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ボロンライナーを装備したシリンダーとモリブデンショットを施したピストンが、いよいよ組み立ての段階になりました。
でも加工から上がっただけではありません。

まず、ホーニングで仕上げた後はシリンダー内壁を洗浄しなければなりません。
加工後はある程度キレイにはなっていますが、パーツクリーナーを吹き付けて洗浄すると、写真のように鉄粉が出てきます。これはクロスハッチの溝の中に細かい切削屑が残っているのでしょう。
超音波洗浄でもすれば完全でしょうね。
ショベルなどのシリンダーがオーバーホール後の早期にキズが多くできるケースは、この辺りのケアが・・・・。

ピストンリングはピストンにセットする前に、シリンダーに入れてみて合口隙間をチェックします。

このくらいのボアでは、ワタシは0.3mmの設定です。
合口隙間が少なすぎるとリングが熱膨張して、キット壊れるでしょう。
このときにリングの張りや端面の加工状況もチェックしておきます。

ピストンクリアランスは赤矢印の部分で測定します。
青矢印の部分は随分とクリアランスが大きいのがお分かりでしょうか?
ピストンクリアランスは4~5/100mmの設定にします。マニュアルはもう少し小さめですが、湿度の多い日本では夏の冷却条件を考慮し、アルミのピストンと鋳鉄のシリンダーの膨張率も考えると、このくらいが妥当でしょう。
今までに何十本かのシリンダーを見てきましたが、磨耗しているほど使い込んでいるのは少なく、抱きつき、軽い焼き付きが原因と思われる深いキズのあるものがほとんどです。

そして、ピストン頭部ではこんなにクリアランスというより隙間があります。

オイルの戻り穴です。
ショベル(オルタネーターモデル?)ではシリンダーの内壁に青矢印の戻り穴が開いています。赤矢印はクランクケースによって塞がれていているので、このことは単に出口の位置が変わった事以上に意味があります。戻り穴はピストンスカートによって塞がれているとき以外は機能いたしません。
つまり、これ以前はロッカーケースの内部まで常にクランクケースに開口していて、ピストンの上下による圧力変化に晒されていたわけで、ヘッドの潤滑を終えたオイルが落下途中でも圧力変化で戻されたりと翻弄され、オイルの潤滑にも支障があったのでしょう。
ちなみに、こんな事がありました。
アメリカから買った中古ハーレーの話です。
どうも調子が悪いので腰上をばらしてみたら、ロッカーケースの中にオイルが溜まっていたのです!!
こんなことは初めての体験でした。
よくよくチェックして判明したのが、シリンダーに薄いライナーが入っていて、
オイル戻り穴がどこにも通じていない!!
そのハーレーを買った窓口からは何台も買っているので、”犯人”はおおよそ分っているのですが、某アメリカ人で農業の傍ら!!!日本向けのショベリジを生産!!しています。
デタラメは多方面に渡り、エンジンだけにとどまらずミッション、電気系と・・・・・・。
そんなのが流通すれば「ハーレーの旧車か壊れる」というのに拍車がかかってしまいます。
困ったもんだ。まあ最近は余り見かけないですが。

ピストンをコンロッドに組み付ける前に。
コンロッドの曲がりをこうしてチェックすることができます。

ピストンピン クリップは種類があります。
エボ以降は日本のバイクと同じ単純なものになりましたが、ショベル以前は端部に穴が開いていてプライヤーを使えば取り扱いが楽なものと、左側の720度(つまり2回転)薄い素材が巻いてあるものです。
両者はピストン側の溝の幅が違いますから、必ずピストンに付属していたものを使います。

今回使用するピストンには、取り扱いの難しいほうの「2巻き型」クリップです。
ワタシの方法は、まずこのようにコイル状に引き伸ばします。

そして、片方から少しずつ押しこんで・・・・・・。

あせらずにやれば、ピストンにキズをつけずに完了です。

ピストンをコンロッドに取り付ける前にピストンピンを差し込んでおきます。
入り方が硬いようでしたら、ピストンを80度くらいに加熱すると作業しやすいですね。
もちろん火傷には気をつけて。

シリンダーの下の淵は必ずテーパー状に面取り加工したあるはずです。
加工のし忘れなどでカドが立った状態では、この先の作業が非常に困難になります。
そしてピストンを挿入する前には、内壁に充分なエンジンオイルを塗っておきます。

ボロンライナーを装備したシリンダーとモリブデンショットを施したピストンが、いよいよ組み立ての段階になりました。
でも加工から上がっただけではありません。

まず、ホーニングで仕上げた後はシリンダー内壁を洗浄しなければなりません。
加工後はある程度キレイにはなっていますが、パーツクリーナーを吹き付けて洗浄すると、写真のように鉄粉が出てきます。これはクロスハッチの溝の中に細かい切削屑が残っているのでしょう。
超音波洗浄でもすれば完全でしょうね。
ショベルなどのシリンダーがオーバーホール後の早期にキズが多くできるケースは、この辺りのケアが・・・・。

ピストンリングはピストンにセットする前に、シリンダーに入れてみて合口隙間をチェックします。

このくらいのボアでは、ワタシは0.3mmの設定です。
合口隙間が少なすぎるとリングが熱膨張して、キット壊れるでしょう。
このときにリングの張りや端面の加工状況もチェックしておきます。

ピストンクリアランスは赤矢印の部分で測定します。
青矢印の部分は随分とクリアランスが大きいのがお分かりでしょうか?
ピストンクリアランスは4~5/100mmの設定にします。マニュアルはもう少し小さめですが、湿度の多い日本では夏の冷却条件を考慮し、アルミのピストンと鋳鉄のシリンダーの膨張率も考えると、このくらいが妥当でしょう。
今までに何十本かのシリンダーを見てきましたが、磨耗しているほど使い込んでいるのは少なく、抱きつき、軽い焼き付きが原因と思われる深いキズのあるものがほとんどです。

そして、ピストン頭部ではこんなにクリアランスというより隙間があります。

オイルの戻り穴です。
ショベル(オルタネーターモデル?)ではシリンダーの内壁に青矢印の戻り穴が開いています。赤矢印はクランクケースによって塞がれていているので、このことは単に出口の位置が変わった事以上に意味があります。戻り穴はピストンスカートによって塞がれているとき以外は機能いたしません。
つまり、これ以前はロッカーケースの内部まで常にクランクケースに開口していて、ピストンの上下による圧力変化に晒されていたわけで、ヘッドの潤滑を終えたオイルが落下途中でも圧力変化で戻されたりと翻弄され、オイルの潤滑にも支障があったのでしょう。
ちなみに、こんな事がありました。
アメリカから買った中古ハーレーの話です。
どうも調子が悪いので腰上をばらしてみたら、ロッカーケースの中にオイルが溜まっていたのです!!
こんなことは初めての体験でした。
よくよくチェックして判明したのが、シリンダーに薄いライナーが入っていて、
オイル戻り穴がどこにも通じていない!!
そのハーレーを買った窓口からは何台も買っているので、”犯人”はおおよそ分っているのですが、某アメリカ人で農業の傍ら!!!日本向けのショベリジを生産!!しています。
デタラメは多方面に渡り、エンジンだけにとどまらずミッション、電気系と・・・・・・。
そんなのが流通すれば「ハーレーの旧車か壊れる」というのに拍車がかかってしまいます。
困ったもんだ。まあ最近は余り見かけないですが。

ピストンをコンロッドに組み付ける前に。
コンロッドの曲がりをこうしてチェックすることができます。

ピストンピン クリップは種類があります。
エボ以降は日本のバイクと同じ単純なものになりましたが、ショベル以前は端部に穴が開いていてプライヤーを使えば取り扱いが楽なものと、左側の720度(つまり2回転)薄い素材が巻いてあるものです。
両者はピストン側の溝の幅が違いますから、必ずピストンに付属していたものを使います。

今回使用するピストンには、取り扱いの難しいほうの「2巻き型」クリップです。
ワタシの方法は、まずこのようにコイル状に引き伸ばします。

そして、片方から少しずつ押しこんで・・・・・・。

あせらずにやれば、ピストンにキズをつけずに完了です。

ピストンをコンロッドに取り付ける前にピストンピンを差し込んでおきます。
入り方が硬いようでしたら、ピストンを80度くらいに加熱すると作業しやすいですね。
もちろん火傷には気をつけて。

シリンダーの下の淵は必ずテーパー状に面取り加工したあるはずです。
加工のし忘れなどでカドが立った状態では、この先の作業が非常に困難になります。
そしてピストンを挿入する前には、内壁に充分なエンジンオイルを塗っておきます。
ショベルヘッドのOHを検討しています。
お近くでしたら伺いたいと思っておりますが、ショップでしょうか?
何県でしょうか?
早速ですが、私のショップは十数年前に廃業しました。今は友人のバイクだけをいじっているだけです。折角ですが申し訳ありません。
廃業されているのですね、でも国産からショベル、パンと幅広い知見と経験、残念です。
遠方であれば諦めもつきますので、どちらかだけお教え頂けますでしょうか?
お返事ありがとうございます。
関東なのですね・・・・
私も関東です。関東も広いですが・・・・・
やはり拝見すればするほど伺いたくなります。