再びRC160
高回転型エンジンを語るには忘れてならないホンダ。
浅間でのレースも”ダートなレース”だったわけだ。
8月23日に開催の耐久250ccレース(16周・149.716km)に出走したRC160は観客に強烈な印象を刻みつけた.
午後,浅間特有の霧につつまれたサーキットを.佐薩幸男,島崎貞夫,鈴木義一,田中健二郎,田中禎助のライディングによる5台のRC160は,ほとんど一団となって支配した.水しぶきをはね上げ.ライダーはゴグルをかなぐり捨て,追いすがるヤマハYDSを遠く振り切って疾走を続けた.これまで耳にしたことのない4気筒16バルブエンジンのエクゾースト音と,視界100m以下の霧の壁から現われては消える姿が圧倒的な迫力だった.
ホンダRC160は,車番163島崎選手車をトップに出場全車が完走し,1~5位を独占した.
それは,世界最初の250cc 4気筒16バルブGPレーサーのデビューにふさわしい成果だった.それは,マン島TTを目指しながら結局は出場を果たせなかったRC160の経歴を飾るべきデビューの場であり,栄誉ということになった.
また,これが,長い助走期間のフィナーレであり,同時にレース史上例をみないほど短期間の覇権獲得に向かう序曲ともなった.(ttp://www.iom1960.com/gp-aika-mitihiko/rc-story-2.htmlより転載)
第1回、2回と続けてヤマハに惨敗したホンダは、マン島TT出場を見据えて開発した4気筒マシンで快勝したのだ。
第1回はOHV、第2回はOHCと市販車をベースにしたのは理由があってのことだと思うが、短い期間で超高回転をものにしたのは驚くべきことだ。
超高回転を実現するには、それを可能にする構造はもちろん、その回転域で出力を出すほうが目に見えないだけに難しい。つまり燃焼速度と充填効率だ。回転が速くなるほど一行程の時間が短くなるわけだから、それがうまくいかなければただ回るだけでレースに勝てるエンジンはできなかったはずだ。
この動画は紹介済みのような気がするが、オットーサイクルは理論上は定容燃焼といわれるように、燃焼室の容積がいつも変わるレシプロエンジンは一瞬のうちに燃えなければならないが、実際にはこの高速度撮影ではプラグにスパークしている時間は長く感じるし、スパークしてから燃焼が始まるまでも時間が掛かるのが分かる。