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フルード交換ができない!
2004年モデルからのスポーツスターのフロントブレーキマスターの評判が芳しくありませんけれど、それ以前のモノはどうでしょうか?
写真はスポーツスターでは2003年モデルまで使われていたフロントブレーキマスターシリンダーです。
何故、分解してある?
昔は継続車検というと、ゴム製品のほとんどを交換いたしました。
今ではブレーキ関連部品も不具合の無い限り、無用に分解整備もいたしませんが、アメリカと日本ではブレーキの使用頻度や湿度を鑑みると(DOT5と言えども)フルードの交換は必須と思います。
通常の手順でフルード交換の作業を進めていたら、キャリパーからフルードが出てきません。
勿論、作業に取り掛かる前に異常はなかった・・・・・。
ピストンにカップがついた状態でシリンダーに嵌め込んで動きを見てみると、上の写真ではスムースに動きますが、下の写真(セカンダリーカップまで入れると)とたんに渋くなります。
更に各部を良く見てみます。
2枚の写真が何を物語っているかと言うと、矢印の示す部分は180°反対側ですから、ピストンが斜めに側圧を受けているのが分かります。
*この写真で注目していただきたいのは、ハーレーダビッドソンが油圧ブレーキを採用して以来、セカンダリーカップにOリングを使用しいます。これについては後ほど。
上下の写真で矢印の示すレバーとの接触箇所がずれているのが分かりますか?
この樹脂製の小さな部品は、レバーやダストシールとの滑りを良くするために使われていると思いますが、矢印のように凹んでしまっています。、ピストンへの側圧も解決する期待も?
ブレーキレバーはピンを中心とした円弧を描く運動ですが、ピストンは直線運動です。ココの辻褄合わせが例の樹脂製パーツだけで済んでいればよかったのですが、ピストンまで及んでいました。
どこが悪いか?
矢印はリターンポートと言います。この小さな穴が意外なほど大きな役割をしているのです。
簡単な図ですが、①が正常なリターンポートとカップの相対位置で、②がピストンを少し押した(ブレーキレバーを少し握った)状態、あるいはピストンが正常に戻らない状態です。
これで分かるように①の正常な状態では、タンク内のフルードは自由に行き来でき、キャリパーからのエア抜きも正常に行えますが、②ではリターンポートをカップで塞いでしまっているので、色々な不都合が生じてきます。
今回の直接的な原因はセカンダリカップの役割のOリングの膨潤だと思います。スプリングの張力不足も原因にはありますが、明らかにプライマリーカップ(先端のカップ)に較べて動きが渋くなっていました。この車両は4万km以上の走行をしていて、ブレーキマスターのオーバーホール時期といえば納得できるものです。
*しかし、ココに04スポーツスターのマスターの戻り不良の解決のヒントはないだろうか?
残念ながら、この年にLTRショップから撤退してしまったので縁がうすく、本格的に解明するチャンスがありませんでした。勿論分解した経験もないので憶測になってしまいますが・・・。
国産車のマスターシリンダーではセカンダリーカップもOリングではなく、カップ形状をしています。セカンダリーカップは圧力がさほど掛かるわけではないので、Oリングでも支障はないのですが、今回のようなことになりやすいのではないかと思われますね。
04以降のマスターシリンダーはニッシン製と聞いているので、まさかセカンダリーカップにOリングは使って.いないと思いますが、事実を知っている方は教えてください。
ここで考えられる事を書き出してみると
- ブレーキマスターのピストンクリアランスの設定をミスするとは思えない。
- シリコンフルードのカップ類への攻撃性。
- リターンスプリングの設定。
フルードの攻撃による膨潤だとすると、セカンダリーカップの勘合部のピストン径が何かの間違いで0.5mmも大きければ大いに可能性がありますね。
リターンスプリングの設定ミスも在り得るかもしれない。最近のハーレーの操作力の軽減の努力は並々ならぬものが感じられますが、その弊害になっている可能性も・・・・。
ブレーキランプのスイッチはレバーの根元のマイクロスイッチになっていますが、シリンダーピストンが戻りきらないと、ブレーキランプが点きっぱなしになってしまいます。余談ですが、これを放っておくとテールレンズが溶けてしまうこともありますね。
この程度でしたら、まあ余り罪はないのですが、時にはブレーキが抜けてしまう事や引きずってしまったりすることもあるので、最悪の事態では事故も考えられますから、充分ご注意を。