ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

JC12のスタータークラッチ

2017年08月14日 | スターター系

久しぶりの更新です。

JC12は1980年代半ばから約10年間生産されていた125ccのモデルですが、スターターモーターが空回りするというので分解してみました。

フライホイールはジェネレーターも兼ねていますが、クランクシャフトとテーパー勘合になっていますからSSTを使わないと外れません。

検索するとタイヤレバーなどでこじる作業も見受けられますが、2次被害の発生の可能性が高いのでお勧めしません。

分解してみると原因ははっきりしました。

ローラーを押すプランジャーのスプリングが短くなっていて用をなしません。右側が新品のスプリング。

スタータークラッチはモーターがエンジンを駆動するときだけ接続するワンウェイクラッチですから、楔の役割をするローラーはプランジャーによりこの画像で言えば右方向に押されています。

ローラー、プランジャー、スプリングを所定の位置に組み込んで、水平の状態でギア/インアーローターを挿入します。無理やり押しても入らないので斜め気味にして動かしながら押せば組み立てられると思います。

つまりギア/インアーローターをこのままでスタータークラッチ本体を組もうとすれば、ローラーなどはこぼれ落ちてしまい作業は困難を極めるでしょう。

このようにスタータークラッチをコンプリート状態にし、キー溝を合わせてクランクシャフトに組み込み作業は無事終了。

長い年月を経たバイクではその間にどのような扱いをされたかが不明で、トラブルは過去の整備自体でもたらせられた事も多いような気がします。今回のケースも分解したのはイイものの”苦肉の策?”でスプリングを切ってしまったのだろうか。


トライクではなく

2014年02月23日 | スターター系

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初めてだととビックリする台湾では時折見掛ける4輪スクーター。

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要は左右両側に補助輪がついているのだが、あまり複雑になると当然コストも高くなるしメンテナンスに困るので、ステップボードの下にボルトオンで固定されているようだ。

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この画像でも分かりにくいが、それぞれにサスペンションは組み込まれている。残念ながらまだ乗ってみたことはないが、ハイスピードコーナリングには不向きなものの、危険だと聞いたこともないので用途によっては便利かなとも思う。

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Dunkley Popular Scooter

2013年09月10日 | スターター系

Dunkley_1959_popular__06

コチラコチラ で紹介したDunkleyは同じ会社か不明であるが、1959年に”Dunkley Popular Scooter"を販売している。

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1958hermes1ttp://mercuryindustries.wordpress.com/1956-mercury-hermes-scooter/

Dunkley Popular Scooterはイギリス製の4スト50ccエンジンだったが、デザインだけなのか車体もなのか不明であるが、提供したといわれるドイツのマーキュリーは2ストエンジン。シートのこちら側にエンジン始動のハンドルが見える。

Meister_03ttp://www.scootermaniac.org/modele,Meister,Solo-Roller,1041.html

そしてマーキュリー ヘルメスはこのマイスター ソロのコピーと言われているから複雑だ。

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スタータクラッチ空回り!②

2007年07月01日 | スターター系

人気blogランキングへ   今日は晴れのち曇り。

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下が新品のスタータークラッチ SUB‐ASSY(31516‐94 日本価格¥33.200! )

以前はクラッチ単体で入手できたような気がしますが、現在はこの形態になるようです。

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クラッチと言ってもワンウエイクラッチで、任意で動力を断続するわけではなく、ギアを押さえていればアウトプットシャフトは矢印の方向だけに回転できますが、壊れてしまうとどちらの方向にも回転してしまいます。

つまり、エンジンを始動するときはモーターからエンジンに動力を伝え、エンジンが始動した後はモーターを駆動するのを防ぐことになります。

今回のように故障してしまうと、エンジンを回転する力が失われて”空回り”になってしまうわけです。機会があれば内部構造を紹介いたしましょう。

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スイッチ部とギアハウジングを組み立て、緑矢印のところにはグリスを充分に塗り、モーターのコイルが焼けていないかなど確認しておきます。

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モーターとハウジングを組み立てるときには、モーターの赤矢印突起とハウジングの緑矢印凹部を合わせます。

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モーターとソレノイドスイッチのターミナルに、酸化皮膜のようなものが付着していましたので掃除しておきます。

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前述したようにクラッチなどプライマリードライブを外さないで作業をすると、ジャックシャフトの取り付けにチョット苦労するはずです。

クラッチがなければ、スターターモーターを完全に固定してからジャックシャフトを差し込むことができますが、そうでない場合ではリアシリンダーの後ろ側から左手でスターターを押さえつつ、右手でジャックシャフトを回しながら押し込みます。カップリングのスプラインの溝を合わせるために回す必要があるのです。

ジャックシャフトの固定ボルトは10Nm程度の低トルクで締めますから、ロックプレートは必ず新品に交換してください。

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ロックプレートは青矢印が古いもので、緑矢印が新品です。

こういった細かい部品(33126‐94@130円)は常備しておくと慌てなくてすみます。

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ついでにスピードセンサーも掃除しておきます。

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各部を掃除しながら作業を進めたので、キレイに仕上がりました。

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バイク盗難情報 コチラも気にしてください。


スタータークラッチが空回り!

2007年06月29日 | スターター系

人気blogランキングへ   今日は梅雨らしい天気。

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ケッタリングが発明した電気式セルフスターターは、指一本でエンジンを始動できる今では当たり前になってしまったものですが、故障すると厄介です。

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スターターモーターを外すのには(今回のケースはエボ・ダイナ系)バッテリーとトレイをまず外します。

ところでエボ以降のスターターの故障というと、今まで経験したのはスターターリレー、スタータークラッチの不良が挙げられます。

スターターリレーの不良は、スターターボタンを押すと小さい音でカチカチいうが、モーターが回らない症状。

スタータークラッチの不良は、ガチャンと大きな音がしてからヒューンとモーターが空回りして、エンジンを回すことができない症状になります。

今回は後者ですから、スターターモーターを外して分解する必要があります。

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モーターを外す前にジャックシャフトを固定するスクリューを外します。もちろんプライマリーカバーを外してからのことです。

ワタシはプライマリードライブをそのままに作業を進めますが、最後にジャックシャフトを固定するときにはプライマリードライブを外しておいたほうがやり易いことを最初に言っておきます。

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赤矢印がモーターを固定している3/8のキャップボルトですが、工具は1/4サイズのヘックスレンチを使うことになります。

ココのボルトは強く締まっていますから 、できれば先端がボール状のではなくストレート形状のレンチを使ってください。

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プライマリー側のジャックシャフトの固定を外しておけば、モーターは2本の固定ボルトを外すだけです。もちろんその前にバッテリーケーブルは外しておきます。

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ジャックシャフトはこのようにプライマリーケースに残ります。プライマリードライブを外さずに行うとリングギアが邪魔して残ってしまうのですが、組み立てるときにモーター側のカップリングのスプラインの溝を合わせるときに少々苦労を強いられます。

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矢印のカップリングは差し込んであるだけですから、今回の場合はモーターに付いてきましたが、場合によってはジャックシャフト側に残ることもあるでしょう。

矢印が指している部分はマニュアルにはカウンターボアと呼んでおり、差し込んでいる方向を指定するためのものです。

カップリングがアウトプットシャフトの奥まで入っていることに注目してください。

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カップリングの中には位置決めのスナップリングがあります。

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つまり差し込む方向が間違い、カウンターボア加工されていない青矢印がジャックシャフト側になると、赤矢印のように奥まで入りません。

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まずモーターとハウジングを固定している長いスクリューを外します。

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次にハウジングとスイッチアッセンブリーを固定しているボルトを外します。

割と強く締まっていましたから、使う工具はプラスドライバーよりも11/32サイズのソケットレンチが確実です。

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勘合している部分がありますからボルトを外してもすぐにバラけませんが、スプリングも利いていますから勘合が外れると勢い良く分解します。

この際に気をつけたいのは矢印のアイドルギアのベアリングで、中のローラーの回転方向を変えないのが望ましいことから、バラバラにしたくありません。

つまりスプリングの力でビックリ箱のようにならないように気をつけて下さい。

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クラッチアッセンブリーは裏側から押せば抜け出てきます。

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つまり矢印のOリングで固定されているだけです。

続きます。

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バイク盗難情報


インチキ ソレノイド!

2007年03月25日 | スターター系

人気blogランキングへ  意外とひどい雨になりませんでしたが、能登の地震の被害が心配です。

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先日の記事でバッテリーからのケーブルが焦げたトラブルを紹介しましたが、その原因が判明いたしました。

画像のソレノイド中古品を使ったら、スターターモーターはスイッチを押している間だけ作動して、スイッチを離すと正常に作動が止まります。もちろんケーブルが熱を持つこともありません。

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①が元々付いていたもので、②が使い物になる中古品です。外観上はホトンド同じに見えます。

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コチラのショットでは②のほうにMADE in U.S.A.の浮き出し文字が見えます。他にもネジのサイズが微妙に違います。

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トラブルの原因の違いと思われるのは、矢印に示す部分のストロークで、これは1mm程度しかありません。

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正常に仕事をするソレノイドは3~4mmのストロークがあります。

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ソレノイドはこのように分解できます。細いリード線を切らないように注意しなければなりません。

これはダメなほうで、手がかりは矢印の印刷文字しかありません。

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外観上は同じに見えるものの不具合の原因を知りたくて、内部の円盤状のプレートの位置を測定してみました。定規をプレートに当ててボデイの端面からの距離(深さ)を測ってみました。

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①は約3mm

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②は約6mmと倍も違います。

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更にキャップ側のターミナルの位置もご覧のように違います。

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つまり測定した寸法はこの画像の両矢印が示すように、エアギャップに関係していて、上から4と5番目の画像のストロークの違いの原因になります。

エアギャップが少なすぎると、スターターピニオンがチョットでも戻りが悪いと、電流が流れてしまい、スイッチを離してもスタータモーターが回り続けてしまうと考えられます。

問題はこのソレノイドの供給先で、今の時点では特定できませんが、せっかく新品パーツをつけても、それがトラブルの元凶になったとすると納得できませんね。

それに問題のソレノイドは、手直しで使えるようになるレベルでもありません。

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焦げてる!

2007年03月21日 | スターター系

人気blogランキングへ  ”暑さ寒さも彼岸まで”とは良く言ったものです。

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矢印はバッテリーからスターターソレノイドまでのケーブルですが、ご覧のように焦げています。

原因はいくつか考えられますが、ターミナル部分の導通が悪くなって熱を持ってもコレほどにはならないと思われるので、過大電流が流れたのでしょう。

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ケーブルを作り直してスターターを回してみたら、スイッチを離してもモーターが回りっぱなしで止まらない!しかもバッテリーを充電したばかりにもかかわらず回転は重い。

重々しく、しかも回りっぱなしですから、ケーブルが新しくても熱を持って熱くなります。こうなることを想定してアースをすぐ外せるようにしておきましたから、すぐに対処できましたが、そうでなかったら再びケーブルをダメにするところでした。

ソレノイドの解説はコチラ

ソレノイドも外観上は新しそうですが、青矢印のナットは薄いものが使ってあるはずですから、前に作業した誰かが・・・・?

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プライマリーカバーを外せば、この辺りは点検できます。

スターターが作動しないときは、赤矢印のようにギアは噛み合っていません。

スターターボタンを押すと、リレーを経由してスターターソレノイドが働き、緑矢印の方向に動きます。

水色矢印のベルクランクの働きにより、スターターピニオンが黄矢印のように押し出され、リングギアと噛み合ってクランキングするわけです。

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ピニオンギアを手で引っ張ってリングギアと噛み合わせてみると、本来なら噛み合ったままで戻りません。

緑矢印はリングギアですが、この3枚合わせのタイプは1200から80cu,inの初期まで使われていましたが、エンジンが大きくなってからは強度不足で、ヒドイものは新車からそう走らないうちに壊れてしまった覚えがあります。

ピニオンギアは新しくみえるので、相性が悪いのか?でも何時から?

この車両はワタシは初めて手を掛けるので、メンテ歴は想像するしかありませんが、プライマリーケースがペイントしたてのように見えますから・・・・。

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カバーを外したついでにアチコチをよく見てみると、プライマリチェーンのオイル吐出口が外れています。引っ張ってみると本来の位置にスルッと入ってしまい、ユルユルですね。

”糊”で固定することも考えましたが、これほど?が多いとなると、他がどうなっているか分かりませんから、手が下されたと思われるところ全て要分解点検です。

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テックサイクル スターターキット

2006年11月16日 | スターター系

人気blogランキングへ  今日も小春日和のような過ごし易い1日でした。

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このキットは以前にも”2インチオープンプライマリーベルトドライブ”の記事で紹介いたしましたが、完成した状態の詳細はまだでしたね。

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2インチベルトは丁度良い感じで、ストックルックの車体ともマッチングは良く、テックサイクルのキットも貢献しています。

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ところが”オイルタンク加工”の記事でも紹介しているように、ソレノイドと一体になった大きなスターターモーターが邪魔になって、この組み合わせではソノママというわけには参りませんでした。

バッテリーまで、高さの低いオデッセイを使わざるを得ませんでした。

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苦労のし甲斐があってキレイに納まり、ミッションとクラッチの具合も中々ヨロシイです。

あ、今日車検もとりましたので試運転を行いました。そのレポートは後日に・・・・。

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矢印のベルトガードはプリモの3インチ用を切り刻んで使いました。

このキットは、FXストックルックには似合わない3インチベルト(通常はスターター付きはコレ)ではなく、2インチベルトにスターターを付けたいと言う要望をかなえるのにはウッテツケでしたが、比較的安価な代償に改造範囲が広くなってしまう点では思ったよりお気軽ではありませんでした。

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スターターソレノイド

2006年03月08日 | スターター系
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”3拍子”の完結偏はコチラから 
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スターターモーターを点検しても、このソレノイドが悪くては快適なエンジン始動ができません。
外観はそれほど悪くは見えませんが・・・・。

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2本の細いスクリューと、小さい方のターミナルのナットを外せば簡単に分解できます。
使い込んであると大抵こんな感じですね。水分でサビが多いですが、接点もこんな感じに傷んでいます。


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ついでにココの仕組みは

1、スタータースイッチからきた電気がソレノイドのなかのコイルに磁力を発生
2、磁力でプランジャーを引き寄せる
3、プランジャーはスターターピニオンをリングギアに押し付ける
4、それと同時に円盤状の銅板を接点に押し付ける
5、接点が接触するとバッテリーからスターターモーターに電流が流れる

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更に分解すると、このようになります。

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痛んだ接点を磨いて組み立てます。

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車体に組み付けるときには、リターンスプリングを忘れずに・・・・。

このようにスターターソレノイドの中の接点は大電流が流れるため、思いのほか痛みが激しい部分です。
スターターピニオンギアと併せ、トラブルの原因となることが多く見られます。
















スターターシャフト

2006年02月24日 | スターター系
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プラーマリーハウジングを組み立てようと、各部品をチェックしていたら、青矢印のナットが緩んでいました。
危ない、危ない。

指先で押したスターターボタンの指令はこの部分まで伝わってきます。

今まで引っ込んでいたピニオンギアがソレノイドによって押し出され、赤矢印のように飛び出します。

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分解すると、このようになります。

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シャフトの先端のネジ山は逆ネジになっています。
通常は硬く締まっていますので、逆ネジを知らないと外れません。

赤矢印の斜めになったスプラインは、ピニオンギアがココを滑って回転による慣性を利用して、ソレノイドの押し出す力を助けて、勢いを付けて飛び出します。

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スタータードライブギアユニットと呼ばれる部品ですがワンウエイクラッチになっていて、エンジンが始動するとモーター側に負担を掛けないようになっています。
これはたまに消耗して空回りしてしまい、始動不能の原因になる事もあります。

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ギアユニットを交換する場合は、赤矢印のスナップリングを外して、シフターカラーを分離する必要があります。
青矢印は斜めのスプラインの雌側ですね。

*スターターモーターが空回りしたら、慌てないで上記ギアユニットを点検してください。