ピストンエンジンは永遠か!な?

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TCエンジン カムベアリング

2006年05月27日 | バルブトレイン

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今回の記事は推測が多くなっています。実験を重ねれば確証を得られますが、”推測”という事でご了承ください。

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今ではホトンド聞かないので既に出尽くしてしまったのでしょうけれど、TCエンジンの出始めに比較的多く見られた、カムベアリングのトラブルというのがありました。

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左側が後カムでローラーベアリングになっています。右側はボールベアリングで、最初は両方ともコレと同じモノだった訳です。

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裏側はこのようになっています。後カム(写真では右側)のカムから短いサイレントチェーンで、前カムを駆動しますが、②の緑矢印のテンショナーで強く押しています。カム山がタペットを押し上げる時には複雑なベクトルが発生しますが、それは置いておくと、③の方向のベクトルが働いていると推測できます。

矢印が示すのはオイル通路です。このカムサポートアッセンブリーはオイルポンプの蓋も兼ねているため、アチコチにオイルをディストリビュートする沢山の通路があります。

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チェーンなどを仮り付けして表側をもう一度見てみると、はバルブスプリングの反力がプッシュロッドとタペットを介してカムに伝わってきます。

緑矢印はチェーンテンショナーの押す力です。チェーンは②の方向に動きます。小さいスプロケットはクランクシャフトと一緒に回転して、大きいカムスプロケットを駆動しますが、このときに③のベクトルを発生すると推測します。

後ろ側(写真では左)のは③と同じ方向なので、のベクトルはカナリ大きくなると推測します。

カムテンショナーは資料によると18kgの強さだそうです。交換の目安は半分に摩滅してからです。走行距離での目安は分かりません。オイル交換の頻度やクオリティ、走行条件で大きく異なると思います。

この方式のカムテンショナーを使う理由はワタシには分かりません。日本製バイクのホトンドはラチェット式のテンショナーを使い、フリクションを減らすようになっています。

以上の推測で、後カムベアリングに大きな負荷が掛かるのが理解できます。対策が施された年式のモデルでも10000km程度走った車両のこの部分を分解した機会の所見では、対策ローラーベアリングでも色が変っていた事を鑑みると、高温になっている痕跡なのでしょう。

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エボ以前では1本のカムで4個のバルブスプリングの反力を受けています。そして手前側の軸受けは簡単なブッシュです。それでも余り多くのトラブルが無かったのは、カムギアがドライブギアに乗っかっているから?

ギアの噛合わせでは反発するベクトルが発生します。その大きさは分かりませんが、少なくともチェーンのような引き込む力はありません。

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バルブスプリングの反力は大きく、この使い古したカムの磨耗具合を観察すると、3本ともおおよそ同じ場所が磨耗しています。内側の2つのカム山はホボ同じタイミングにあり、その反対側付近が大きく磨耗しています。

*この記事は”カムベアリング周辺”の続きとして書こうと思っていたら、エフさんのご質問と丁度かぶりました。でも明確な答が出なくてゴメンなさい。