ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

ショベル オイルポンプ ④

2006年05月21日 | オイルポンプ

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オイルポンプシリーズもいよいよ大詰めです。

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オイルポンプが作動する前は、チェックバルブのボールがスプリングに押されてシートに密着して、通路を塞いでいます。

オイルタンクはポンプより高いところにありますので、特にエンジンを停止した後はオイルの粘度も低く、ポンプギアの間をすり抜けてココまでやってきます。

チェックバルブの機能が悪くなると、オイルがクランクケース内に流れ込んでしまうのは、お分かりでしょうか?

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冷えていたエンジンを始動すると、オイルも冷えているので流動性が悪く、油圧は最大になります。

まずチェックバルブのボールを押し上げて、①の通路からシリンダーヘッド・タペットガイドに油圧を送ります。

次にプランジャーが赤矢印の方向に動き、②の通路からコーンカバーを経由してコンロッドビッグエンドを潤滑します。

①と②に油圧を供給しても、まだ圧力が高いとプランジャーをさらに押し上げるので、⑤の通路が開きオイルポンプカバーのタンクからの通路に放出して、油圧を一定以下に保ちます。

*ここで④の説明もすると、リーリーフバルブの役目をするプランジャーは、ポンプボディ内のシリンダー中を上下にスライドしますが、スプリング側にも流れ込んでしまいます。そしてココに充満すると(充満しなくても)プランジャーの動きを阻害することになるので、通路が必要になるわけです。

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’80年以前のポンプの特徴はコノ大きいキャップですが、矢印で示す通路もあります。

ネジ山が合うからと、他のキャップを絶対に使ってはいけません。

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何故ならば、’81年以降の④の通路が上の図のようになっているので、塞いでしまうとリリーフバルブのプランジャーが動かなくなってしまいます。

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オイルポンプ③で予告した通路④の説明になりますね。

このクランクケースは’83年ですから、④の通路が開いています。出口は3.5mmのキリを差し込んだ青矢印の先になります。

しょべろーさんのご質問に関連していますが、'80年以前のケースには通路があいていないので、S&Sや純正の’81年以降のポンプを組み込もうとすると、ココに穴を追加工しなければなりません。

穴の角度が変なのは赤矢印のカバーボルト穴を避けているからです。

ワタシにとってもハーレーのオイルポンプが理解しづらく、あまり触りたくない時もありました。でも分かってしまえばソレほど難しいモノでもありません。まあこれは何事にも言える事かもしれません。

もう1回だけ続きます。


大馬鹿ヤロー

2006年05月20日 | エンジン

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只今オーバーホール中のエンジンのクランクシールが見事に逆向きに付いていました。手に持っているシールが正しい向きです。

たぶん”大馬鹿ヤロー”の仕業と見ましたが、実はシールの組み付けかたとしては正常なんですね。オイルシールやベアリングなどは刻印や浮き出し文字がある方が表であり、表側や上に向けて組み付けるよう教えられています。

では何故?

ブリーザーバルブでクランクケース内の圧力についても記述いたしましたが、TCエンジンでもアンブレラバルブの設置で、ピストンの上昇行程ではクランケースに大気の流入はありません。

そのためにクランクケース内は負圧になる行程もあるために、プライマリーハウジング内の汚れたオイルなどが大事なベアリング付近に流入しないように、シールが普通の逆に取り付けられていると確信します。

車両メーカーも時々ミスも見逃したまま生産してしまい、多くはリコールという手続でミスを更正します。ハーレーダビッドソンに於いては、特にワタシ達日本人とはカケ離れた常識の構成が見られますが(それが魅力も)、これはお国柄とは別の時系的なものも大いにあるのかもしれません。

このシールの使い方などもその一例ですが、「なんだ~、ハーレーもオイルシールの向き間違えている~」などと浅知恵の大馬鹿ヤローがやった事かもしれません。

ちなみにオープンプライマリーやプライマリーチェーンをベルトに変更した場合で、オイルを外に出したくないときはシールの向きが逆(写真と同じ)にします。

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これはフロントフォークのシールですが、両面にリップがありますので向きが分かりにくいのですが、浮き出し文字を手掛かりにすれば判断できます。

ワタシ叩かれています?

某掲示板に書き込みをしたら、見事に?釣られてしまいました。ココのところ感謝される事が多かったのですがね~。

”すべての状況を楽しむ事”を信条にしているワタシにとっては、これもブログネタに過ぎないのですが、身元を明かした固定ハンドルネームと捨てハンがまともに渡り合えるはずがありません。

ワタシは匿名の記述は否定するところではありません。ある意味、真実が含まれています。

ある書き込みでは、「大馬鹿ヤローとか無知とか、人を見下している」とあります。しかしこれはブログですからね~。

ワタシが見下すのは「稚拙な技術で金を取る」「レベルの低いミス」などの行為であって、人格まで見下すようなことはありません。

最近ワタシが罵倒したのは、某正規販売店が違法マフラーを取り付ける過程で、トランスミッションのサイドドアのボルトを付け忘れたことです。もしや身に憶えがある輩が?

御意見や反論などがありましたら、このブログのコメントとして頂きたいものです。ワタシは自分の記事の内容がすべて正しいとも思っていません。ウイキペディアのようなカタチになれば良いとは何時も思っています。

しかし匿名だとUツインにまで話が及ぶとは・・・・・。


ショベル オイルポンプ ③

2006年05月19日 | オイルポンプ

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エンジンの外側にオイルポンプが付いている例は、他では余り見ません

そのために複雑になり、馴染めない方も多く居るのではないでしょうか。

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’81年から変更になったオイルポンプを区別するのは、リリーフバルブのところのキャップで判別できます。

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オイルポンプカバーのオイル通路はさほど両者の違いはありませんが、ポンプボディは通路を改造しない限り共通性はありません。

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①の通路は複雑な経路を辿って、シリンダーヘッドとタペットガイドを潤滑したり、油圧リフターに油圧を供給します。

③はこの後に解説しますね。

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’81年からは④に通路が追加になっています。

④の説明はオイルポンプ ④ ・・・・かな?

③はブリーザーバルブが回転して穴が一致した時に、ブリーザー圧力によりオイルを供給します。

行き先は・・・・・・・・?

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コレを見ると分かりますね。

プライマリーハウジングに導かれて一次チェーンの潤滑を行います。

昨日から風邪をひいたようで、鼻水・咳・くしゃみなど典型的な症状にマイっています。

ピストンつながりでは大先輩のピストン西沢氏も、J-waveのGroobeLineを休んでいます。休む前の声は凄かった!

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ショベル オイルポンプ ②

2006年05月18日 | オイルポンプ

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ギアの厚さが違うのは?

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オイルポンプの構成部品です。

ポンプギアは薄いほうがフィード側(圧送)で、厚いほうがスカベンジ側(戻す)です。何故厚さが違うかと言うと、クランクケースの中の潤滑が終わったオイルには、空気も混ざっているので量が増えています。

ハーレーのエンジンはドライサンプですから、クランクケースの中のオイルが設定より多く残ってしまうと、ブリーザーからオイルが吹き出したりの不都合が生じますので、スカベンジ側の能力を倍以上にする必要があります。

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オイルポンプのギア室の内壁を点検します。

上の写真はスカベンジ側で、汚れたオイルを吸い込むのでご覧のようにキズだらけになってしまいます。

使用限度としてはギリギリ?

下の写真はフィード側で、ご覧のようにキレイですね。たまにオイルフィルターを付けない車両を見かけますが、そういった場合はコチラもキズだらけ。

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オイルシールは(オーバーホール時は)必ず交換しますが、シールの向きにはご注意を。

汚れたスカベンジ側のオイルが、フィード側に混ざりあわないようになっています。

エンジン始動時にブリーザーから大量のオイルが?

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ここにはチェックボールが入ります。これはオイルポンプが作動していない時(エンジン停止時)に、タンクのオイルがポンプギアを通過してエンジン内に流入することを防ぎます。

エンジンを暫らくぶりに掛けたときに、ブリーザーから結構な量のオイルが出てくる場合があります。

これはこのチェックバルブが良い状態でない場合に起る事が多く、タンク内のオイルがクランクケース内に移動してしまい、スカベンジポンプが戻しきれなくなり、ブリーザーから出てきてしまいます。

処置方法は

  1. チェックボールの当り面を修正できる場合がある
  2. オイルポンプの交換
  3. オイルタンクにコックを付ける

1の場合には、修正用工具があったような気がしますが、中々難しいでしょうね。3の場合も昔のプロペラ機などに付いていたようですが、整備兵が開けるのを忘れて墜落した事故も随分あったようです。

ハーレーは墜落しませんが、エンジンは壊滅的被害を受けるので気をつけなければなりません。

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ポンプギアも矢印のようにキズがあると能力が落ちます。

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ボールやレギュレーターバルブのキズなどチェックしておきます。S7_6

シャフトも磨耗しますので、要確認ですね。

スナップリングやスピールキーは基本的には新品と交換です。

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ポンプギアは左がドライブ側で、コンナ感じでオイルを圧送します。


ショベル オイルポンプ ①

2006年05月17日 | オイルポンプ

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オイルポンプに関して以前から考察しようと思っていたのですが、ようやくチャンスに巡りあえました。

何と言ってもエンジンには一番大事な部分の一つといっても良いのに、今まで余り語られる事もなく、構造もよく理解されていないので、ココは注目していただきたく思います。

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写真は1983年モデルのショベルヘッドエンジンのオイルポンプです。見かけはエボ・エンジンのモノと随分変わっているようにも見えますが、基本的には同じ構造です。

写真ではカムカバーが外れていますが、今回の取り外し方法はカムカバーを外さなくても出来る方法を紹介しましょう。勿論、オイルポンプをオーバーホールするための方法としては不完全ですが、エボ・エンジンではカムカバーを外すのにはロッカーカバーまで外す必要がありますので、「コンナ方法もある」程度で憶えておくと何かの役に立つかもしれません。

矢印はFXモデルなどのミッドコントロールのブラケットなので、邪魔ならモンキーレンチなどで挟んでチョット曲げておけば良いでしょう。

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見えているボルトを4本外すと、ポンプのカバーはすぐ外れます。

オイルが出てきますので、下に受け皿を置いておきます。

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ポンプボデイーを外すのには、一番上のボルト2本と、矢印のスナップリングを外します。

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このスナップリングには、耳も穴もついていないので、ピックを2本使って外します。

これはそう簡単ではありません。

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これは再使用できませんので、必ず新品を用意しておきます。

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スナップリングが外れたらポンプのギアが外れます。 ギアは全部で4個ありそれぞれ違うので間違えた場所に組む事はありませんけれど、向きが変わらないようにマーキングをしておいたほうが良いでしょう。

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ピンセットを使ってキーを取り除きます。

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あとはガスケットが張り付いているだけなので、軽いショックで外れます。

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シャフトとギアが残りますが・・・・・。

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残ったギアはすぐに取り除くことができ、コンナ状態になります。


マイクロメーター・ノギス

2006年05月16日 | 計測

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某掲示板からリクエストを頂いた計測器具の使い方について考えてみましょう。

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ワタシの手持ちのマイクロマーターとノギスの一部です(そんなに沢山あるわけではないですが)。

いずれも20年以上使っているモノで、それほど大事にしているわけではありませんが、落とさなければ壊れるものではありませんね。

最近はデジタル式も多くあり、老眼に悩むワタシとしては食指が動くところです。

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マイクロメーターのほうがどちらかと言うと、コツはいらずノギスより簡単です。

ラチェット式のつまみを2回ほどカチャカチャとやれば、常に同じ力で計測が可能です。

これは掲示板に紹介していただいたマイクロメーターの使い方にも書いてありますね。

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この25~50mmのマイクロメーターにはゼロ調整のバーが付いています。これでゼロ調整するときも計測する時と同じカチャカチャでやる必要があるのは勿論です。

良くみていただくと25mm 20℃と書いてあります。

精密計測では

”当所の精密測定室は高精度な測定を行うため,常時温湿度管理がされています.ブロックゲージ測定室は,20±0.2℃,その他測定室は,20±0.5℃に維持されています.湿度は各測定室とも55±5%に維持しています.”

と書いてあります。

幸い今の季節の気温は20℃前後ですからサホド問題はないと思いますが、厳密に言えば私たちの計測結果はおおまかなものに過ぎないのかもしれません。

ハーレーダビッドソンのサービスマニュアルに記載してある各部のクリアランスやエンドプレーは運転時の適温を想定して設定(ややこしい!)してあります。それには、ある程度の幅も設けてありますが、果たしてそれには測定時の温度まで考えられてあるでしょうか?

幸い?それほど精密ではないようですので、不必要に追求しても神経をすり減らすだけになってしまいますが、シムなどで調整する部分などはコノことを留意しておけば、より良い結果が得られるでしょう。

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色々な呼び名を持つこの計測器は日本ではノギスが正しいようです。

一番スタンダードなこのノギスは副尺に39mmを20等分した目盛りを持ち、これと一致した主尺のめもりを読んで0.05mmの最小単位を計測できます。ある意味マイクロメーターよりスマートなモノですよね。

タダこれは計測する時の力加減で、値が変わってしまう事にあります。上下の写真では0.15mmも違います。

スムースな動きでないと測定しにくいので、副尺のスライド部分にクリアランスがあり、それで大きな力で押すと斜めに動いてしまい、目盛りがズれてしまいます。

リクエストを頂いたTERU'79さんの悩みはココにあると思いますが、ワタシもノギスで測定する時は(当て方も含めてですが)5回くらい測り直します。

解決方法としては、

  1. 写真上の方法。
  2. 写真のような”ゼロ調整バー”か、無ければ適当なマイクロメーターで測定した硬いものをノギスで測定して、力具合を校正する。

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一方ダイアル式ノギスはコンベンショナルなものにダイアルが付いただけのスタイルですが、作動原理がまるきり違います。スライドする副尺が5mm動いてダイアルの針が1回転し、文字盤の目盛りを100等分して0.05mmを読むので、マイクロメーターを応用したようなものです。

小さい歯の付いたラックでギアを動かすので副尺の剛性が高く、結構な力を加えても針は動きません。


ああ お前もか!! ④

2006年05月15日 | ブレーキ系

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ブレーキがスカスカ!

軽2輪(250ccまで)は車検もなく維持費が安いので、ビッグスクーターなども含めて日常の足代わりに使う方も多かろうと思います。

日本製のバイクは高性能で安価、そして故障知らずの評判を立ててから暫らく経っていますので、これがユーザーにどう作用するのか、特に車検が不必要の軽2輪車はまるきりのノーメンテの境遇で過ごすことが多いですね。

こうした不幸の境遇のバイクは意思があるわけではありませんが、自然の摂理によって突然反逆に転じる事があります。

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これは10年物のヤマハセローのフロントブレーキマスターシリンダーです。10年の時を刻んで初めてキャップが外されたと思いますが、矢印の示す外気との通路が溶けた塗料で塞がっています。

中央のゴムのダイアフラムは、タンク内のフルードと外気を遮断して、フルードへの湿気の混入と外部への流出を防いでいます。ところが完全に遮断はできないようで、溶けた塗料がそれを物語っています。

ダイアフラムの形状は(ブレーキパッドの磨耗による)タンク内のフルードレベルが下がっても、それに対応するようになっていますが、キャップとダイアフラムの間に大気が入らないと対応できません。

それにより、タンク内のフルードがシリンダーに補充できなくなり、スカスカになったと推測できます。

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タンク内には、エア抜きなどの作業中によるフルードの飛び出し事故を防ぐ、取り外し可能の金属片がついています。親切設計だと思いますよ。

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原因は他にあったのですが、10年以上も経っているのでリペアキットを使います。

小売価格は約1800円! ハーレーの同じモノの5分の1以下ですから!

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キットの内容です。ブーツとセカンダリーOリング!にご注目。

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ヤマハは長くこの遊び調整のメカニズムを使っていて、矢印の部分の磨耗が進むとフィーリングがヒドク悪くなります。調整できるのは良いですが、もうヒトヒネリ欲しいところでした。

どんなバイクでも、ブレーキフルードは一定期間による交換が必要と改めて考えさせられる場面でした。皆様もユーザー車検は経費を抑えられると満足するだけでなく、フルードなどはお忘れなく交換をしてください。


ああ お前もか!! ③

2006年05月14日 | ブレーキ系

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リペアキットのインストールには特に難しい問題はないと思っていましたが・・・・。

コレは何?

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リペアキットに付属の潤滑剤を放っておくと、液体の部分が揮発して固体分だけ残りました。

つまり、固体と液体が混在したルブリカントなんですね。以前どこかの掲示板で、フルードタンク内に粉末状の未確認物体があることに気がついて悩んでいる方がいましたが、正体はコイツです。

コンパウンドはペースト状の研磨材を表現する言葉として定着していますが、タブン語源のCOMPOUNDは混合とか調剤の意味です。

因みに辞書によると、WITHがつくと”事態を悪化させる”ということになるそうです。そうなるとPolish with compoundって?

with compoundはその他に、和解とか示談とかの意味も・・・・・。

ともかく付属のルブリカントをカップに塗っておきました。

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汎用のホーニングブラシを使ってシリンダー内を掃除します。

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普通はシリンダーに異物が入らないようにブーツを使いますが、このマスターシリンダーには”ワイパー”なるモノが使ってあります。矢印は空気が出入りするです。

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これでワイパーを押し込んで完了なのですが・・・・・。

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以前はディープソケットか何かで押し込めた記憶があるのですが、今回はウマクいかないので、写真のようなSSTを急遽作りました。

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これでウマクいく筈が・・・・、ダメでした。

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双方の形状はコンナ感じで、これではいくら押してもワイパーの周囲が潰れるだけで入る筈がありません。

どうして、前は入ったのだろうか?

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ワイパー自体の形状は新と旧は変わりがありません。強いて言えば旧いほうが硬いのですが、経年変化による硬さのようです。

ともあれ無理に押して壊すより、方法を変えたほうが良いでしょう。

原始的ですが、少しずつ押し込んでみました。

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ゴムをキズつけないように、古いマイナスドライバーの先の角を丸めたSSTを使うと・・・。

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無事終了です。

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レバーを付けてから、ブレーキラインが付く赤矢印のところから息を吹き込んで、青矢印のリターンポートから抜けるのを確認しました。

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フルードのエア抜きには写真の”ベンチュリー効果でバキュームを発生させる”ブリーダーを使います。

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各部が正常であると、ブレーキレバーを勢い良く握ると写真のようにフルードが飛び出します。

DOT5のフルードなら塗装を侵しにくいので良いのですが、グリコール系のフルードを塗装面に付着させたらスグに水道水などで洗い流さないと模様が出来てしまいます。

この写真を撮るのには苦労して、80枚くらい撮ってやっと成功しました。


ああ お前もか!! ②

2006年05月13日 | ブレーキ系

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今日は北海道と沖縄以外はホトンド雨のようですね。せっかくの週末がこれではバイク乗りは何をしているのでしょうか?お暇な方のために?今日は3連更新をしてみました。

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ブレーキマスターシリンダーのリペアキットが入荷しました。品番の末尾に”C”がついているのはアルファベット無し・A・B・Cと4回更新された部品ということなので、これを検証してみましょう。

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写真の上側が新しい部品です。一目で分かるのはリターンスプリングとピストンの形状です。

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スプリングの自由長が長くなっています。古いスプリングはヘタっているのか不明です。でも5mmも短くなるとも思えないです。

こうした巻き径の小さいスプリングは簡単にレートを上げられないと思います。線径を上げると全屈長が長くなりピストンストロークが短くなってしまうし、巻き数を減らしてレートを上げると寿命が短くなってしまうでしょう。ホントウはこういった余裕の無い設計は避けるべきでしょうね。

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ピストンのカップが嵌る部分の径を測ってみると、

  • 新   ①12.40mm     ②13.0mm
  • 旧   ①12.35mm     ②12.95mm

この差は公差なのか、設計変更なのか微妙なところですね。

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Oリングの太さは 新 2.55mm    旧 2.65mm

古いOリングは膨潤して太くなっているかは不明ですね。

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ピストンキャップの径まで違いますね。  新 10.9mm    旧 11.0mm 

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リペアキットには潤滑剤が付属しています。

05 1200Rさんからいただいた情報では04以降の潤滑剤は変更になったそうです。

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潤滑剤と塗布し仮組みして一旦押し込んでから、スプリングの力で戻った位置は写真に較べて、写真のリペアした方は「スプリングが長くなった分」は手前に来ています。

手に感じる動き始めの渋さは、プライマリーカップだけではスゴク良く感じますけれど、セカンダリーカップのOリングまでいれると大差はありません。

それで分かった事は?

セカンダリーカップのOリングを執拗に?使っている限りでは、戻りが不良になる可能性は残ると思っていたら、リターンスプリングを長くして対処してありました。

ああ お前もか!!の記事を書いた時点では勿論部品を見たわけではありません。リターンスプリングの設定を疑ったのは当っていたようで、もしかしたら04以降の部品もコソッとセッペン(設計変更)してあるかもしれませんね。(まるで○菱みたい?)

HB?

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今までに余り聞いた事がないHayes Brakeは最初のハーレーダビッドソンのデイスクブレーキもOEM供給していたようで、色々な分野でのブレーキ部品を生産しているようです。サイトを不自由な英語力で解読する限りでは、ハーレーダビッドソン モーター カンパニーが主力供給先であったようです。市場をニッシンに奪われてドウナッチャッタのだろう。それで不具合がでたら責任はドコに?他人事ながら・・・・。

続く。


この汚れは?

2006年05月13日 | メンテナンス

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ライザーブッシュの項で少々キタナイ写真を披露しましたが、ワイヤーハーネスのビニールチューブは不思議な感じに汚れます。

こうした汚れの除去にもラスペネを使います。

ワタシは特定のメーカーの製品を宣伝するつもりはありませんが、推奨することはあります。このラスペネの最大のメリットは無臭なんですね。

いつもガソリンやオイルなどのニオイにマミレていますが、C○C556のニオイは好きになれません。

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1面に吹きかけて・・・・。

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ウエスなどでゴシゴシ拭き取ると、このようにキレイになります。

普段見る事のない気にも掛けない部分もホコリをとり手を掛けることにより、ビニールの硬化やフレームの錆を防ぐ事にもなります。今まで目を向けなかったところも是非これを機会に!