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BT4速ミッションオイル洩れ

2005年10月04日 | トランスミッション
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ビッグツイン4速ミッションはドライブスプロケットの周辺からよくオイルが洩れます。
これはひとつに構造的なもので、エボ以降の5速ミッションでは解消されています。
しかし、ワタシとしてもオイル洩れを是認するものではないのですが、根本的な修理ではなく、あくまで対症療法ですが液体ガスケットの使い方でオイル洩れを止めてみます。
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このSSTにはインパクトレンチ使用禁止を記されていますが、緩めるときにはワタシはインパクトレンチを使います。
ここは逆ネジになっているので、右回転で緩める事ができます。
駆動系は逆ネジを良く使っているので気をつけましょう。
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それほどオイル洩れは酷くはなさそうですが、バラしてみないとまだ分かりませんね。
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オイルシールを外します。
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ディスタンスカラーに深いキズが付いていました。
これではオイルシールを何回変えても直りません。
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次にメインシャフトとドライブシャフトの間にある小さいオイルシールを外します。
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新しいオイルシールをパイプ状のSSTを使って挿入します。
オイルシールのリップには必ずシリコングリース等を塗って、ドライではなく潤滑された状態で組み込みます。
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ドライブシャフトの端面と面一でよいでしょう。ちなみに5速ミッションでは5mmくらい奥まで入れるのですが、新車組み立て時に入れ方が浅くシールが脱落してしまった年式がありましたね。
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くどいようですが、シールのリップにはこのようにシリコングリースを塗布します。
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オイルシールを組み込むには、このようなものを当てて打ち込むと良いですね。
直接ハンマーで叩いたり、曲がって入ってしまったのを無理やりいれようとすると、オイルシールは変形して使い物にならなくなってしまいます。やさしく気遣って作業をします。
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オイルシール組み込み完了です。
回りの面と平らになっているか良く確認します。
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この段階の前に、液体ガスケットを塗りこむ箇所はよく脱脂しておくことが必要です。
このように細いノズルを付けると細かい場所にも液体ガスケットを塗りこむ事が出来ます。
5速ミッションでは、スプロケットの奥にあるスペーサーの内側に、クワドシールという角断面のOリングが入る事により、
スプロケットとシャフトの間からオイルが洩れ出るのを防いでいます。
4速ではカラーの厚みが小さいので、Oリングを入れるスペースがありません。
ですから、シャフトとスプロケットの間を液体ガスケットで埋めることにより、オイルが洩れ出るのを止めるのです。
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このようにもれなく液体ガスケットを塗り込んでから、少し時間を置いて半分固まってからスプロケットを組み込むと良いでしょう。
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スプロケット、ナット、チェーンをつけてナットを締め、ロックタブを起こして終了です。

*上記で説明した部分は重要保安部品です。分解整備は必ず国土交通省認証整備工場で行ってください。





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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして。自動車用M/Tメーカー勤務&自らもBT4速ユ... (nobu)
2008-06-03 22:12:55
はじめまして。自動車用M/Tメーカー勤務&自らもBT4速ユーザとして、非常に興味深く拝読させていただきました。車用ミッションの概念とは異なるんですね。4速オイル漏れの原因が充分理解できましたので、
FIPGを用いて自分でやってみたいと思います。大変勉強になりました。
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nobuさん、コメントありがとうございます。 (ピストン)
2008-06-04 18:45:59
nobuさん、コメントありがとうございます。
むしろ、コチラを参考にしていただきたいです。
http://next.blog.ocn.ne.jp/piston/2007/01/post_a36e.html
オイル洩れのカテゴリーの下のほうです。
5速ミッションに換装すると、別なバイクのように乗り味が変わります。費用は多大に掛かりますが。
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ピストンさん、はじめましてこんばんは、たけと申... (たけ)
2008-08-12 19:46:59
ピストンさん、はじめましてこんばんは、たけと申します。いつも楽しく見させていただいてます。
 僕は、72年式FXベースのリジッドに乗っているのですが、最近ミッションオイルがかなり漏れてきたので自分で交換しようと(初です)考えてます。
そして、JAMES GASKETSというところのオイルシールセット(コルク、ロックワッシャー、キー込み)を購入したのですが、この記事のような形状をしておりません。僕の購入したものは、スプロケ側ミッションケース側共に鉄製のプレート?で覆われてますが、この記事の写真だとミッションケース側はプレートが無く空洞になっててそこにコルクの部品が入るのかなと思うのですが購入した物はコルクの入るスペースが無いように思います。パッケージを見ると、U,UL,ULH,E,EL,FL,FLHと書いてあるのですが、Fx系のラチェットトップには使うことが出来ないのでしょうか?それとも、オイル漏れ対策部品と言う事で、両側共に鉄製のプレートになっているのでしょうか?なにぶん、初めて見るものばかりでかなり困惑してますのでどうか教えてください。長々となってしまいすみません。
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たけさん、コメントありがとうございます。 (ピストン)
2008-08-13 14:56:29
たけさん、コメントありがとうございます。
早速ですが、ここのオイルシールは外径が同じなら使えるはずです。
>スプロケ側ミッションケース側共に鉄製のプレート?で覆われてますが・・・
箱型断面になっているものですね。この場合はコルクは不要です。というかまあ、入らないわけですが。
ここのオイル漏れの根本的原因は構造上ですから、普通は完治はむずましいですね。
http://next.blog.ocn.ne.jp/piston/2007/01/post_1b4e.html
こういった処置がないわけではありませんが。
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こんにちは。 (gogoBoy)
2009-08-03 03:14:19
こんにちは。
今度オイルシールの交換を考えていたのでタイムリーな話題でした。
古い記事にコメントを付けてすみません。
メインシャフトとドライブシャフトの間にある小さいオイルシールの事ですが、
嵌めるときにはドライブシャフトの端面と面一とあります。
外すときに特殊工具やコツがあるのでしょうか?
想像の粋ですが、面一にはまっている物をどうやって外すのかが分かりません。
よろしくお願いします。
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マルテンサイト千年ものづくり (グローバルサムライ)
2024-07-25 00:19:02
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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神はサイコロ遊びをする(熱力学) (フリクションダイス鋼)
2024-07-25 00:22:16
やはり世界を引っ張るハイブリッド日本車の技術力の前に、EVシフトは不調をきたしていますね。特にエンジンのトライボロジー技術はほかの力学系マシンへの応用展開が期待されるところですね。いくらデジタルテクノロジーを駆使しても、つばぜり合いは力学系マシン分野がCO2排出削減技術にかかってくるのだとおもわれます。
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