言葉の救はれ・時代と文學

言葉は道具であるなら、もつとそれを使ひこなせるやうに、こちらを磨く必要がある。日常生活の言葉遣ひを吟味し、言葉に学ばう。

日韓のこれから

2014年02月24日 22時01分27秒 | 日記・エッセイ・コラム

 今月の時事評論には、韓国語翻訳家の荒木信子氏が、「日韓これからの行方」といふ注目すべき論文が載つてゐる。


 

 韓国の前大統領李明博氏が竹島に上陸し、天皇陛下の謝罪を求めたことから、日本に韓国を擁護する論調がなくなつたと見る。そして、それと同じ時期に、いはゆる韓流ブームも終はり、日本人の韓国びいきは下火になつてしまつたとも言ふ。
  そして、現在の朴槿惠大統領が「被害者の葛藤は100年経つても変化することができない」と語るに及んで、日韓関係は平行線を決定づけられてしまつた。
  さうなれば、韓国は中国との関係を深めていかざるを得ず、日韓関係は疎遠になる。それがまたアメリカによる東アジア戦略を破壊する中国の意図にも合致する。となれば、中国は、韓国を引きこむためにも反日政策を推し進める。

 かういふ構図は、分かりすぎるほど明瞭だ。だから、結論は、日韓関係を再構築する必要がある。しかし、それは無理ではないか。そのためには、荒木氏は「日本の力が東アジアにおいて圧倒的に強くなる」以外にないと主張する。さうすれば、「韓国は日本に寄って来る」はずだといふのだ。しかし、それは無理であらう。荒木氏ももちろんさうお考へのはずである。

  このままいけば、中国の思ふ壺だ。アメリカを仲保者として日韓の関係を結び直すしかないのであるが、オバマ大統領にはそれは期待できない。大統領個人の資質は、私には分からないが、どんどん今、アメリカが内向きになつてゐることが心配だ。さうであれば、手掛かりになるのは北朝鮮であらう。北の解放を目指すために日本・韓国・アメリカ・ロシアの四か国が北朝鮮への開発援助を指し出すことによつて、東アジアの中国包囲網も作り上げることが重要になる。日本と韓国が二国間だけで良好な関係を作り上げられるとはとても思へない。しかし、このままでは中国を利するだけだ。彼の国は共産主義国家である。そのことを踏まへない日韓離反肯定論を私は否定する。

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