ピストンエンジンは永遠か!な?

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M6スタッドボルト抜き取り

2019年07月14日 | ネジ

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長い間放置されたバイクをレストアとまでいかずとも復活させるとなると”サビ”との戦いになります。

これはXLV750リアシリンダーのエクゾーストパイプ取り付け部ですが、ナットがサビで固着してしまいスタッドが抜けてしまいました。まあこれはスタッドとナットを新しい部品に交換すればよいことです。

 

 

ところがフロントシリンダーのほうは外す時点でご覧のように折れてしまいました。緩めるときの感触で折れる予感はあったのですが、M6のネジは簡単に折れてしまいますし、まずは外さないとどうにも対処のしようがありません。

 

 

スタッドが10㎜くらい残っていたのでナットを溶接しましたが・・・・・。

 

 

固着したネジを溶接すると(熱による膨張の影響なのか)緩みやすくなることもありますが、今回のケースはサビによる固着がよほど強固なのでしょう。

 

 

 

M6の下穴は5㎜なので、まずは3㎜のドリルを用いなるべく中心になるように穴をあけました。

 

 

 

3㎜の穴がセンター近くにあるのを確認してから4㎜に拡大しました。

 

 

 

次は細いリューターでヘッド側を削らないように雄ネジだけを取り除きます。

 

 

最後にタップを使いコイル状に残ったスタッドを取れば完成。この段階で失敗しても最後の手段としてヘリサートの使用が残されるので安心というものです。

 

 

ヘッド側のネジ山が見た目だけではなく強度も保たれているかを確認するために、フランジを奥に突き当たらない長さのM6ボルトを規定トルクより少し強めに締めて確認しました。

 

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リコイル

2018年07月08日 | ネジ



パンヘッドは多くの小さいネジでヘッドカバーを固定しますが、長い年月を経過するとネジ山が崩れて適正なトルクを掛けられなくなってしまいます。



ここで”リコイル”の出番です。



ネジは右側のキャップスクリューに見覚えのある方がいるかもしれませんが、スーパートラップのディスクを固定しているものでコレと同じ規格でUNC#10-24です。ちなみに”リコイル”のセットはお友達のマルチモーターサイクルからお借りしました。



作業としては元のネジ穴と角度と位置が変わらないように付属のドリルで下穴をあけ、角度に細心の注意をはらいながらタップを立てます。


 

次はいよいよ付属の工具でコイルの挿入です。最初は少々強めに押し付けたほうがよいでしょう。

 

 

適切な位置まで挿入したらやはり付属のストレートポンチでタングを折り取ります。

 

 

折り取ったタングはエンジン内部に残らないように回収します。

 

 

途中で思いついて、タップを直角に保持する小道具を端材を使い作ってみました。

 




ネジを外す

2015年07月27日 | ネジ

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スポーススターに取り付けられたドライブスプロケットですが、最大800Nmのインパクトレンチでも緩みませんでした。もちろんネジ山は逆ネジなので時計回りに回せば緩められます。ネジ山に白い粉末が付着しているのはロックタイトなどのネジロック剤を使用してあった証拠ですが、高強度のものを使ってあるとヒートガンやバーナーなどで200℃程度まで加熱しないと外れない場合が多いです。


スプロケットを外したのは折れた1/4インチのスクリューを外すためですが、一般的な方法としては”逆タップ”を使うことが考えられます。

しかしこのエンジンではカムカバーがあり、逆タップを使うために3mm程度のドリルで穴を開けなければなりません。ドリルチャックが干渉するカムカバーを外すのには多大な作業時間とガスケットなどの部品が必要となると、1本のネジを外すのに数万円の費用が掛かることになります。




TIG溶接機が一般的か分かりませんがショップには是非備えておきたい設備で、折れたネジの端を溶接で盛ってプライヤーで咥えれば簡単に外すことができます。

”アルミニウムのミッションケースが熱で溶けるのでは?”と言う心配もあるかもしれませんが、手順が適切なら作業は数十秒で済みますので熱伝導のよいアルミニウムは融点に達しません。


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折れたネジを取る!③

2008年04月09日 | ネジ

人気ブログランキングへ 今日も所用で都内へ。  

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昨日は散々と言い訳!?を並び立てましたが、実は溶接する決意?はできていました。

くどいようですが、一つの作業を行うにはこういった多方面からの検討が必要です。

クラックを溶接するためには、画像のようにV字カットするか、溶接で盛り上げるかをチョイスします。

アルミニウムを削る場合は画像のように刃物を使う必要があり、砥石系では石の粉末が母材に食い込んでしまい溶接の障害になります。

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これはカバーの内側。ダイキャストの流し込み口と思われる、強度と外観に関係ない部分をチョット熔かしてみました。このようにキレイに熔ければ安心して溶接できます。

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結局は予熱しないで、大き目の電流でササッと溶接してしまいました。

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エアリューターで荒削りして・・・

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ガスケットの当り面は、平らなヤスリで面が狂わないように削ります。この場合は削り過ぎないように注意する必要があります。

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コチラは仕上げの1歩手前で、ゴム砥石で形を整えます。

アバタのように見えるのは”ス”であり、削る前は気泡のようですが表面を削ったために、このようになります。

鋳物系のアルミ製品を溶接すると、このような”ス”ができるのは良くあることで、昔のダイキャストは型の中に空気が閉じ込められてしまう製法 ですから、気泡が爆ぜて溶接できないという方もいました。

ワタシの経験では、予熱をして最低限の電流で溶接すると割合と良い結果が得られますけれど、昨日の記述のように予熱はあえて行いませんでした。

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最後はフラップホイールで仕上げました。もっとも、この後ブラストで仕上げますので・・・。

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ガスケット当り面はオイルストーンで仕上げます。

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”アバタ”がチョット気になりますが、目立つ場所ではないのでご容赦を・・・・。

後は全体をブラストで仕上げるだけです。

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折れたネジを取る!②

2008年04月08日 | ネジ

人気ブログランキングへ 各地で大雨。  

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”折れたネジを取る!”の第2弾ですが、コチラはエキストラクターを打ち込んでヘッドカバーにクラックが入ってしまったほう。

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これは前回の画像ですが、同じようにエアリューターで削ります。

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母材を削らないように気をつけて・・・・

ルーペを使った撮影も意外と行けますね。

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ネジ山は復活いたしました。

クラックの周辺をワイヤーブラシできれいにしてみましたが、オーダーはクラックも溶接で修理するとのこと。

しかし、矢印の蓋の中は様子が分かりません。密閉された空洞になっていると厄介です。

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これは”シリンダーヘッド修理②”の記事で、ハーレーショベルヘッドを修理したときの画像。

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これも”シリンダーヘッド修理”のときの画像。

アルミニウムの溶接の難しいところは熱の伝導率が高いところにあり、加熱しても熱が逃げてしまいますから、母材に適した電流で溶接を行いたいとなれば、全体をできるだけ高い温度になるまで予熱してやる必要があります。

ところが密閉された空洞があると、どんなことが起きるか分かりません。膨張した空気の圧力で変形するかもしれませんし、最悪のケースでは爆発する可能性もあります。

加熱を最小限で行おうとすると、溶接電流はかなり大きくしないと母材は鎔けませんから、そうなると仕上がりと強度が悪くなります。今回の場合は強度は必要ありませんから、問題は仕上がりのビジュアルですね。

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これは、予備調査を行います。

長いネジを普通に締めこんで、奥に突き当たるまで締めて、テープにより位置をマーキングしておきます。

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マーキングしたネジを外してカバーにアテガッテ見れば、雌ネジの有効長が分かります。

クラックのある場所よりダイブ深くまでありますから、このままでも強度的には充分で・・・・。

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折れたネジを取る!

2008年04月03日 | ネジ

人気ブログランキングへ 昨日の分を取り戻す?ために2連発。  

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”ボルト折損”の記事のKZ1300ヘッドカバーです。

取り除かなければならない2箇所のうち、クラックが入っていないほうから始めてみました。

既に開けられている下穴は”ほぼセンター”ではありますけれど、完全に中心というわけではありません。完全なる中心であれば、楽ができるのですが・・・・

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3mmシャフトエアリューターに3.5mm径の砥石を付けて、作業をすすめます。

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ネジ穴の中心線と平行に穴を拡大します。

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削り過ぎないように確認しながら気を付けて・・・・

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うまく削れたら、ピックツールで残ったネジの残骸を引っ張り出して・・・

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残骸はヘリサートコイルのようになっていますから・・・

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先の細いプライヤーで摘み出します。

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タップでねじ山を整えれば・・・・

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この通り。

この部分は排気ポートに2次エアーを導入するためのリードバルブが元々はあったはずで、仕向け地によってはこのケースのように塞がれています。

つまり、単なるカバーを固定するためでありますから、 使用条件を考えるとかなり緩やかな条件で、固定ネジが振動などで自然に緩まない程度のトルクで充分であることを考えると、今回の処置による出来具合で良いでしょう。

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ボルト折損

2008年03月25日 | ネジ

人気ブログランキングへ 朝は凄い濃霧。  

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今日は所用で朝早く電車に乗りましたが、ご覧のように凄い濃霧です。

もっと凄いと思ったのはJRのダイヤで、ワタシの利用する路線はピッタリ定時発です。到着は他の路線の影響か12分ほど遅れましたが、駅に向かう途中では50mほどの視界でしたからスゴク遅れると観念していたので全然OKです。

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出先から帰ったのは3時頃になってしまいましたので、今日は大したことはできません。

拙ブログの読者でいらしゃり、時々コメントもいただけるEureka No1さんからご依頼されたKZ1300のヘッドカバーの修理方法を検討することにいたしました。

矢印の2箇所のボルトが、緩める工程で折れてしまったそうです。

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こちらは重症ですね。エキストラクターを打ち込んでクラックが入ってしまいました。

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こちらは下穴を開けた段階です。

下穴のセンターはうまく出ていますが、穴が大きすぎたようです。エキストラクターはサイズが小さいと折れやすいものですけれど、穴が大きすぎると折れたボルトの強度が足りずに広がってしまい、うまくいきませんね。

こうした場合のボルトが折れる原因は、まずはネジが錆び付いていることでしょう。ネジ穴が突き当たっている場合(貫通していない)では、長すぎるボルトを無理に締めて、締めた段階で既に折れかかり、それを緩めたときに折れる場合もありますが、その場合は下穴をあけただけで緩むこともあります。

しかし、錆び付いている場合に緩めるときは相当な大きい力を掛けなければ緩みませんから、エキストラクターのサイズの選定も慎重にしなければなりません。

さて、とるべき方法は大体決まりましたが、今週はモーターサイクルショーの準備でバタバタしています。

こうした作業はジックリやらないと失敗しますので、来週には何とかいたしましょう。

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ボタンヘッドにご用心!

2008年01月27日 | ネジ

人気blogランキングへ  今日も冷たい北風。

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既に緩みましたが、6角穴は崩れる寸前。

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カメラのシャッターを押す瞬間にバーナーがずれてしまいました。

酸素バーナーで炙るときはネジの中心を数秒で良いでしょう。ディスクローターには直接炎を当てないでください。

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まあ、簡単に緩みました。

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矢印はロックタイトの残滓。

バーナーで炙るとプラスティックが熔ける異臭が感じられますが、それはロックタイトが熔ける臭いです。逆に言うとその臭いが感じなければロックタイトが熔けないことです。通常のロックタイトの耐熱温度は120℃ですから、それ以上に加熱が必要です。

気温が低いためか、電熱のヒートガンでは10分も加熱してもダメでした。

言うまでもありませんけれど、このボルトは再使用できません。

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同じ5/16サイズのボルトでも、通常のキャップボルトは工具サイズが1/4で、ボタンヘッドは3/16ですから2段階も違います。しかも穴の深さが浅いときています。

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エボリューションエンジン以降(タブン)のディスクローター固定ボルトが、画像のようにトルクスになっているのは伊達ではなく、適正なサイズの工具を使えば、まず壊れることはありません。

6角穴のボタンヘッドボルトは突き出しが少なく、見た目はワタシも嫌いではありませんけれど、ロックタイトを使うようなところには使用すべきではないでしょう。

もしも緩める必要があるようでしたら、心して臨んでください。

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ネジが緩まない!

2008年01月15日 | ネジ

人気blogランキングへ  今日は8℃くらいまでは上がるでしょうか。

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これは以前の記事”ヘッドライトステー”で製作過程を紹介しましたが、矢印のナットはヘッドライトの上下方向の固定のためのものです。

ところが強く締め付けても、ヘッドライトはグラグラです。

ならば外してみようと思って緩め始めたのですが・・・・・、ここまで緩めたら動かなくなってしまいました。

通しボルトですから折ってしまえとばかりに、長いハンドルのソケットレンチを使ってまわしたのですけれど・・・・、折れませんね。

5/16径でしたら割と簡単に折れますけれど、3/8(約9.5mm)径は折れませんでした。

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浸透潤滑剤を使って、緩めたり締めたりの繰り返しで、結局は外れたのですが・・・・。

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以前に締めたときに、矢印の部分のネジ山がカジッてしまったのでしょう。ヘッドライトユニットに付属していたボルトのメッキが良くないですね。

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ナットのネジ山も無くなっています。こうしてダメになった部品は、間違えて後に使用しないように破棄してください。

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細目と並目

2007年12月22日 | ネジ

人気blogランキングへ  先ほどから冷たい雨が・・。

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画像は3/8-24と3/8-16と呼ばれるユニファイ規格の、いわゆるインチネジです。

3/8インチ径で1インチあたりの山数が16とか24ということになります。

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拡大した画像で山の数を数えてみれば納得されるでしょう。

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この図を描くのに1時間も掛かってしまいました。図面ではありませんから、あくまでイメージとして捉えてください。

まず両者を3/8インチとすると、基準寸法表によるDの外径は9.525mm、D1は左側の並目は7.805mmで右の細目は8.379mmとコチラのほうが太い。山の角度が同じなら当然のことです。

もう一つの違いは斜面の角度です。ネジの山と谷が形作っている面は螺旋状に連続していると考えると、雄ネジと雌ネジが接している面は斜面と考えてみます。

つまり、山の頂点を結んだ緑線と破線の軸中心線と直角の赤実線の角度は黒矢印にしめされていますが、これはネジピッチの大きさにより変化するのがお分かりだと思います。

つまり、目が荒くピッチが大きいほど斜面がきつくなります。

そして、ネジは回転力を軸力に変換するわけですから、一回転することによる推進距離はネジピッチに等しいので、トルクが同じならピッチが小さいほど軸力の発生は大きくなります。

更に考えると斜面の角度が大きいと、振動による緩みの可能性が増えるのではないでしょうか。

適正に締め付けられたネジが緩まないのは、軸力により発生した摩擦が緩む方向に回らないように働いているからですが、斜面が急になればなるほど滑りやすくなります。最近のハーレーでは並目ネジの使用が増えていて、それのホトンドには回り止めの処置が施されているのも事実です。

結論としては、ネジの大きい締結力と緩みにくさを望むと、ピッチの細かいネジが合理的だと思います。

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