ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

グリースアップ

2006年05月13日 | メンテナンス

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ステアリングヘッドのグリースアップはマニュアルによると、12ヶ月点検あるいは8000kmごととなっています。

記録と記憶によると’93年モデルのソフィテルフレームから採用されたココのニップルは、他のメーカーでは見られないものです。

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グリースも写真の専用のものが用意されています。普通のベアリンググリースより柔らかめですね。

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緑矢印がグリースニップルで、赤矢印はグリースアップすることにより古いグリースが押し出された様子です。つまりこの状態まで新しいグリースを押し込む必要があります。

上と下のグリースの色が違うのにも注目してください。

下のベアリングの方に掛かる荷重が大きいためグリースの汚れが大きいのと、元々柔らかいグリースが温度と振動のために下に寄ってしまうのでしょう。

純正品番48300-60から見ると1960年から採用されたこのベアリングは、年々重くなった車重にも関わらず、充分な容量を持っているようにも見えますが、潤滑不足では性能を発揮できません。

ずっと同じ車両に乗っているオーナーは、段々渋くなってきた場合には意外と気付かないものです。メンテナンススケジュールは守る事に越した事はありません。


ライザーブッシュ

2006年05月12日 | モータースポーツ

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お陰さまでポイントも上昇中です。しかしランキングの順位は激しく入れ替わっていますね。

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ハンドルがグラグラ?

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このファットボーイは2000年モデルですから、もう6年も経っているのですね。

継続車検で入庫しましたが、ハンドルがチョットぐらぐらします。

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矢印のスクリューを緩めたり外せば、パネルは簡単に外すことが出来ます。

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矢印のライザーボルトを外せば・・・・・・。

アース線にも注意してください。

しかし、普段隠れているところは汚れていますね。

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タンクには古い毛布を掛けておくと、無用なキズを防ぐ事が出来ます。

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グラグラの原因は赤矢印”キャップワッシャーの座屈”青矢印”ブッシュラバーのヘタリ”です。

白く見えるカラーの端面とブッシュの面が”ツライチ”になっているのも注意してください。

このまま使用していると、キャップワッシャーに過大な力が掛かり、変形してしまいます。

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ブッシュ・カラー・キャップワッシャーと分解できます。

グラグラする割りに、各部品の痛みはそれほどでもないので、今回は省資源で・・・・・。

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省資源メンテはカラーを1.5mmほどサイズダウンしました。

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そうすると、矢印の部分にサイズダウンした分の締め代ができます。

結果は上々でした。

手間はブッシュを交換するのと、さほど変わりませんから、オーナーにとっても・・・・・・。

交換しか方法がないと考える方には邪道と思うかもしれませんが、ブッシュラバーの痛み具合が判定できれば、むしろ何でも交換より正当な方法ではないでしょうか?

以前見たブログで、バングラデシュかドコカの修理工場の風景がありましたが、凄かったですね。

大きな設備は古~い旋盤と鋳物設備(といっても手動のフイゴの炉と砂型を作る道具)で、あとは10歳くらいの子供が手やすりで仕上げるという、今の日本では到底考えられないものです。

きっと磨耗したブレーキドラムなど、鋳物で作ってしまうのでしょう。

交換部品がないと作業がストップしてしまう日本の事情とは、あまりにもかけ離れているので、とても同じ業界の話とは言えませんが、何か考えさせられるのではないでしょうか?


1000アクセス/日 突破!

2006年05月11日 | ブログ情報

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昨日のアクセス数がビジット1054、ビュー3198と過去最高を記録しました。勿論1日で1000アクセス超は初めてです。

1000を超えた要因としては、掲示板にリンクを貼っていただいた方がいたりで、タマタマであると思っています。しかし、お陰様でバイクブログランキングで首位独走を続けていますので、そちらからも毎日60くらいのアクセスもあります。今年の初めのアクセスは300前後と見れば大きな躍進と言えるでしょうか。

思えばブログを始めて9ヶ月は長かったのか、短かったのか。書いた記事はこれで320になります。誰でもブログのアクセス数は気になります。自分の行動の評価ですから、気にならない人はそうはいないでしょう。以前も書きましたけれど、バイクはブログの世界でもマイナーな存在です。掲示板のほうが賑わっていますね。

Harley-Davidson NewsVirgin-Harley.comの掲示板では毎日多くのスレッドやレスの書き込みがあるため、ブログとは比べものにならない多くのアクセスがあるようです。

ワタシも時々参加もしますが、ハーレーをお持ちの方がどのような悩みや疑問を持っているか、リサーチの場でもあります。そこでワタシが疑問に思うのは、驚くほど情報が流通していない事ですね。

掲示板は気軽に質問もできるので、検索すればすぐ分かるような事も質問するのはソレはソレで良いとしても、ビックリするような初歩的な質問も見受けます。

誰しも興味のない事には、表面的なことは分かっていても、チョット奥に潜っている事実や状況は知らない事が多く、直面してから創めて困っている自分に気付くのでしょうか?

例えば、VINの記事には反響が大きく、リジッドフレームからは250ものアクセスがありました。記事にも書いてあるように、今日現在もヤフーオークションには偽造VINと思われる車両が出品されています。これなどは出品している本人も重大さに気付いてなく、質問で車検証の車台番号を問い合わせると、リジッドフレームでは有り得ないVINを返答してくる始末です。

偽造VINの責任などは最終的には所有者にありますけれど、「大丈夫、車検はウチに任せておけば安心」などと偽造するショップはまだあるのだろうか?

ワタシが見た一番酷い例は、サイドカーの車検証でグースネックのショベリジがありましたからね~。

本日の血と汗と涙のシート製作記にはワタシの事が書かれています。これは管理人のヤーさんが、ご自身のブログについての悩み?の記事の一部ですね。

リンク先のピストンさんのように手の内明かしすぎ?と思われるような話も出来ないし・・・・
ピストンさんはある意味仙人のような方で、ご自身の利害など考えていないのではないか?と思うことが多々あります。(^^;

ヤーさんのように、まだ夢も希望もある好青年が一生懸命仕事をしているのに(ワタシもまだ夢と希望を捨てたわけではないのですけれど)、天に唾を吐くようですが、ある意味「バイクを売る個人のビジネスは成り立たない」と考えているわけです。

一時のショベルブームで「ヤラズブッタクリ」が横行した結果、その残滓はまだあり「ショベルは壊れて当たり前」という風説は事実になろうとしており、かと言って新車の販売にも、その方向性には疑問もあります。

ハーレーの排気音には伝説化されたものがあり、30年前とは世間の状況がまるきり異なっているにも関わらず、伝説は一人歩きを続けています。

これからヤッテクルと予想される団塊の世代の人たちも、伝説に引かれて来るのでしょうか?

ショベルが壊れて当たり前なのは、”正しく”30年前のハーレーを正しくリペアしないと壊れて当り前なので、アメリカから中古として輸入されたままや、ゾンザイなことをされたままでは、どんなモノでも30年前の機械はチャンと動きません。

こうした事を全国津々浦々に知らしめるのは、山を動かすようなものかも知れません。

ワタシが手の内を明かしすぎる?のは、山を動かすにはヤリスギは無いと考えていますので、ご迷惑をお掛けしている事もあるかもしれません。

山を動かせるかは分かりませんけれど、その過程で間違い説明不足など気付きましたら、是非フォローをお願いしたいです。もっと多くの方たちに情報を流通させるためにも、今後とも宜しくお願いします。

追記、ヤーさんの血と汗と涙のシート製作には頭が下がります。いくらテストと言っても日帰りで能登半島までは行けません。これからもガンバッテください。コチラに来られる方もK&Hのシートを買ってくださいね(笑)。


ああ お前もか!!

2006年05月10日 | ブレーキ系

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フルード交換ができない!

2004年モデルからのスポーツスターのフロントブレーキマスターの評判が芳しくありませんけれど、それ以前のモノはどうでしょうか?

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写真はスポーツスターでは2003年モデルまで使われていたフロントブレーキマスターシリンダーです。

何故、分解してある?

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昔は継続車検というと、ゴム製品のほとんどを交換いたしました。

今ではブレーキ関連部品も不具合の無い限り、無用に分解整備もいたしませんが、アメリカと日本ではブレーキの使用頻度や湿度を鑑みると(DOT5と言えども)フルードの交換は必須と思います。

通常の手順でフルード交換の作業を進めていたら、キャリパーからフルードが出てきません。

勿論、作業に取り掛かる前に異常はなかった・・・・・。

ピストンにカップがついた状態でシリンダーに嵌め込んで動きを見てみると、上の写真ではスムースに動きますが、下の写真(セカンダリーカップまで入れると)とたんに渋くなります。

更に各部を良く見てみます。

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2枚の写真が何を物語っているかと言うと、矢印の示す部分は180°反対側ですから、ピストンが斜めに側圧を受けているのが分かります。

この写真で注目していただきたいのは、ハーレーダビッドソンが油圧ブレーキを採用して以来、セカンダリーカップにOリングを使用しいます。これについては後ほど。

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上下の写真で矢印の示すレバーとの接触箇所がずれているのが分かりますか?

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この樹脂製の小さな部品は、レバーやダストシールとの滑りを良くするために使われていると思いますが、矢印のように凹んでしまっています。、ピストンへの側圧も解決する期待も?

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ブレーキレバーはピンを中心とした円弧を描く運動ですが、ピストンは直線運動です。ココの辻褄合わせが例の樹脂製パーツだけで済んでいればよかったのですが、ピストンまで及んでいました。

どこが悪いか?

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矢印はリターンポートと言います。この小さな穴が意外なほど大きな役割をしているのです。

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簡単な図ですが、①が正常なリターンポートとカップの相対位置で、②がピストンを少し押した(ブレーキレバーを少し握った)状態、あるいはピストンが正常に戻らない状態です。

これで分かるように①の正常な状態では、タンク内のフルードは自由に行き来でき、キャリパーからのエア抜きも正常に行えますが、②ではリターンポートをカップで塞いでしまっているので、色々な不都合が生じてきます。

今回の直接的な原因はセカンダリカップの役割のOリングの膨潤だと思います。スプリングの張力不足も原因にはありますが、明らかにプライマリーカップ(先端のカップ)に較べて動きが渋くなっていました。この車両は4万km以上の走行をしていて、ブレーキマスターのオーバーホール時期といえば納得できるものです。

しかし、ココに04スポーツスターのマスターの戻り不良の解決のヒントはないだろうか?

残念ながら、この年にLTRショップから撤退してしまったので縁がうすく、本格的に解明するチャンスがありませんでした。勿論分解した経験もないので憶測になってしまいますが・・・。

国産車のマスターシリンダーではセカンダリーカップもOリングではなく、カップ形状をしています。セカンダリーカップは圧力がさほど掛かるわけではないので、Oリングでも支障はないのですが、今回のようなことになりやすいのではないかと思われますね。

04以降のマスターシリンダーはニッシン製と聞いているので、まさかセカンダリーカップにOリングは使って.いないと思いますが、事実を知っている方は教えてください。

ここで考えられる事を書き出してみると

  • ブレーキマスターのピストンクリアランスの設定をミスするとは思えない。
  • シリコンフルードのカップ類への攻撃性。
  • リターンスプリングの設定。

フルードの攻撃による膨潤だとすると、セカンダリーカップの勘合部のピストン径が何かの間違いで0.5mmも大きければ大いに可能性がありますね。

リターンスプリングの設定ミスも在り得るかもしれない。最近のハーレーの操作力の軽減の努力は並々ならぬものが感じられますが、その弊害になっている可能性も・・・・。

ブレーキランプのスイッチはレバーの根元のマイクロスイッチになっていますが、シリンダーピストンが戻りきらないと、ブレーキランプが点きっぱなしになってしまいます。余談ですが、これを放っておくとテールレンズが溶けてしまうこともありますね。

この程度でしたら、まあ余り罪はないのですが、時にはブレーキが抜けてしまう事や引きずってしまったりすることもあるので、最悪の事態では事故も考えられますから、充分ご注意を。


V.I.N. ③

2006年05月09日 | VIN

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1970年から1980年まで、写真のようにフレームネックとクランクケースにV.I.Nが刻印してあります。同一の車両では同一のSequential Number(シーケンシャルナンバー、継続する番号)になっているのに注目してください。(伏字になってますけど)

フレームとエンジンのV.I.N.がマッチングしていないと、オリジナリティーとしての価値はなくなってしまいます。

6E4××××J0は数字+アルファベットの2文字・5桁の数字・アルファベット・数字の組み合わせになっています。

*最初の2文字はモデル名ですね。

  • 2C     FX-1200
  • 9D     FXE-1200
  • 2F     FXS-1200
  • 5E     FXEF-1200
  • 6E     FXEF-80
  • 7G     FXS-80
  • 1H     FXB-80
  • 9G     FXWG-80
  • 1A     FL-1200
  • 2A     FLH-1200
  • 7E     FLHS-1200
  • 3G     FLH-80
  • 3G     1979 Classic
  • 3H     1980 Classic
  • 5H     FLHS-80
  • 6H     FL-80
  • 7H     FLH-1200 Police
  • 9H     FLH-80 Police

*5桁のシーケンシャルナンバーは1970年~1977年まで10000から始まり、1978年からは60000から始まります。 尚余り見ることはないでしょうが、2Hというモデルは80000からですね。

*その次というか、最後から2番目のアルファベットはモデルイヤーの十の桁です。Hが70年代でJが80年代を表しています。

*最後の数字はモデルイヤーの年度ですね。

つまり6E4××××J0を例にとると、FXEF-80の1980年モデルと読み取る事ができます。

製造から30年も経っていると、その姿は何度も変えている可能性があり、なんちゃってローライダーもあるわけで、かく言うワタシもなんちゃってローライダーを買ってしまったことがあります。

自分が乗っているうちはソレでも良いのですが、黙って売ってはイケマセンし、買う時は必ず注意したいものです。


V.I.N. ②

2006年05月08日 | VIN

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取り返しのつかない事を避けるためにも・・・。

Ⅴ.I.N.の正式な呼称はVehicle Identification Numberでした。

1971年モデルからのハーレーダビッドソンにはエンジンとフレームに同じVINが刻印されています。これはシリアルナンバーと言っても良く、製造されたときの年やモデルを知る事の出来る大切なものです。

リジッドフレームにVIN?

リアサスペンションのない通称リジッドフレームは1959年デビューのデュオグライド以降には存在しないことになっています。そしてショベルヘッドエンジン搭載のリジッドフレームのホトンド全ては、パウコなどの社外フレームか、純正フレームにハードテールキットを溶接したものです。

ケース① 社外フレームにVIN,これはお手軽ショベリジで、日本での登録済みハーレーのフレームだけ交換して、今までのフレームと同じVINを偽造したもの。

ケース② 純正フレームをハードテールキットの使用でリジッド化したもの。VINはそのまま残っている。

ケース①②ともに、比較的安価にチョッパーなどを製作できることから、違法行為ながら10年くらい前からよく行われた手法です。

3年前の違法改造防止法の施行以来、指定整備工場(民間車検)への監査が強化されて、上記のようなインチキなバイクの継続車検が困難になった事実があり、最近そのせいか車検を取れなくなったハーレーの流通があります。

ワタシのところにも、こうしたハーレーの車検の問い合わせや相談がタマにあり、又目撃した事も何回かあります。

「今まで継続車検を取っていたのだから」という理由での救済処置は全く期待できません。ケース②では復旧作業でナントカなるかもしれませんが、ケース①は偽造なのでヘタをすると・・・になりかねません。

善意の第3者なら、説明を受けていなければ返却も相手により可能かもしれませんね。

一番良いのは(手遅れかもしれませんが)、正しい知識を持って臨むことですね。

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1971年から1980年までのモデルにはフレームネックに、このような打刻がされています。

リジッドフレームの車体の車検証に、こうしたVINが車体番号として記載されていたら危険信号です。

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正しい手続きによる職権打刻です。

両端の【玉】は手続きをした都道府県を表しています。つまり埼玉の玉で、埼であると刻印では読めなくなる恐れがあるのでしょう。神奈川だと申になります。

続きます。


カチカチ音がする? ②

2006年05月07日 | エンジン

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油圧リフターの記事でプッシュロッドの調整を解説しましたが、今回は掲示板の記事の件もあり、その補足になります。

エンジンの異音のトラブルは誠に厄介で、その音を聞く人によっても感じ方は異なるし、音は見えないだけに発生源の特定は掴みにくいですね。

勿論、異音の原因は大した事がないものと、大トラブルの症状の一つの現れとがありますが、原因が分からないうちはドチラも不安を掻き立てます。

ワタシ達の仕事は、修理したバイクが又暫らくノートラブルで調子よく乗れることになるのが目的ですが、それを最低限のコストで行うには、余分な仕事は避けなければなりません。

余分な仕事をして過剰な代金を請求すればクライアントに信用はなくなるし、心にシコリが残ります。かといって請求できなければ経営に負担が掛かります。

ワタシ達と違い、アマチュアの方が自身のバイクを修理するメンタリティはどうなのでしょうか?モチベーションにもよりますが、考えようによっては(手間のコストは考えなくても良いので)クオリティの良い仕事が可能ですね。気力の問題は同じですけれど。

さて横道に逸れましたが、余分な仕事をしないで済むのには経験が必要です。まず手をつける前の状態の確認ですね。どうせバラしてしまうのだからと、闇雲に始めてはイケマセン。2次災害が起っても原因が分からなくなってしまいます。

ココで本題ですが、ショベル以前の油圧リフターは構造や傾向を良く把握していないと、生き物のような微妙さがあります。まあ、エンジンて皆そうであり、ソコが堪らないところ?かな。

プッシュロッドの調整は?

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まずプッシュロッドの調整ネジのピッチを測定しました。一山は測っても正確ではないので、10回転させてその差は7.9mmですから、ピッチは0.79mmという事になります。

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前回ワタシの調整方法を紹介しましたが、リフターの中にオイルが入っている調整方法で、矢印のスプリングの遊びが無いところから4回転プッシュロッドのアジャスターを回転させて伸ばすというものでした。

これは’70年~'78年のサービスマニュアルに記載されている方法と同じものです。

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ところが’78年~’84年のマニュアルにはドライでの調整方法しか記載がありません。

ドライでの調整方法はプランジャーを脱脂して、全屈(下の写真の状態)から11/2回転伸ばしてロックです。しかし’70年~'78年のサービスマニュアルのドライ調整は13/4回転です。

ここでプランジャーのストロークを測ってみると、上の2枚の写真の計測値の差は52.65-46.15=6.5mmです。

調整回転に置き換えると6.5÷0.79で約8.2回転になります。

ココで疑問

ウエットでの調整は上から4回転で、ドライでの調整は下から1.75回転ですから加算しても5.75回転で、全ストロークの8.2回転と帳尻が合いません。

ここでの辻褄合わせで最終版のマニュアルでドライでの調整に統一したのか、他の理由があるのかは推測するしかありません。

プッシュロッド長の調整は、油圧リフターのオイル室容積とスプリングの張力を変更するだけですから、通常のOHCエンジンなどのバルブクリアランスの調整とは意味合いが異なります。

要はプッシュロッドが長すぎて、バルブの突き上げをおこしコンプレッションの低下を招いたりしなければよい訳ですから、それほど厳密な数値を要求されるものではありません。

そう考えると上からの4回転の調整方法は、バルブを突き上げないためのセイフティマージンかな?それとも8.2-1.75の約6回転半ではバルブをピストンに当ててしまう可能性を見たのか、6回転も伸ばすとオイルが抜ける時間が長すぎると思ったのか?

理由はともかく最終版のマニュアルでは、ドライでの調整方法だけになっています。

音がでたら

油圧リフターが原因の異音は思いのほか音量が大きく聞こえます。そして回転を上げると更に大きくなる事が多いですね。

ワタシの「ガソリンを適温のオイルに見立ててのチェック」でOKになったプランジャーでも、時には大きな音を発生することがあります。プランジャー自体が音をだすわけではありませんが。

何らかの理由でプッシュロッドを調整しなおした後で音の発生があったら、ドライでの調整でやり直す事をお勧めします。

それでも音が消えない場合は全屈状態からほんの少しだけ縮めただけで試してみると良いでしょう。ソリッドタペットでもエンジンが暖まる前は音はでないので、コレで音が消えない時は違う場所に原因があると判定できます。

前屈状態からほんの少し戻すのは、ロックナットを締めると反力でロッドが僅かに伸びるからです。

30年以上も整備の仕事をしていても、時にはマシーンに騙されることはあります。

タブン向こうには騙す意図はないので騙されるワタシに原因はあるのですが、ソンナときには「良い勉強をさせてもらった」と咀嚼しております。


カチカチ音がする?

2006年05月06日 | シリンダー、シリンダーヘッド

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先日の某掲示板で、エンジンの異音についての書き込みに対するレスがあり、ワタシも疑問に思いましたので、エンジンを組み立てるついでに検証してみました。

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ロッカーアームの位置はコンナ感じで、プッシュロッドがカムにより押し上げられると、ロッカーアームは青丸を中心に白矢印のように作動します。

掲示板の回答は、バルブ回りの再加工による「ステムの付き出しの増大」により、赤矢印の部分が破線で示す「ロッカーカバーの内側に当るのではないか」と言うものです。

バルブの再加工?

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左は再加工済みの排気バルブで、右はバラしたままのバルブです。

カーボンにまみれて真っ黒ですが、カーボンを除去すれば使える?

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矢印はバルブフェイスと言いますが、カーボンを除去してみるとデコボコになっているのが分かります。

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コレはシリンダーヘッドのバルブシートで、再加工済みです。

好調なエンジンの3大要素は良い圧縮・良い火花・良い混合気ですが、良い圧縮の重要な部分はバルブとシートですね。4サイクルエンジンではクランクが2回転で1回のバルブの開閉が行われますが、高温の燃焼ガスに晒され、特にカーボンの生成が多いハーレーのエンジンでは、カーボンの噛み込も多く、乗り方によっては1万kmほどでもバルブの密閉性が低下します。

良くプラグの焼けが悪いとか、キャブが調子悪いとか、エトセトラ・・・・・。

と悩む方も多かろうと思いますが、勿論そのものの不良もありますけれど、それは人間のからだの不調に例えれば諸症状で、先日入院していた小池環境大臣の咳が酷かったりの症状で、原因は肺炎をおこしていたみたいなものです。

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バルブ回りの再加工をすれば全てOKかと言うと、ソウでもないのです。何事にも代償がありますね。

勿論、正確な作業には支払いという通貨による代償も必要ですが、再加工という作業は金属を研磨しますので、この場合では「ステム突き出し寸法の増大」が起ります。

マニュアルによると、1980年モデル以降のショベルヘッドでは、ここの寸法はIN・EXともに40.6mm~41.8mmの間に設定されています。

ココの寸法は今回の問題の他に、バルブスプリングの張力に関係します。それは又後で・・・・。

それで当るの?当らないの?

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それでは確認する方法を考えて見ましょう。

アッセンブリーされたロッカーカバーを写真のように置くと、ロッカーアームは重量バランスの関係で、プッシュロッド側が浮いて赤矢印のバルブ側がロッカーカバーに接地します。

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つまり、ヘッドにロッカーカバーをセットするときには、この位置関係でないと、ロッカーアームとバルブが干渉して組み立てられません。

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ちなみに青いガスケットはS&Sのケブラーで補強されたもの。

こうした部品の検証には3年くらい掛かってしまいますので、ホントウに有効かどうかは分かりません。

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ヘッドとロッカーカバーが密着してから、ドライバー等で赤矢印のように押してみます。

押す前は青矢印の位置ですから、少なくとも5mmの余裕が検証されました。

通常はワタシもここまでは確認はしませんでした。何故かというとココが原因で異音が発生した事がなかったからですね。

しかし、ロッカーカバーは鋳物で出来ているし、社外品も存在しているわけですから、カバーの内側の形状や寸法が保証されているモノではありません。

特に往復運動している部品では、ピストンとバルブのようにお互いのクリアランスは充分にとる必要があります。高回転では思った以上のGが掛かり、静的なクリアランスでは不十分な事があるということです。

ですから、バルブ回りの再加工の前後では条件が異なりますので、ココも確認したほうが良いという結果になります。

人間の目は残念ながら金属を透過して見ることが出来ません。機器を使えば可能かもしれませんが、普通はソンナものは持っていませんね。しかし、知識と知恵を駆使すれば、今回のような事も可能になります(まあ、そんなに大したことではありませんが)。


ズサンな仕事?

2006年05月05日 | consideration

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ボルトを付け忘れると?

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先日、修理依頼されたハーレーを良く見て唖然としました。

トランスミッションのオイル洩れを直すとのことで、サイドドアのガスケットを交換するには、プライマリーをバラしてミッションも全バラだな~と思っていましたが、最近に某ハーレーディーラーで継続車検をしたばかりだという。

今時、正規販売店で触媒を外すというのも「ヘエ~」という感じですが、矢印のところのボルトがない!

マフラーを交換した際に、純正マフラーのブラケットが邪魔で外したのだろうけれど、せめてボルトはツケトケ!

別の記事のコメントに「業界のモラル」にご指摘いただきましたが、正規販売店がこれではネ~。オイル洩れの原因を作ってオカネもらっているの?

どこの販売店かは分かっていますが、公表できません。

今日も暑くて30℃もあり、ツーリングの疲れもあるので、今日の更新はこんなところで・・・・。歳はとりたくないですね。


ツーリング

2006年05月04日 | モータースポーツ

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25年くらい行きつづけているゴールデンウイーク中の1泊ツーリングに、今年も行ってきました。

1グループでいける最大限の19名、これ以上の大人数になるとグループ分けしなければ、他の通行車に迷惑?

この道路はR141でR254からR299に乗り換えるのに約10kmほど通りますが、通行量が多い割りに狭くて渋滞しています。

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ワタシがトランポと交代しながら乗ったのは、先日Rフェンダーを交換した商品のローライダーです。

フルオリジナルに近いエボローライダーは調子が良かったですね。既に市場では数少ないものですから、探している方にはお勧めです。

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宿泊した木曽福島に残っている僅か100mくらいの旧町並み。

GW中でも夕暮れには人影も・・・・。

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旧町並みでは消火栓もシックな色に塗られています。

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本日帰りがけに寄った木曽福島の隣の奈良井宿は本格的に旧町並みが保存されています。

山間の町の春は遅く、桜がまだ咲いています。

この辺りは思いのほか名古屋に近く、案内の標識には名古屋から150kmとなっていました。

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旧町並みはこのような感じで2kmくらいに渡り連なっています。

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掲示板というと今では電子的なイメージですが、コレは本来の掲示板。

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今回もツアコンを勤めてくれたN氏は、コンナ事をして皆を楽しませてくれます。

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昼食をとった安曇野のスイス村からは3000mにちかい山々が・・・。

ホントに天候に恵まれた今回のツーリングは、20℃前後のバイクに乗るにはウッテツケの気候でした。そのせいか、走っているバイクも非常に多く、皆さん気持ち良さそうでしたね。

まだ出掛けていない方も是非とも信州にどうぞ!