ピストンエンジンは永遠か!な?

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ウエットライナー

2022年01月24日 | ピストン、シリンダー

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シリンダーの内壁の摩耗は大したことはありませんでしたが、走行距離もメンテナンス歴も不明なこのエンジン、クーラント交換もされないまま水だけを補給されたのでしょうか、ライナーのこの錆には抜いてみなくては分からなかったでしょう。

 

サービスマニュアルにも締め代の記載がなかったので、しかも季節は冬で気温も低く,考えた末にライナーを抜くSSTを作って更にコンロで温めることにしました。

 

急激に加熱するのもどうかと思うので、遠火で30分ほど温めると100℃くらいになり無事に抜けました。

 

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シリンダー計測

2022年01月15日 | ピストン、シリンダー

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エンジンに関しても、まだやらなくてはいけない作業が山積みですが、まずは現状を把握するためにボアを計測しました。

これは半年前にヘッドを外した時の画像ですが、シリンダー壁上部はピストンリングが接しないためにカーボンが付着しています。

 

シリンダー壁が汚れていたりカーボンが付いていると、計測はできませんのでキレイに清掃します。サービスマニュアルでは”シリンダー上端部から10㎜下から計測する”となっているのは、カーボンが付着していた部分は摩耗していないのは言うまでもありません。

 

次にピストンリング合口隙間を測ってみました。

上限値は0.7㎜なので上端部も10㎜下も問題ありません。ちなみにボアゲージによる摩耗測定値は1/100㎜程度です。

 

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シリンダーフィン

2006年06月09日 | ピストン、シリンダー

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マフラーの記事にはたくさんのご期待をいただきました。ちょっとプレッシャーを感じています。

今日は重圧?から一休みです。

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最近は現行モデルへの縁がないので、今更という感じですが新しい発見です。

これは’04モデルの883です。シリンダーが妙に大きいのに気が付きました。

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これは’03年までのシリンダーですが、フィンが短い!寸法の差以上に小さく見えます。

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周知の事実ですが、883のライナーはこのように分厚いので、ボーリングでボアを広げれば1200にできます。

これだけ厚いと、貫通スタッドによるシリンダーの変形の問題は気にしないで済みますね。

しかし重い!

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TC88のシリンダーは形状の違いにより883より寸法的には小さいのですが、フィン自体は長くなっています。

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この比較はさほど意味がありませんが、シリンダーを前後方向から見た比較です。

TCのシリンダーも結構ビッグフィンですね。

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TCエンジンではベースガスケットを使わないでOリングになっています。

赤矢印ではオイル戻り穴をクランクケース側にOリング溝を設けています。

*ゴク初期のTCエンジンでは、後シリンダーのOリング溝の加工が良くなくて、Oリングが切れてしまいオイル洩れを生じた事があります。

ベースガスケットを何故廃止したかというと、オイル漏れ対策というよりシリンダーの熱を”クランクケースに逃がす”という意味合いのようです。

このように近年のモデルは、空冷エンジンでも何とか生き残る方策がアチコチに見られます。

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これはジッパーズ マグナム117 コンプリートエンジンです。

矢印はシリンダーの固定ボルトです。貫通スタッドでないのが分かります。

ですからこのシリンダーは鋳鉄!それでもフィンの大きさはこんなモノ。

量産車はある意味レースエンジンより苛酷な条件で使われます。

排ガス規制に対応する希薄燃焼はエンジン温度の上昇をもたらしますので、設計時点での充分な考慮がなされないとメーカーの存続問題にまで発展してしまいます。

ジッパーズのエンジン誰か買いませんか?


ピストン&シリンダー ②

2006年02月17日 | ピストン、シリンダー
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1月27日掲載の記事でも紹介しましたが、その第2弾です。

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前回と同じシリンダーとピストンですけれど・・・・・。

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一見普通にボーリングの仕上げが終わったシリンダーに見えますが、既に3/100オーバーのピストンが入っていたので、スリーブを入れてピストンはスタンダードに戻っています。
今回使用したスリーブはボロンライナーと呼ばれるもので、暦史は意外と古く1960年代に日本で発明されデイーゼルエンジンの寿命が飛躍的に延びた主役です。受け売りですが、ボロンを添加した鋳造で高硬度ステタイドとパーライト、黒鉛がミクロ的に混在して、表面が磨耗しても常に油たまりが形成され潤滑油を供給します。
一般的なシリンダーでは意図的に形成したクロスハッチの溝が油たまりの役目をしていますが、磨耗によってそれは失われてしまいます。そうでなくとも前回に示したようにハーレーのシリンダーは縦キズができやすく悩みの種でした。
2万マイル程度の距離を走行しただけと思われるシリンダーが、限度いっぱいのオーバーサイズピストンが使われてたのでは敵いません。
現在のデイーゼルエンジンのシリンダーは100万kmも持つそうですから、空冷のハンデイを持つショベルエンジンでも10万kmは持つのではと期待しております。

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モリブデンショットされたピストンとピンです。
上塗りしてしまうコーテイングと違い仕上がり寸法が変わらないので、安心してピストンピンにも処理が行えます。
モリブデンショットはWPCの技法を応用して、母材の4.3ミクロンの深さまで再結晶させるので、決して剥がれることなく処理部分が磨滅しきるまで効果が維持されるそうです。
最近はこうした効果が評価され1部の量産車にも採用されて、省燃費、慣らし時間の短縮にも役立っています。


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これはTC88のピストンですが黒く見えるのはコーテイングですから、1万km程度で剥げかかっています。











ピストン、シリンダー

2006年01月27日 | ピストン、シリンダー
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ボーリング屋さんに加工を依頼していたピストンとシリンダーが出来てきたので紹介します。
WPC加工はショットピーニングの高度化した方法のようなもので、金属の表面を改質して強度を増す事ができます。
それに2硫化モリブデンをコーテイングすると、潤滑性も改善することができます。
WPCで検索すると色々出てきます。

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シリンダーの内面もボーリングの後に、WPC、モリブデンとおカネを掛けてみました。
矢印の示すクランクケースとの当り面は、シリンダーの中心軸と正確に直角になるように研磨も致しました。
ショベル以前のシリンダーは鉄の鋳物なので、WPC加工するとカーボンが飛んでしまい潤滑性が悪くなりますから、WPCの後のモリブデンショットは必須だそうです。
使い込んだシリンダーや社外品は、シリンダーベースが狂っている可能性がありますので、このように研磨すると万全だと思います。
*シリンダーベースの精度が悪いと、シリンダーの中心軸とピストンの動きが一致しなくなり、フリクションロスの増大、ピストン・リング・シリンダー内壁の磨耗増大等が考えられます。

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今までに見たショベル以前のピストンは全部と言っても良いぐらい、この写真のようなピストン側部の当り方を見せています。青線の内側の限られた部分だけキズになっているのが分ると思います。

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ピストンだけなら良いのですけれど、シリンダーの内壁もピストンの縦キズと同じ場所に深い縦キズが付いています。
それ以外のところは、ボーリング加工の仕上げのホーニングでつけられるクロスハッチが残っているのを見ると大したマイレージを走っているとも思えません。

縦キズの深さは、1/100インチのオーバーサイズに合わせたボーリングではまだ残ってしまうケースも多く、その為に一挙に2オーバーサイズの作業になり、80cu,inの場合ではすぐ上限の3/100(純正)になってしまいます。

縦キズが多く見られると、弊害は?
・ガス洩れが多くなり、ブリーザー圧力も高くなりブリーザーからのオイル吐出量も増える。
・一般的に言う「オイル上がり」の状態で、オイル消費量が大きくなり、燃焼室のカーボン堆積も増える。

縦キズのできる原因は?

S1

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ノギスなのでそう正確とは言えませんが、ピストンスカート部の大きさは写真のように8/100も違います。
つまり、側圧を受ける部分は大袈裟に言うと「尖って」いるのです。

①キズを良く見ると2サイクルエンジンが焼きついたものと良く似ているので、もしそうだとすると・・・・。
ピストンは形状が複雑なので、熱膨張してから真円に近くなるように設計されるはずですが、キズ以外のところはシリンダーと摺動した形跡がないので、ピストンの設計が適切ではない。それにより当り面積が少ないので、面圧が高すぎてオイル切れを起こしている?

②コンロッドの長さが足りないとピストンの側圧が高くなる?→ショベルの場合ではストロークの倍近くあるので問題はない?

③ドームピストンは頂部が重いので首を振る?→スカートが長いので問題はない?

④カーボンが噛みこんでキズを作る?→ピストンリングを乗り越えてカーボンが存在するとも思えない。もしそうならピストン全周にキズがあるのでは?

まだ他にもガス圧が不均等であるとか考えられますが、WPCやモリブデンショットは他に実績があるので、今回のテストには期待を掛けています。
このような事はタブン他のショップさんでは実施していて効果を出しているかもしれませんが、ワタシはこのブログで”公開実験”してみましょう。伝票がまだ来ていないので費用は分りませんが、かなり高いモノに付きそうな予感が・・・・・。