきました。

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トランスミッションの分解に使った「曲げたドライバー」を使えば、簡単に外れました。

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オイルシールが外れたら、良く掃除をしてからオイルシールを嵌め込めばOKですが、意外と難しいものです。
オイルシールの内側と外側を同時に入れる感じなので、まっすぐに入れるのは失敗する可能性があります。
どうしてもココだけやりたいのでしたら、オイルシールは失敗して潰してもやり直しができるように2個以上用意しておけば良いでしょう。

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オイルシールは外してしまいましたが、今回はコーンカバーも外します。
その前にリフターブロックも外しますが、ついでに写真のスクリューを見てください。
ネジ山にオイルが付着しているのが分りますが、このクランクケース側のネジ穴は下まで貫通していて、ネジがキチンと締まっていてもオイルがにじみ出てくる事があります。

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リフターブロックが外れたら、コーンカバーのスクリューを緩める前に、カムシャフトのエンドプレーをチェックします。
正常ならカムは赤矢印のように動きます。
動かない場合は2つの原因が考えられます。
①エンドプレーが無い
②カムギアの噛合わせが硬すぎる(バックラッシュがない)

エンドプレーは青矢印のシムの厚さを変えて調整します。

カムギアの噛合わせが硬すぎるとエンジンが回れば「うなり音」がでるので、当然エンジンをバラス前のチェックで分るはずですが・・・・。

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コーンカバーを外すのには、写真の手造りSSTを使います。
同様なものはCCIなどのカタログにも載っていますが、自分で作れば「タダより安いものはない!」
幅20mm厚さ5mmのフラットバーを使っていますが、すでに曲がっています(笑)。
でもカバーへの固定はポイントベースの細いスクリューしか使えませんので、余り丈夫に作ってもカバーが壊れてしまいます。


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SSTをシッカリ固定して中央のボルトを締めこめば、カバーは浮いてくるはずですが、無理は禁物です。
ポイントベースのスクリューは細いので、コレを介して引っ張る力を大きくするとネジ山が壊れて、カバーの交換というハメにもなりかねません。
しかし、カバーには位置決めのピンが2本あるので、プラハンなどで叩いても余り効き目がないのです。
そしてカバーの肉厚はそう厚くないので、強く叩くと割れてしまいます。
では?
SSTの中央のボルトに少しずつテンションを掛け、カバーのまわりをコンコンとプラハンで叩き、それでも浮いてこない場合はオイルポンプをテコの支点にしてヤサシクこじります。

次回はカムベアリング(クランクケース側)の交換です。