言葉の救はれ・時代と文學

言葉は道具であるなら、もつとそれを使ひこなせるやうに、こちらを磨く必要がある。日常生活の言葉遣ひを吟味し、言葉に学ばう。

時事評論石川 2021年3月号

2021年02月23日 10時02分26秒 | 告知

今号の紹介です。

 一面は、拙論である。今思へば、タイトルは「揚げ足取りの国民とご機嫌取りの政治家と」の方が良かつたか。テレビをつければ、コロナ禍の話ばかり。それも政府の批判ばかり。一向に医療の状況が改善しないのは、政府の無策より医療従事者の怠慢であると思ふ。特にあの医師会の連中である。感染症の2類相当を5類に変更せよと医師会が言はぬかぎり、政府が変更をすれば批判の放火は政府に集中する。もちろん、政策実行は政治の決断である。政治家にその覚悟がないことを悲しむが、さうであれば二次的な手段としては医師が決断すべきである。「医師会に所属する民間医が地域内の医療を分担するので、コロナ患者を受け入れる病院は名乗り出てください」と宣言し、それを行へばよい。そして、その時にはロビー活動を行つて感染症患者を受け入れる病院には厚く手当てを出してほしいと政府に要求すればよい。さういふことができないのに、医師会が政府を批判ばかりしてゐる。そして、それに拍手喝采を送る国民はひどい。それを「自己家畜化」だとして批判した。

 「この世が舞台」はチェーホフの「いひなづけ」。冒頭に「神父の子息アンドレと婚約し、近々結婚することになつた」といふところで、目が留まつた。神父も結婚するんだなと思つたからである。ロシアではさうらしい。最後に留守先生が引用したヴィトゲンシュタインの言葉に心打たれた。「己を善くすること、世界を善くする為に我々に為し得るのはそれしかない」。

 どうぞ御關心がありましたら、御購讀ください。  1部200圓、年間では2000圓です。 (いちばん下に、問合はせ先があります。)
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無自覚な利己主義の国民と土機嫌取りの政治家と

  文藝評論家 前田嘉則

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コラム 北潮

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事実を感情で読み解く愚――極論が競われる誰もが発信できる時代

  新聞記者 伊藤 要 
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教育隨想  「土着倭寇」とは何か――日韓関係の新展開(勝)

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コロナ禍で露わになる日本及び日本人の脆弱性

  元中村学園大学教授 青木英実

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「この世が舞台」
 『いひなづけ』 チェーホフ
        早稲田大学元教授 留守晴夫
 
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コラム
  日韓認識ギャップと米国(紫)

  ”専門家”という名の予言者(石壁)

  やせ細る保守思想(星)

  やはり「みなさまのNHK」に非ず(白刃)
           

  ● 問ひ合せ 電話076-264-1119  ファックス 076-231-7009

   北国銀行金沢市役所普235247

   発行所 北潮社

 

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