ピストンエンジンは永遠か!な?

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ガスケットの焼きなまし!?

2008年05月03日 | ガスケット

人気ブログランキングへ    雨のち晴れ。ツーリングに出掛けた方は濡れてしまった?

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ガスケットを網代わりにして、魚でも焼きますか?

いや、タイトルの通りに銅のヘッドガスケットを焼きなましているところ。

銅は加工硬化の影響を受けやすい金属として、古代から知られているようです。

コンロの上で3時間くらい加熱して冷やすと、本来の柔らかさが戻ってきます。

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このヘコミは”銅のガスケット”で説明したように、シリンダーの当り面に”出っ張り”を作り、シール性を高める方法で、その”出っ張り”が食い込んだところです。

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これは裏側ですが、目論み通り面圧が高くなった痕跡が見られます。

昨日までの記事で”オイル洩れ”の検証をしていますが、もう一つの可能性として”食い込み”が充分でなく、あるいは”出っ張り”が高すぎて、オイルライン(ヘッドボルト穴)の周辺の面圧が不足していることが考えられます。

そこで、すでにヘコミがある一回使用済みのガスケットを再使用するために、焼きなまししたわけです。

つまり、ヘコミをプレス加工と見れば、2回打ちで、もうチョッと食い込んでほしいということです。

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銅のヘッドガスケット

2008年03月01日 | ガスケット

人気blogランキングへ  気圧配置がまた冬型に!さほど寒くないのがありがたい。

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この画像は”グース腰上オーバーホール②”で紹介したものですが、ココが狭くてもトラブルがなければ良いのですが、オイルで濡れていることを見ると、そのままにしておくわけにはいきません。

オイルの内部リークは目に見えるわけではないので、実際に起きているかどうかも判断しにくものですが、燃焼室にオイルが入ると排気煙が白くなったり、程度によってはIGプラグに不具合が生じます。この場所では圧縮洩れもあるかもしれませんね。

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ノーマルシリンダーとどのくらい違うかと言うと、①が今回のもの、②は残念ながらフルノーマルではなく、以前リリースされていた380程度にボアアップするキットに合わせて加工したシリンダーです。

①はスリーブを交換してありますので、こうした事態になっています。

え?①のシリンダーに疑問がありますか?

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そうです。シリンダーは以前にも紹介した井上ボーリングさんに加工に出し、仕上がってきました。

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この部分に気が付きましたか?

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ヘッドガスケットは前から使っているのは銅製です。

スーパーグースプロジェクトの残りが2枚ありました。中央は表面が酸化していたので酸系の液剤でクリーニングしておきました。

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以前は気にしませんでしたが、どうも銅板をレーザーカットしてあるようです。

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話は逸れますが、これは以前にハーレーの規制対応マフラーを販売していたときの販促グッズです。エクトス・プレートと呼んでいました。

フェンダーレールに取り付けて、革のサイドバッグをくくりつけると便利なグッズです。

端面を見ると、青矢印はバフで磨いてありますけれど、赤矢印はレーザーカットの痕跡が残っています。よく似ているでしょう!

今ではレーザーカッターも比較的普及価格で手に入りますが、20年近く前にアメリカではこうしたチューニングパーツの製造に利用されていたかと思うと・・・・。

日本でも、こうしたパーツや廃盤になったものが手軽にできるようになれば良いのですが。

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シリンダーヘッド面の加工はこういうことです。

①は量産車の状態で、各部の寸法とヘッドガスケットの設計はトラブルのないようになっていて、無改造では数万キロ走っても問題がおきることは、まずありません。

②はスーパーグースでとった方法で、スリーブを入れるときに適切な突き出し寸法を指定することにより、銅のガスケットの部分的な面圧を上げて効果も悪くないです。しかしスリーブは赤矢印のようにツバ付きになっていて固定されていますが、心配なのはこの部分の座屈です。

レーサーのようにレース毎にオーバーホールすれば不具合もチェックできますが、公道使用ではそうも行きません。ランニングコストも考える必要がありますね。

③はドラッグレーサーの超ハイコンプエンジンでとる手法で、銅製のOリングを埋め込み、ガスケットに食い込ませて対処します。

④が今回の方法です。高さ0.2mm、幅1mmの突起を残して研磨してあります。高ければ効果は高いのですが、ヘッドやシリンダーの変形も有り得ますので、慎重に考えました。

*エクトス・プレートはまだ残っています。ご希望の方には差し上げますので ご連絡ください。ただし、お送りすると送料がバカになりませんから取りに来られる方に限らせてもらいます

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メタルガスケット

2007年08月12日 | ガスケット

人気blogランキングへ 今日は昨日よりチョット気温が低い。

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エアコンが動かなかった原因はコレだ!

赤矢印のヒューズは焦げたようになっていて、緑矢印の樹脂部品は溶けていました。こうした器具も15年経つと不具合が生じるようです。火事にならず良かったです。

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ソフィテル系のプライマリードライブカバーのインスペクションカバーガスケットです。

形状はショベルからと同じで、上が最新の60567-90Cで下が60537-90Bです。

車両は100周年記念の2003年モデルで、60537-90Bが使われていました。

日本での価格は共に950円。

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青矢印は精巧に打ち抜かれたベース(アルミニウム)に、バー&シールドマークとともに品番が刻印されています。

緑矢印のシールのゴムは0.3mmほどの高さがあり、当たり面の形状への追随性は優れているのではないでしょうか。

下の最新型は触った感じはフワフワしたものでコーティングしてありますが、シール性は旧型のほうが良かった気がします。

オレンジ色のニクイ奴(古すぎですね)

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プライマリーカバーのガスケットも同様のものが使われていて、ココもインスペクションカバーもオイルの滲みもありませんでしたから、オイル滲みに悩まれる方は入手できればコレが良いような気がします。

バイク盗難情報 バイクを置いて出掛ける際には盗難にご注意を。

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ショベル ロッカーカバーガスケット

2006年12月01日 | ガスケット

人気blogランキングへ  今日は冷たい風も吹かず暖かい一日でした。

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ショベルヘッドエンジンではロッカーカバーガスケットを交換する大抵の場合は、このようにシリンダーヘッドを外さなくてはなりません。

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左側はS&Sの従来のガスケットで、右側が今回納入されたものです。

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青い従来のガスケットはケブラープレミアムと謳ってあるだけに、非常に信頼性の高い物でした。

こうしたペーパーガスケットは以前にも書いた記憶がありますが、アスベストフリー以来パフォーマンスの低下が著しく、メタルガスケットも普及しつつありますが、古い年式の合わせ面の状態が悪い部品ではメタルガスケットでは逆に悪い結果をもたらす場合もあります。

新しいグレーのガスケットは全面にS&Sのトレードマークが印刷してあり、アイデンティティを主張していますが、ともにパッケージにはファイバー レインフォースト グラファイトと記してあり「ケブラーとグラファイトの関連」はどうなのとか、パフォーマンスは向上したのかどうなのかとか、コストダウンなのかとか気になりますね。青のガスケットを気にいっていただけにとても気になります。

そうした気になる問題がハッキリするのは年月を要し、とりあえずS&Sを信用するしかありません。

こうしたガスケットなどのパフォーマンスは、ユーザーにとってもランニングコストが気になるところで、長い年月に渡りオイル洩れなどが発生しなければ、余計な出費もしなくて済むのは言うまでもありません。

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ついでに、シリンダーヘッドを外してシリンダーなどを点検した写真を紹介いたしましょう。

ピストンヘッドは状態が良く、湿りっけがないのはオイルが燃焼室に侵入していないのを物語っています。

そして堆積したカーボンもそれほど厚くなく、色から見ると真っ黒であれば濃すぎる燃料でいつも走っていると判断できますが、この色具合では濃くもなく薄くもないところでしょう。

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バルブを含む燃焼室も同じで、堆積したカーボンで運転状況が判断できます。

白く見えるのは排気バルブで、燃焼直後に開き吸気バルブのように混合気で冷やされませんから、このようになっていても異常ではありません。というか、ハーレーではどちらかというと少数派の正しい色ですね。

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シリンダー壁も写真では縦スジが見えますが、触った感触はツルツルで深い縦キズは皆無です。

今回は前述のように調子が悪くて分解したわけではなく、ロッカーカバーガスケットのヘタリによるオイル洩れの修理のためにシリンダーを外したわけですから、エンジンの調子はオーナーの弁でも好調です。

燃焼室やシリンダーの状況はキャブレターの設定、点火タイミング、それに乗り方の総合結果ですから、調子や乗り方もある程度判断できます。

真っ黒いカーボンが堆積しているのは、低い燃焼温度で運転されている事が多く、原因は乗り方にもあり、低い回転でスロットルは開けすぎという乗り方でしょうか。この場合気付かないにしてもノッキングを常時していることも考えられ、寿命を短くする乗り方の一つです。

シリンダーの縦キズはショベルエンジンの場合良く見られます。場合によってはオーバーホールの後スグに発生することもあり、ピストンクリアランスが適正であっても、当たりが出る前にオーバーヒートなどが原因で軽い焼き付きをさせた痕跡でしょう。もうひとつ考えられるのは、ボーリングのあとのホーニングによる研磨で発生する細かい鉄粉を完璧に除去しないで、組み付け作業をしてしまうミスです。これは意外と知られていないことですね。

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EXガスケット

2006年11月07日 | ガスケット

人気blogランキングへ 今日は激しい天気で、晴れと風と雨が交互にやってきます。

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写真はショベルヘッドのEXパイプ差込口です。固定をするのは1本のボルトですから、マフラーの固定が緩んでいたりすると矢印の部分がこのように磨耗してしまいます。

パンヘッドエンジンまでは差し込んだだけだったりなので、これでも改善はされているのですが、エボエンジン以降のボルト2本止めを基本に考えてしまうと、イカにも不完全な気が致します。

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現在も尚需要がある製品は種類も多く用意されています。

写真では代表的な2種類で、右側は純正タイプと言うべきか、ハイパフォーマンスを謳って10枚セットで$12.09

写真左側が今回紹介するラウンドカッパーです。ペアで$4.99。

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小さめに出来ていて、そのままではこの通りパイプに入りません。

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写真では定盤の上でディープソケットを使っていますが、説明書に書いてあるように使用前は、このように押し付けながらゴロゴロ転がして内径を広げる必要があります。

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このガスケットの利点は、ヘッドとパイプのフランジ面の多少の平行度が悪い場合にも、潰れる度合いが大きいので密封性が保てるということです。純正タイプではガス漏れが止まらないケースでも、コレで対処できる場合が多くあります。

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