「The Hankyoreh」 2024-11-26 09:11
■共同通信、佐渡鉱山追悼式に参列した日本政府代表の「靖国参拝は誤報…深くおわび」
【写真】24日、新潟県佐渡島のあいかわ開発総合センターで開かれた「『佐渡島の金山』追悼式」で、日本政府代表として参列した生稲晃子政務官が来賓のあいさつを終えた後、席に戻っている=佐渡/東京特派員共同取材団//ハンギョレ新聞社
日本の共同通信は25日、「『佐渡島の金山』追悼式」に日本政府代表として参列した生稲晃子外務政務官に関し、「2022年8月15日の靖国神社参拝に関する記事で、生稲晃子参院議員(現外務政務官)が参拝したと報じたが、正しくは生稲氏は参拝しておらず、誤った報道だった」と発表した。韓国政府はこれに対して「追悼式不参加の決定は諸般の事情を考慮したもの」だと明らかにした。
共同通信は当時の状況について「国会議員の出入りを取材する過程で生稲氏が境内に入るのを見たとの報告があったが、本人に直接の確認取材をしないまま記事化した」と伝えた。共同通信側は、生稲参院議員が記事に報道された事実を否定したため、自主的に当時の取材過程を調べた。さらに、当日靖国神社に参拝した複数の自民党議員に確認したところ「生稲氏はいなかった」と述べたという。これに伴い、共同通信は「当初の報告が見間違えだったと判断した」と明らかにした。
関連して、共同通信の高橋直人編集局長は「生稲議員をはじめ、新潟県や佐渡市、(佐渡島の金山)追悼式実行委員会などの地元関係者、読者の皆さまにご迷惑をおかけし、深くおわびする。取材の在り方を含めて再発防止策を徹底する」とコメントした。
日本政府は強制動員された朝鮮人労働者を悼むという意味で24日に開く追悼式に出席する日本政府の人事の発表を先送りしてきた。花角英世新潟県知事は「(追悼式は)『佐渡鉱山がユネスコ世界遺産になった』ということを関係者に報告する場になる」と述べた。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が今年7月にユネスコ世界遺産登録に賛成し、「外交成果」として掲げた追悼式が、「屈辱外交」の象徴に転落するという批判が大きくなった。
このような状況で、日本政府は追悼式の2日前に生稲政務官の出席を発表。その後、生稲氏が太平洋戦争でのA級戦犯が合祀された靖国神社を2022年8月15日に参拝したという日本の報道が伝えられ、波紋はさらに広がった。結局、韓国政府は追悼式を翌日に控えた23日に不参加を宣言した。
生稲政務官は24日の追悼式でも「鉱山労働者の中には、我が国の戦時中の労働者に関する政策に基づいて朝鮮半島から来られた多くの人が含まれていた」とし、「戦争という特殊な状況の中で、愛する家族を思いながら、危険で過酷な環境のもとで困難な労働に従事された」と言及しただけで、朝鮮人強制動員や強制労働という表現は使わなかった。
波紋が広がると、日本政府は生稲氏が(参院議員に当選後の)2022年8月15日に靖国神社を参拝した事実はないと主張してきた。共同通信の訂正報道前の25日昼、林芳正官房長官は定例記者会見で「総合的な判断として、外務省で広報文化やアジア大洋州情勢を担当する生稲氏の参列を決めたもので、問題ない」と述べた。靖国神社参拝については「参議院就任後に参拝した事実はないと理解している」とし「日本側から韓国側に対して事実関係を説明した」と述べた。
東京/ホン・ソクジェ特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
韓国語原文入力:2024-11-25 22:12
「The Hankyoreh」 2024-11-26 07:05
■韓国側、佐渡鉱山犠牲者の居住地で独自の追悼式…「強制動員された英霊を哀悼」
【写真】25日、新潟県の佐渡鉱山の朝鮮人強制動員労働者たちが住んでいた独身者宿舎「第四相愛寮」の前で、犠牲者の遺族たちが追悼式を行っている=ホン・ソクジェ特派員//ハンギョレ新聞社
「佐渡鉱山に強制動員された朝鮮人労働者神位」
素朴に設けられた祭壇の上には、日帝強占期(日本による植民地時代)に佐渡鉱山で強制動員の末に亡くなった方々の位牌が置かれた。犠牲者の遺族らは、韓国から用意してきた酒を盃に注ぎ、祭壇に捧げた。遺族たちもすでに高齢であるため、酒を捧げるためひざまずくとよろめいて倒れそうになる人もいた。韓国政府関係者が追悼の辞を述べる間、一部の遺族たちは長年胸にしまってきた悲しみがこみ上げる様子で、涙をぬぐっていた。25日、新潟県佐渡市相川新五郎町の佐渡鉱山の朝鮮人強制動員労働者たちが暮らしていた独身者宿舎「第四相愛寮」の跡地前の風景だ。
この日、韓国政府は第四相愛寮の跡地で、佐渡鉱山で強制労働に就いた人々の追悼式を執り行った。前日、日本政府が主導した「『佐渡島の金山』追悼式」に不適切な人物を中央政府代表団として派遣したなどの理由で出席を見送った後、韓国政府関係者と遺族9人が独自に執り行った式典だった。韓国政府関係者をはじめ30人余りが追悼式に出席した。
韓国政府代表者として参加したパク・チョルヒ駐日韓国大使は追悼の辞で「80年余り前に佐渡鉱山に強制的に動員され、苛酷な労働に苦しんだ末に亡くなられた韓国人労働者の方々の英霊に、頭を下げて深い哀悼の意を表する」とし、「生前、故国の土を踏むことができず、永遠に愛する家族の元に帰ることもできず亡くなられた韓国人労働者の方々の無念、そして解放後に帰国されたが、事故の後遺症と塵肺症などで依然として苦しい日々を送らなければならなかった方々にとっては、どんな言葉でも真の慰めにはならないだろう」と述べた。さらに「80年余り前の痛ましい歴史が記憶され続けるよう、韓日両国が真摯に努力していかなければならない」と述べた。
この日の式典は韓日政府関係者らが共に出席して行うことに合意した「『佐渡島の金山』追悼式」が事実上失敗に終わり、急きょ、窮余の策として設けられたものだ。前日、日本政府が事実上主導して行われた追悼式では、日本政府代表だった生稲晃子外務省政務官(次官級)が公式追悼式で佐渡鉱山朝鮮人労働者に対する「強制労働」を最後まで認めなかったためだ。
韓国外交部は、韓国政府が独自に設けた追悼式典について、「歴史問題について、日本側と妥協しないという韓国政府の確固たる意志の表現」だとし、「このような原則をもとに、韓日両国の利益に合致する両国関係の発展に向け、引き続き取り組んでいきたい」と強調した。
佐渡鉱山の第四相愛寮は日帝強占期に山ノ神社宅、第一・三相愛寮と共に朝鮮人労働者が暮らしていた宿舎の一つ。この日の式典は事実上、日本政府が主導した「『佐渡島の金山』追悼式」が行われた場所から徒歩25分ほど離れたところにある。強制動員当時、佐渡鉱山にたばこを配給していた富田たばこ店の配給名簿によると、第四相愛寮には主に全羅北道の裡里(イリ・現在の益山)から連れて来られた労働者が住んでいたという。
様々な記録と証言は、佐渡鉱山の強制労働の歴史を物語っている。 日本の新潟県が1988年に発行した『新潟県史通史編8近代3』には「昭和一四(一九三九)年に始まった労務動員計画は、名称こそ『募集』『官斡旋』『徴用』と変化するものの、朝鮮人を強制的に連行した事実においては同質であった」と記されている。
日帝強占期に佐渡鉱山の第四相愛寮で生活しながら強制労働の苦痛を味わったチョン・サンドンさんの三男、ウンドンさんは、昨年発刊された「韓国・強制動員の証言と交流の集い」の資料集で、「5代独子(5代続けて息子が一人しかいない)だった父親は親戚もおらず両親を養いながら農作業に勤しんでいた家長でしたが、30代後半に年老いた両親と妻、幼い娘と生まれたばかりの息子を離れ、佐渡鉱山に連れて行かれた」とし、「村で動員対象として2人が割り当てられたが、皆行くのを嫌がり、くじを引いて決めたという。それで同じ村のイ・ジェファさんと父が選ばれ、無理やり連れて行かれることになった」と証言した。
日本の公共放送のNHKも過去「50年目の真実 佐渡金山『強制連行』の傷あと」という番組などで、佐渡鉱山の朝鮮人強制連行を追跡調査して報道したことがある。佐渡鉱山朝鮮人強制労働資料集の出版などに関わり、この日の追悼式に出席した佐渡市の荒井真理議員は「(日本政府が)謝罪すべきことが多いと思う」と記者団に語った。
韓国政府と遺族が出席した中で開かれたこの日の追悼式は、午前9時5分頃に始まり、約10分間執り行われた。第四相愛寮の意味について説明が行われた後、パク大使の追悼の辞、黙祷、献花などの順で進められた。その後、遺族たちが用意した酒を捧げるなど、個人的に追悼する時間も設けられた。遺族らは同日、佐渡鉱山、坑道などを視察した後、帰国する予定だ。
佐渡(新潟県)/ホン・ソクジェ特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-11-25 20:56
「The Hankyoreh」 2024-11-26 01:03
■【社説】佐渡鉱山外交惨事、対日外交の転換の契機とすべき
【写真】25日、新潟県佐渡鉱山の強制動員された朝鮮人労働者たちが起居していた独身者用宿舎「第四相愛寮」の前で、犠牲者の遺族たちが追悼式をおこなっている=佐渡(新潟県)/ホン・ソクジェ特派員//ハンギョレ新聞社
「米国第一主義」を掲げる第2期トランプ政権の発足を控え、韓日協力の重要性がいつにも増して高まっている中、日本メディアの誤報により「外交の悪材料」が生じた。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の「度重なる譲歩」にもかかわらず「誠意ある呼応」を拒否してきた日本に対する不満が積もりつつある中で、佐渡鉱山追悼式に出席した日本政府の代表が過去に靖国神社に参拝していたという疑惑がふくらんだのだ。確執はハプニングに終わったが、政府はこの事態を機として、歴史を直視する努力なしに韓日の真の友好や協力はありえないという強いメッセージを投げかけ続けていくべきだ。
政府は25日午前9時、遺族の9人の代表が参列する中、佐渡鉱山に強制動員された朝鮮人の寮だった第四相愛寮跡の前で、日本側とは別途の追悼行事をおこなった。パク・チョルヒ駐日韓国大使が「佐渡鉱山に強制動員」された犠牲者に向けた追悼の辞を述べた。
日本が前日に開催した追悼行事に政府が出席しなかったのは、日本政府代表の生稲晃子外務政務官が2022年8月15日に靖国神社に参拝した疑惑がある人物だというのがその理由だった。しかしそれには、関係回復に向けた尹錫悦政権の継続的な努力にもかかわらず、日本が自国の立場ばかりを重視する恥知らずな態度を捨てないことに対する挫折感も大きく作用したとみられる。
これをめぐる韓日対立が続く中、共同通信はこの日午後、「生稲政務官が靖国神社を参拝した」という報道は誤報だったことを確認した。それでも問題は残る。生稲政務官が述べた追悼の辞を見ると、植民地支配やそれによって発生した朝鮮人強制動員に対する「反省」が一切見られない。韓国の遺族まで呼んでおいて、好き勝手しても尹錫悦政権は抗議しないだろうと考えたのだ。
日本の歴史認識は「私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」という安倍談話(2015)を機として大きく後退した。代わりに強調したのは「価値を共有する国々と手を携えて、『積極的平和主義』の旗」を高く掲げるという「安保協力」の必要性だった。尹錫悦政権はこれにあいづちを打ちつつ、「歴史は忘れて安保協力に集中しよう」という安倍談話の主張を全面的に受け入れるかたちで関係を改善してきた。
しかし、もはやこのような関係を続けることはできない。韓日の国民の相互認識を毎年調査してきた東アジア研究院(EAI)の今年の報告書では、「歴史問題の解決なしには両国の未来指向的な協力関係は難しいだろう」とする回答が前年(2023)の29.6%から42.1%へと大幅に上昇している。このような世論を無視して譲歩外交を続けてはならない。
(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-11-25 18:31
「聯合ニュース」 2024.11.25 21:58
■佐渡金山追悼式への不参加は「合意水準を満たしていなかったため」 韓国政府
【ソウル聯合ニュース】新潟県佐渡市で日本側が24日に開いた世界文化遺産「佐渡島の金山」の労働者追悼式に韓国側が参加せず、朝鮮半島出身の労働者らが戦時中に住んでいた寮の跡地で25日に独自の追悼行事を行ったことについて、韓国外交部は「すでに明らかにしたように歴史(問題)で日本側と妥協しないという政府の確固たる意思を示したもの」とし、「日本側の追悼の辞の内容などの関連事項が佐渡金山の(世界遺産)登録時に合意した内容の水準を満たしていないことが重要な考慮事項だった」と説明した。
韓国政府が開催した追悼式の様子=25日、佐渡(聯合ニュース)
韓国政府は23日に日本側追悼式への参加見送りを発表した際、「諸般の事情を考慮したもの」とのみ説明していたが、追悼の辞などが双方の合意に反していたことを明らかにした。
共同通信はこの日、生稲晃子外務政務官が2022年8月15日に靖国神社に参拝したと報じたのは誤りだったと発表した。韓国側の発表は共同通信の訂正報道があった直後に出された。韓国が日本側の追悼式に出席しなかった背景には、太平洋戦争のA級戦犯らが合祀(ごうし)された靖国神社を参拝した生稲氏が日本政府代表として出席することや、追悼の辞などを巡り意見の隔たりが縮まらなかったことが理由とみられていた。共同通信の訂正報道について、韓国外交部の当局者は「追悼式への不参加の決定は諸般の事情を考慮したもの」と述べ、追悼式に参加しなかった理由は生稲氏の靖国神社参拝問題だけではなかったことを明らかにした。
「聯合ニュース」 2024.11.25 19:16
■韓国与野党 佐渡金山の追悼式巡る日本との交渉を「外交失策」と非難
【ソウル聯合ニュース】朝鮮半島出身者が強制労働をさせられた新潟県の「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録時に日本政府が開催を表明した労働者の追悼式が24日午後、佐渡市で開かれたものの、韓国側が「合意に至るのは困難」などとして参加を見送ったことを巡り、韓国の与野党議員らは25日、政府の対応を批判した。
【写真】再現された佐渡島の金山の採掘作業の様子(資料写真)=(聯合ニュース)
この日開かれた国会文化体育観光委員会の全体会議で、最大野党「共に民主党」の朴洙賢(パク・スヒョン)議員は外交部が外交上の失策を犯したことは「強い遺憾」だとし、「文化体育観光部や国家遺産庁などは日本側に強く抗議し、しっかりとした後続措置の履行を約束してほしい」と要求した。
与党「国民の力」の裵賢鎮(ペ・ヒョンジン)議員も「否定できない政府の外交的な失敗であり、無成果と言わざるを得ない」として「追悼式に政府と遺族が参加しなくなった事態に対し国民の一人として非常に惨憺(さんたん)たる気持ち」と非難した。
同委員会の委員長を務める共に民主党の田載秀(チョン・ジェス)議員は、同じく強制労働があった軍艦島を含む「明治日本の産業革命遺産」が2015年に世界文化遺産に登録される際、日本側が強制労働被害者を記憶するための情報センターの設置を約束したにもかかわらず、履行されなかったことに言及し、「2回目の外交惨事」と述べた。
佐渡市の「あいかわ開発総合センター」で開かれた追悼式には生稲晃子外務政務官や新潟県知事、佐渡市長、民間団体の関係者ら日本側出席者のみが参加した。当初は韓国側の労働者の遺族や政府関係者らが出席する予定だったが、追悼式の名称や出席者などを巡る立場の隔たりを埋められず、韓国政府は23日に参加見送りを発表した
「中央日報日本語版」 2024.11.25 13:44
■日本政府、韓国の「佐渡金山追悼式不参加」に「残念」
日本政府が25日、「佐渡島の金山 追悼式」式典が韓国不参加で不完全な行事に終わったことについて遺憾の意を表した。
林芳正官房長官はこの日午前の記者会見で、「佐渡島の金山 追悼式」に韓国が参加しなかったことについて、政府見解に関して「韓国側の欠席の理由について説明する立場にはないが、韓国側が参加しなかったことは残念だ」と明らかにした。
これに先立ち、日本は日帝強占期の朝鮮人強制労役の現場である佐渡金山を世界遺産に登録し、韓国の同意を得るためにすべての労働者を追悼する行事を毎年開催することにした。
しかし両国の間で名称や出席者などを協議する過程で葛藤が生じたことから、前日24日に日本側が佐渡島で開いた「佐渡島の金山 追悼式」式典に韓国の遺族や政府関係者は出席しなかった。
◇佐渡金山の遺族・政府、日本で別途「追悼行事」開催
韓国は25日午前9時、別途の追悼行事を新潟県佐渡市にある佐渡金山の朝鮮人宿舎だった「第4相愛寮」跡で開催した。
当初遺族は日本側が前日に佐渡金山で主催した追悼式に出席しようと23日に新潟県入りした。
しかし日本側が靖国神社を参拝した前歴のある生稲晃子外務政務官を日本政府代表として追悼式に出席させることを決めると、韓国政府と遺族は日本側追悼式への不参加を決めた。
また、日本は「朝鮮人強制徴用」などの表現を追悼のあいさつに含めるよう求める韓国政府の要請を受け入れなかったという。
遺族は24日、別途の追悼式の開催を控えて佐渡島に位置した相川郷土博物館に訪問して展示物を見学する日程を持った。当時、遺族は特別な立場または所感は出さず、同行したガイドから展示の資料説明を聞くなど約10分ほど展示物を見て回った。
「聯合ニュース」 2024.11.25 10:54
■韓国政府 佐渡金山追悼式を独自開催=遺族・駐日大使が出席
【佐渡聯合ニュース】韓国政府は25日、朝鮮半島出身者が強制労働をさせられた新潟県の「佐渡島の金山」の労働者追悼式を「第4相愛寮」跡地で執り行い、韓国の労働者遺族9人や朴喆熙(パク・チョルヒ)駐日大使らが出席した。
韓国政府が開催した追悼式の様子=25日、佐渡(聯合ニュース)
朴大使は追悼の辞で「佐渡島の金山の歴史の裏には韓国人労働者の方々の涙と犠牲があったことをわれわれは永遠に忘れない」と強調した上で、「80数年前の悲しい歴史が記憶され続けるよう韓日両国が真摯(しんし)に努力していかなければならない」と述べた。第4相愛寮は朝鮮半島出身労働者がかつて暮らした。
遺族と韓国政府代表は当初、前日に日本側が主催して佐渡市で開かれた追悼式に出席する予定だったが、23日に急きょ不参加を決定。独自開催することを決めた。
日本政府代表として式に出席する生稲晃子外務政務官が過去に靖国神社を参拝したことや、追悼式でのあいさつの内容が朝鮮半島出身の労働者を追悼するという行事の趣旨にそぐわないと判断したためとみられる。
生稲氏は日本側主催の追悼式で、労働者の中に朝鮮半島出身者が含まれていると言及したが、「強制動員」など強制性に関する表現は一切使わなかった。
追悼式は、7月の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会で登録が決まった際に日本が韓国と合意し約束した措置。前日に到着した労働者遺族9人は、日本側追悼式への不参加が決まったことで強制労働に関する展示が行われている相川郷土博物館を視察した。
佐渡島の金山は太平洋戦争が本格化した後、銅などの軍需物資を確保する鉱山として主に利用され、約1500人と推算される朝鮮半島出身者が強制動員されて厳しい環境の中で働かされた。
【写真】追悼の辞を述べる朴大使=25日、佐渡(聯合ニュース)
「The Hankyoreh」 2024-11-25 10:13
■【ニュース分析】韓国不参加の佐渡鉱山追悼式…「強制動員削除」屈辱外交が招いた結果
【写真】日本外務省の生稲晃子政務官が24日午後、新潟県佐渡島の西側にあるあいかわ開発総合センターで開かれた「『佐渡島の金山』追悼式」で記念演説を行っている。生稲政務官は過去にA級戦犯が合祀された靖国神社を参拝した経歴が議論になり、韓国政府は前日に行事への不参加を宣言した/聯合ニュース
日本は24日、新潟県佐渡市のあいかわ開発総合センターで「『佐渡島の金山』追悼式」を単独で行った。韓国政府と強制動員被害者の遺族たちは、日本政府代表の生稲晃子外務省政務官(次官級)が過去靖国神社に参拝した前歴などを理由に、追悼式に出席しなかった。佐渡鉱山の「強制性」をどのように記録として残すかの具体的な合意なしにユネスコ世界文化遺産登録に同意し、「屈辱外交」の物議を醸した時から予告された破局だという分析が出ている。
生稲政務官はこの日、日本政府や市民団体の関係者だけが参加した追悼式で、1940年代に佐渡鉱山に朝鮮半島から来た労働者がいたとし、「戦争という特殊な状況の中で、愛する家族を思いながら、危険で過酷な環境のもとで困難な労働に従事された」と述べた。きれいな言葉が並べられた追悼の辞だが、「強制労働」という表現は含まれなかった。
韓国外交部は追悼式前日の23日、「佐渡鉱山追悼式をめぐる両国の外交当局間において意見の食い違いの調整に必要な時間が不十分だ」として「諸般の事情を考慮し、追悼式に参加しないことを決めた」と明らかにした。外交部は「諸般の事情」とは何かを明確に説明していないが、日本代表である生稲政務官の過去の靖国神社参拝の経歴や、追悼式と追悼の辞などに強制動員の認定と被害者への追悼内容がきちんと盛り込まれていない状況などを指すものと分析される。生稲政務官は参議院に当選した後、2022年8月15日の日本敗戦日を迎え、太平洋戦争のA級戦犯が合祀された靖国神社を参拝したと共同通信などが報じている。
佐渡鉱山追悼式がこのように行なわれたのは、表面的には日本政府の「挑発」のためだと思えるが、根本的な原因は、強制動員の歴史が事実上削除された状態で7月に佐渡鉱山の世界文化遺産登載に同意した韓国政府にあるという批判が出ている。日本は当時、佐渡鉱山関連施設に「全体の歴史」を盛り込むとしたが、「強制動員」は明示しなかった。韓国政府は「(重要なのは)日本が全体の歴史を反映するための実質的な措置を取ったということ」だとし、日本政府が毎年開くことにした強制動員被害者追悼式を成果として掲げた。特に追悼式には日本政府の高官が参加することにしたとし、「手形の代わりに現金を受け取った交渉」だと自画自賛した。
しかしその後、具体的な交渉過程で、日本が佐渡鉱山の世界文化遺産登録を祝う意味で「感謝」を行事名称に入れると要求し、韓国はこれを拒否。そして「強制動員」の抜けた「『佐渡島の金山』追悼式」に決定された。行事の主催も日本政府ではなく市民団体が担った。追悼式に出席する政府高官は、行事2日前の22日になって、靖国神社参拝の前歴のある次官級の右派の人物と発表された。2015年の軍艦島(長崎県端島)の世界文化遺産登録の時と同様に日本の「約束」だけを信じて期待が裏切られたのに続き、追悼式の交渉でも出席者や追悼の辞などの内容確認なしに日付から合意するという戦略的ミスを犯したわけだ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が掲げてきた「韓日関係改善」の象徴に、形式的にでも傷がつかないように焦りを見せた結果とみられる。
聖公会大学日本学科のヤン・ギホ教授(元駐神戸総領事)は、「交渉過程で専門的または組織的に対応した形跡が見られない」とし、「政府は歴史問題を放棄し、対日外交がまともに作動していないようだ」と指摘した。野党「共に民主党」のファン・ジョンア報道官は書面ブリーフィングで「日本の厚かましい挑発を前に、尹錫悦政権の屈従外交の素顔が改めて如実にあらわれた」とし、「ばらまき外交、佐渡鉱山交渉は『成果』だと強弁していたが、結局日本が満たした残りの『コップ半分の水』には嘲弄と侮蔑だけだった。政府は直ちに日本に真摯な謝罪を求め、明確な後続措置を取らねばならない」と求めた。
シン・ヒョンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
韓国語原文入力:2024-11-25 07:19
「The Hankyoreh」 2024-11-25 07:28
■佐渡鉱山で不意打ち食らった韓国…最後まで「朝鮮人強制動員」の言及なかった
【写真】24日、新潟県佐渡島のあいかわ開発総合センターで開かれた「佐渡島の金山」追悼式で、日本政府側代表として出席した生稲晃子政務官があいさつを終えた後、席に戻っている=東京特派員共同取材団//ハンギョレ新聞社
「戦争が終わるまで故郷に帰ることができず、残念ながらここで亡くなられた方々がいらっしゃいます」。
24日、日本政府代表の生稲晃子外務省政務官(次官級)は、落ち着いた声で日本による植民地時代の佐渡鉱山で働いて犠牲になった人々に追悼の意を表した。だが、生稲政務官の発言に「朝鮮人労働者の強制動員や労働」に関する内容はなかった。
この日、新潟県佐渡島のあいかわ開発総合センターで開かれた「『佐渡島の金山』の追悼式」で、生稲政務官は挨拶の言葉として、「鉱山労働者の中には、我が国の戦時中の労働者に関する政策に基づいて朝鮮半島から来られた多くの人が含まれていた」とし、「戦争という特殊な状況の中で、愛する家族を思いながら、危険で過酷な環境のもとで困難な労働に従事された」とだけ言及した。
これに先立ち、韓日政府による追悼式協議の過程で、追悼の辞に「感謝」という文言を入れるべきという日本側の要求を韓国政府が拒否し、交渉がギクシャクしたこともあった。ところが、生稲政務官はこれをものともせず「先人たちの労苦に敬意を表し、亡くなった全ての方を哀悼する」と述べた。追悼式に出席した 花角英世新潟県知事も「鉱山の発展に貢献された全ての方々に感謝の気持ちを表す」という立場を示した。
佐渡鉱山(佐渡島の金山)のユネスコ世界遺産登録当時に日本政府が韓国に約束した追悼式が5カ月ぶりに開かれたが、「中途半端な」追悼式になった現場の空気は冷ややかだった。前日、韓国政府が追悼式への出席を見送った上、佐渡島まで訪れた朝鮮人犠牲者の遺族たちまで政府の意向に従って出席を拒否したためだ。中野洸追悼式実行委員長は「(韓国側にも)出席していただきたかった。残念だ」と述べた。実際、同日、追悼式の現場に置かれた100脚あまりの椅子のうち、韓国側の25脚は空いていた。
22日、日本外務省が追悼式代表として生稲政務官を派遣すると発表した後、生稲政務官が過去に靖国神社を参拝したという報道が出たことも、影響を及ぼしたものとみられている。生稲政務官もこれを意識したかのようで、終始固い表情で追悼式の最前列に座っていた。追悼式の後には「靖国参拝をしたのは事実か」という記者団の問いかけに答えず、裏口に用意された車両に乗り込み、急いで会場を後にした。
同じ時刻、佐渡鉱山の朝鮮人犠牲者遺族たちが新潟港から船に乗って佐渡に渡った。彼らは翌日、パク・チョルヒ駐日韓国大使らと佐渡鉱山の旧朝鮮人寮「第四相愛寮」の跡地で別途の追悼式を開くことにした。『佐渡鉱山・朝鮮人強制労働資料集』の出版などに関わった佐渡市の荒井真理議員は追悼式後、韓国記者単に「『悼む』という言葉は大変なことを経験した人々の苦しみに共感することから始まる」とし、「今日、日本側の出席者たちからは犠牲者たちと一つになって悼んでいるような印象は見受けられなかった」と批判した。
佐渡(新潟県)/ホン・ソクジェ特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-11-25 11:37
「The Hankyoreh」 2024-11-25 08:01
■韓国政府、佐渡鉱山追悼式の不参加決定…「屈辱外交」批判避け
朝鮮人強制動員被害労働者の遺族、別途に追悼式開催
【写真】新潟県の佐渡鉱山の出口に、ユネスコ世界文化遺産登録を祝う横断幕が掲げられている=佐渡島/聯合ニュース
韓国政府が24日に行われる「佐渡島の金山」追悼式への不参加を前日になって決めたのは、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が自負してきた「韓日関係の改善」が「対日屈辱外交」の象徴となることを防ぐための苦肉の策だとみられる。
外交部は23日午後に記者団に送った告知で、「政府は追悼式に関する諸般の事情を考慮し、24日に予定されている佐渡鉱山追悼式に参加しないことを決めた」とし、「このような決定を下したのは、追悼式をめぐる両国の外交当局間の意見の食い違いの調整に必要な時間が不十分で、追悼式以前に両国が受け入れ可能な合意に至ることが難しいと判断したため」だと述べた。
外交部の述べる「諸般の事情」とは、日本政府が佐渡鉱山追悼式に靖国神社への参拝歴のある右派の関係者を送ることを発表したことをはじめ、追悼式や追悼の辞の中で朝鮮人強制動員被害者を追悼することについて韓日外交当局同士できちんと合意できていないことなどを意味するとみられる。
24日午後1時に新潟県佐渡市のあいかわ開発総合センターで行われた今回の追悼式は、今年7月にユネスコ世界遺産委員会で佐渡鉱山が世界文化遺産に登録される際、日本が登録への韓国の同意を得るために約束した後続措置だ。
日本政府の約束は、朝鮮人強制動員被害労働者を含むすべての労働者を追悼する行事を毎年開催する、というものだったが、行事についての韓日外交当局の協議の過程で日本が示した態度はまったく違なるものだった。
日本側は、この行事は朝鮮人強制動員被害労働者をはじめとする労働者の追悼とは関係のない、佐渡鉱山のユネスコ登録を祝う行事だと主張し続けた。日本政府は交渉過程で行事の名称に「感謝」という趣旨の表現を入れることを要求。韓国政府は強制動員された労働者を含む追悼式の趣旨に合わないとしてこれを拒否したため、紆余曲折の末に「佐渡島の金山」追悼式という曖昧な名称となった。新潟県の花角英世知事は20日の定例記者会見で、「(追悼式は)『佐渡鉱山がユネスコ世界遺産になった』ということを関係者に報告する場になるだろう」と述べている。
さらに22日に日本政府は、靖国参拝歴のある生稲晃子外務政務官(次官級)を日本政府の代表として追悼式に送ることを発表した。生稲政務官は議員当選直後の2022年8月15日の日本の敗戦の日に、太平洋戦争のA級戦犯が合祀されている靖国神社を参拝しており、強制動員と慰安婦問題について「韓国政府はさらに譲歩すべき」と主張してきた人物でもある。韓国政府は政務官以上の地位にある人物の出席を要請したが、日本政府は回答を先送りし、追悼式の2日前に右派の官僚を送るという最終決定を下した。このような人物を追悼式に日本政府の代表として送るという日本政府の決定は、佐渡鉱山に強制動員された朝鮮人労働者を侮辱するものに他ならない、という反発が広がった。
【写真】「佐渡島の金山」追悼式に日本政府代表として出席する生稲晃子外務政務官=生稲政務官のフェイスブックより//ハンギョレ新聞社
このような状況を韓国政府が交渉の過程できちんと把握して対処していたのかについても、多くの批判の声があがっている。外交部は22日午後に予定されていた佐渡鉱山追悼式についてのブリーフィングを、予定時刻のわずか5分前に取り消した。それだけ当惑していることを意味するものだ。記者の問いにも沈黙で一貫していた外交部は、22日夜遅くに「韓国政府は、誠意ある追悼式の開催のために日本政府の高官の参加が必要だということを日本側に強調し、日本がこれを受け入れて次官級の外務政務官が追悼式に出席することになったもの」だとしつつ、「同政務官は日本政府代表として追悼の辞を述べることになるだろう」との立場を表明するにとどまった。その日の夜まで韓国は追悼式参加にこだわり、生稲政務官に追悼の辞で朝鮮人強制動員被害労働者を追悼する内容を語らせる方向で交渉しようとしたとみられる。
だが23日午後に最終的に追悼式出席の取り消しを表明したのは、追悼の辞や追悼式の式次第で朝鮮人強制動員被害労働者を追悼する内容を反映することさえ日本に受け入れさせることができなかったからだと推定される。これについて外交部は、「23日、外交ルートを通じて日本側に不参加を通知した。外交当局間の詳細な議論事項についての言及は控える」とし、詳しい協議状況は公開しなかった。
追悼式に出席しようとしていた強制動員被害者の11人の遺族のうち9人は、すでに佐渡島に到着している。政府は25日午前に、韓国人遺族とともに佐渡鉱山の現場で独自の追悼式を開催する予定だ。チョ・テヨル外交長官は23日の放送への出演で、「(追悼式まで時間が差し迫っていたため)双方が受け入れ可能な合意に達することは難しいと判断し、ひとまず追悼式には韓国側の関係者は出席しないことを決めた」とし、「追悼式には参加せず、韓国の遺族の方々と政府の関係諸機関が別途追悼式を行い、関連施設や広場や博物館などを視察する別途の日程を持つ」と述べた。
まかり間違えば強制動員被害者の遺族が「佐渡鉱山ユネスコ遺産登録」行事の添え物にされるという屈辱を味わうところだったという点で、日本側に引きずられるかたちでの行事出席よりも不参加の方がましな決定だと考えられる。日本が交渉で韓国の強制動員被害者を考慮していないことがそのまま公開されれば、尹錫悦政権の対日屈辱外交の象徴として大きな波紋が広がらざるを得なかった。
だが、日本が約束した「朝鮮人労働者を含むすべての労働者に対する誠意ある追悼」さえもこのようなかたちで歪曲したという点で、尹錫悦政権が自負してきた「韓日関係の改善」と韓米日3国協力に対する疑問はふくらまざるをえない。尹錫悦政権は今年7月、佐渡鉱山のユネスコ世界文化遺産登録に賛成した際、日本政府の関係者も参列する追悼式が行われることを「日本から引き出した成果」だと語っていた。だが、日本が約束したもう一つの後続措置である朝鮮人強制動員被害者に関する展示も、「強制動員」という表現がなく、さらに追悼式までもが韓国と強制動員被害者を侮辱するような行事になってしまった。日本政府が約束した毎年の追悼式が今後どうなるのかについて、外交部は「韓国政府は誠意ある追悼式の開催のために日本政府と意思疎通を続けていこうと考えている」と述べるにとどまった。
パク・ミンヒ先任記者、シン・ヒョンチョル記者、東京/ホン・ソクジェ特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-11-23 16:18
「The Hankyoreh」 2024-11-22 07:40
■韓国野党「佐渡鉱山の拙速追悼式…日本政府の顔色をうかがうのか」
国会外交統一委員会の野党議員
24日の日本での「佐渡鉱山追悼式」に関して声明書
【写真】ユネスコ世界遺産に登録された日本の新潟県佐渡鉱山の内部に模型が設置されている/聯合ニュース
韓国国会の外交統一委員会の野党議員たちは、24日に予定された日本の「佐渡鉱山(佐渡島の金山)追悼式」と関連し、「日本政府に免罪符を与えるための形だけのものでないならば、なぜこのように拙速に進めるのか」と政府を批判した。
外交統一委所属の共に民主党・祖国革新党の議員たちは21日、共同声明書を出し「この追悼式は韓国政府が大々的に掲げてきた成果の一つ」だとし、「(にもかかわらず)『佐渡島の金山追悼式』として進められており、この追悼式が『強制動員された朝鮮人労働者』のための追悼式なのかさえ明白でない」と指摘した。佐渡鉱山には日帝強占期(日本による植民地時代)に朝鮮人が強制動員されたが、佐渡鉱山がユネスコ世界文化遺産に登録された7月、韓国と日本は強制動員被害者の追悼式を開くことで合意した。ところが、24日に新潟県佐渡市で開かれる初の追悼式は、強制動員の有無が分からないよう、「『佐渡島の金山』追悼式」として執り行われる予定で、日本政府側の高官が出席するかどうかも不明な状況だ。
野党議員たちは「両国が約束した初めての追悼式であるだけに、『佐渡鉱山』に刻まれた『日本による植民地時代の強制動員』という私たちの苦痛の歴史をもう一度振り返り、被害者を追悼できるようにすべきだった」と指摘した。それと共に「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は『こっそり追悼式』、『不透明な追悼式』で拙速に進めている」として「私たちの歴史を隠したいのか、それとも依然として日本の顔色を伺っているのか」と問い詰めた。
議員たちは「政府は今からでも拙速追悼式を延期し、追悼式関連の進行内容と詳細状況を国民に公開し、十分に説明せよ」と要求した。
【写真】野党議員らが光復節の8月15日、東京の参議院議員会館で記者会見を開き、ユネスコ世界文化遺産に登録された佐渡鉱山に日帝強占期の朝鮮人強制動員の歴史的事実が十分に反映されていないとし、日本政府にこの事実を明確に表記するよう求めている/聯合ニュース
キ・ミンド記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-11-21 11:17
「聯合ニュース」2024.11.22 17:05
■佐渡金山の追悼式に靖国参拝した人物派遣へ 韓国外交部「困惑」
【ソウル聯合ニュース】朝鮮半島出身者が強制労働をさせられた新潟県の「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録を巡り、日本が開催を表明した労働者の追悼式に日本政府が靖国神社を参拝したことがある生稲晃子外務政務官を派遣すると発表し、韓国政府が困惑している。
【写真】佐渡島の金山の坑道(資料写真)=(聯合ニュース)
日本の外務省は22日、新潟県佐渡市で24日に開かれる追悼式に生稲氏を派遣すると発表した。韓国政府はこれまで政務官の出席を要請してきた。だが、生稲氏が2022年8月15日に靖国神社を参拝していたことが問題となっている。太平洋戦争のA級戦犯らが合祀(ごうし)された同神社を参拝した人物が強制労働させられた朝鮮半島出身者を含む労働者の追悼式典に日本政府の代表として参加することは、式典に出席する韓国側の遺族を侮辱する不適切な措置との指摘が出ている。
韓国政府は生稲氏の出席を外務省の発表前に把握していたが、同氏が靖国神社を参拝したことは知らなかったとみられる。韓国外交部はこの日午後、記者団を対象に追悼式に関する日本側との交渉状況を説明する会見を開く予定だったが、開始予定の約5分前に中止となった。同部当局者は会見を中止した具体的な理由を説明せず、「現在の状況で話せることがないという事情になった」と述べるにとどめた。同部は戸惑いながら対応に追われている。
追悼式は7月の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会で佐渡金山が世界遺産に登録された際、日本が韓国と合意し約束した措置だが、朝鮮半島出身の労働者を追悼するという趣旨に沿って開かれるかについて懸念の声が相次いだ。日本側の追悼の辞に朝鮮半島出身の労働者を追悼する内容が盛り込まれるかも不確実で、韓国側の遺族11人の参加費用を韓国側が負担することも問題視されている。
「佐渡島の金山追悼式」という追悼式の名称も労働者を追悼するという意味が込められていない。
このままでは韓国側の遺族が「お飾り」となり、「癒えていない心の傷をさらに深めるだけ」という懸念の声もある。
日本政府が追悼式に派遣する人物を交代しない場合、追悼式参加をボイコットすべきだとの意見も出るとみられる。
「The Hankyoreh」 2024-11-21 07:41
■佐渡鉱山追悼式、24日に開催…韓日、参席者・追悼の辞もまだ未合意
【写真】佐渡鉱山の相川金銀山に明治時代以降に建設された坑道=佐渡/聯合ニュース
日帝強占期(日本による植民地時代)に朝鮮人労働者が強制動員された日本の佐渡鉱山の労働者たちに対する追悼式が、24日に開かれる。佐渡鉱山をユネスコの世界文化遺産に登録する際、日本政府が約束したものだ。しかし、式典を4日後に控えた20日午後になっても、韓日両国は追悼の辞の内容や式次第をはじめ、日本政府から誰が参加するのかについても合意できていない。
日本の「『佐渡島の金山』式典実行委員会」は、「『佐渡島の金山』追悼式」を24日に新潟県佐渡市のあいかわ開発総合センターで開催すると、20日に発表した。追悼式には、日本側からは実行委員会関係者、民間団体、地方自治体関係者、日本の中央政府の関係者、韓国からは佐渡鉱山強制動員被害者の遺族や政府関係者が参加する。
今回の追悼式は、7月に佐渡鉱山のユネスコ世界遺産登録の際の韓日政府間の合意によって開催されるものだ。日本政府はユネスコ会議の際、朝鮮人労働者を含むすべての労働者のための追悼式を毎年佐渡島で開催することを約束した。「韓日関係改善」を成果として掲げる尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は当時、佐渡鉱山の登録に賛成し、日本政府関係者も参加する追悼式が開かれることに大きな意味を与えた。
しかし、登録が確定した後、追悼式の開催をめぐる韓日協議は難航を続けていた。日本政府は式典の名称にも「感謝」という表現を入れると主張し、韓国政府は強制動員被害者に「感謝」を示すのは強制性を薄める趣旨だと読み取れるとして反対した。最終的には「『佐渡島の金山』追悼式」という曖昧な表現で妥協がなされた。
日本政府の参席者についても、韓国は政務官(次官級)以上を要請したが、日本は確答を先送りした。韓国の外交部当局者は「高官クラスが参加しなければならないということを初めから強く要求してきた」として、「韓国側の参席者は、日本の中央政府の参席者に合わせて決めることになるだろう」と述べた。
追悼の辞や式典の内容において、朝鮮人強制動員被害者をどのようなかたちで言及して哀悼するのかについても不明だ。外交部当局者は記者団の度重なる質問に、「両国の合意のとおり、『朝鮮人労働者を含むすべての労働者』を追悼する真摯な式典になるよう、追悼の辞や式次第などの協議を続けている」という返答だけを繰り返した。
今回の追悼式には、強制動員被害者の遺族11人が参加する。日本との式典の調整が遅延し、当初計画していた遺族説明会は取り消され、外交部が個別に連絡した遺族の一部が参加することになった。これらの人たちの出席費用も、日本ではなく韓国政府が全額負担する。
佐渡鉱山は、韓国政府が反対することなく表決なしで世界文化遺産に登録された。しかし、日本が約束した朝鮮人労働者関連の展示には「強制動員」の表現がないことに続き、初年度の追悼式から強制動員被害者に対する日本政府の真摯な追悼の意が込められていなければ、尹錫悦政権が推進してきた「過去の歴史の責任を問わない韓日関係改善」に対する疑問はよりいっそう強まるとみられる。
パク・ミンヒ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-11-20 20:37
「中央日報日本語版」 2024.11.21 06:58
■「佐渡金山追悼式」4日前なのに…日本政府代表はまだ決まらず、韓国側は遺族11人が参加
【写真】日帝強占期の朝鮮人強制労働現場である佐渡金山の道遊坑道。坑道の中には作業する65体の人形がある。人が近付くとセンサーが作動し、人形が「酒を飲みてぇ」などと話したりする。キム・ヒョンイェ特派員
日本の「佐渡島の金山」式典実行委員会は20日、新潟県佐渡市のあいかわ開発総合センターで24日午後1時から佐渡金山追悼式を開催すると明らかにした。佐渡金山に連れて行かれ強制労働に苦しめられた韓国人被害者を追悼する今回の行事に向け韓日政府が協議を続けてきたが、行事4日前のこの日の公式発表の時までも日本政府側の出席者と追悼辞の内容は確定していない。
◇「遺族11人出席」…日本代表未定
実行委員会は追悼式に実行委員会関係者、民間団体、自治体関係者、日本政府関係者らが参列する予定だと発表した。
韓国外交部も「今回の追悼式は7月に「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録と関連した韓日合意の結果として開催されるもの。日本政府関係者も参加する中で韓国人労働者を含むすべての労働者を対象に追悼の意を示すことに意味がある」と明らかにした。外交部によると今回の追悼式には韓国側から佐渡金山強制動員被害者遺族11人と政府関係者が参加する。
ただ、カギである日本政府側参列者は追悼式開催を4日後に控えたこの日まで確定していない。外交部当局者はこの日記者らと会い、「われわれは日本政府次元でハイレベルの高官が参加すべきで、真正性ある追悼式にしなければならないと当初から要求してきた。しかし日本の国内的な事情などで確定できずにいる」と説明した。
韓国政府は日本に政務官クラス以上の出席を要求し、日本もこれを前向きに検討しているという。ただ正確にだれが参加するかは依然として未定で、このため韓国政府代表も確定していない。
日本の決定が遅れているのは先月27日の衆議院選挙後の人事改編が終わっていない状況も影響を及ぼしているという。しかし朝鮮人強制労働現場を追悼する行事に日本側が高官の出席を明確にしないことで過去史問題と関連したかけひきが続くだろうという指摘も出る。
◇追悼辞の内容も信管…「日本と今後協議」
追悼式で韓日双方が発表する追悼辞の内容にも関心が集まる。外交部当局者はこの日「追悼辞の内容が追悼式に合うよう日本と今後協議していくだろう」と明らかにした。
もし日本側の追悼辞に強制性を薄める内容が含まれる場合、また別の議論の火種になるかねないと指摘される。日本政府が追悼式の名称に「感謝」という表現を入れるべきと主張しこれを韓国政府が拒否することもあった。加害者が被害者に謝罪ではなく謝意を示すのはそれ自体で強制性を否定すると解釈される余地があるためだ。
「追悼の対象」が強制動員された韓国人労働者だけでなく、佐渡金山で働いたすべての労働者である点も懸念をもたらす。自発的に働いて犠牲になった日本人労働者までともに追悼するのは韓国人が受けた強制労働という被害の本質を薄めかねないからだ。
一方、韓国外交部は行政安全部傘下日帝強制動員被害者支援財団などを通じて佐渡金山被害者の遺族約20人と接触し、このうち11人が出席を確定したと明らかにした。唯一の生存被害者1人は高齢で不参加の意思を明らかにしたという。遺族が追悼式に参加するのにかかる費用は全額韓国政府が負担することにした。外交部当局者は「追悼式に参加する遺族が意味ある役割をできるよう協議を続けている。追悼式のほかにも関連現場を訪れる日程を検討している」と説明した。
7月の世界遺産委員会会議で韓国を含む委員国21カ国がすべて賛成し全会一致で「佐渡島の金山」が世界文化遺産に登録された。日本は「全体の歴史を反映すべき」という韓国の要求により佐渡金山に近い相川郷土博物館に強制労働関連展示物を設置し、毎年追悼式も開くことにした。外交部はこの日「毎年開催される追悼式に希望する遺族が参加できるように支援していく予定」と明らかにした。
「聯合ニュース」 2024.11.20 18:38
■佐渡金山 朝鮮半島から1500人動員も展示に「強制」なし
【東京聯合ニュース】朝鮮半島出身者約1500人が強制労働させられた新潟県の「佐渡島の金山」で24日、追悼式が開かれる。
【写真】佐渡島の金山の「宗太夫坑」(資料写真)=(聯合ニュース)
国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は7月、「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録を決めたが、登録を巡る交渉で日本は韓国に対し、労働者の追悼式を毎年開くことを約束した。
佐渡島の金山は太平洋戦争(1941~45年)が本格化した後、銅などの軍需物資を確保する鉱山として主に利用され、日本の植民地支配を受けていた朝鮮半島から動員された人たちが厳しい環境の中で差別を受けながら働かされた。
新潟県当局が1988年に発行した「新潟県史」には、「1939年に始まった労務動員計画は、名称こそ『募集』『官斡旋(あっせん)』『徴用』と変化するものの、朝鮮人を強制的に連行した事実においては同質であった」と記されている。
歴史研究者の竹内康人氏は先ごろ出版した佐渡島の鉱山での朝鮮半島出身者の強制労働に関する資料をまとめた書籍で、同地に動員された朝鮮半島出身者は1500人を超えると説明した。
竹内氏は「動員された朝鮮人は警察と企業から監視された」とし、「職場を移る自由を奪われ、死を覚悟して生産量を増やすというスローガンの下、命をかけた労働を強要された」と指摘した。
日本の市民団体が強制労働の経験者に聞き取り調査を実施した結果、「毎日(天皇に忠誠を強要する)皇民化教育を受けた。言うことを聞かなければ殴打などの『気合』を入れられた」などの証言を得た。
【写真】相川郷土博物館に展示されている朝鮮半島出身労働者関連の説明(資料写真)=(聯合ニュース)
日本政府は当初、同地の金の採掘量が17世紀に多かったことを理由に江戸時代に関連した遺構だけを世界遺産に登録しようとする「小細工」を使った。
だがユネスコの諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)は6月、日本政府に対し、説明や展示にあたっては明治以降を含めた全体の歴史を扱うよう勧告し、強制労働の事実を反映するよう求めた韓国側の意見を取り入れた。
日本政府は世界遺産への登録のため追悼式の開催を約束し、佐渡市が運営する相川郷土博物館に強制労働に関する展示を設置した。
ただこの展示には「強制」という表現が使われておらず、歴史的事実を無視しているという批判が出た。
相川郷土博物館の展示には、朝鮮半島出身の労働者は危険な坑内作業に従事した人の割合が、日本人よりも高かったとする内容などが盛り込まれている。
朝鮮半島出身者の強制労働については、「募集」「官斡旋」「徴用」が朝鮮半島にも導入され、日本が朝鮮半島に設置した朝鮮総督府が関与したという事実も明示された。
ただし「強制連行」「強制動員」など「強制」が含まれた用語は使われなかった。
このような日本政府の態度に対して、日本国内でも強制性を明記するべきという批判が上がっている。
日本の市民団体「強制動員真相究明ネットワーク」(神戸市)は日本政府と佐渡市に送った要請書で、動員された多くの朝鮮半島出身者が逃亡または死亡するなど苛酷(かこく)な労働をしたと記述されているが、強制労働は認めていないと指摘。強制性を認め、佐渡島の金山での強制労働を明記しなければならないと強調した。
また日本政府は佐渡島の金山に動員された朝鮮半島出身者の名簿を公開していない。
韓国政府は同遺産の登録を巡る日本との交渉で、新潟県立文書館にある「半島労務者名簿」を提供するよう要請したが、日本政府は応じていない。同名簿に記録されている労働者は数百人程度とされる。
「聯合ニュース」 2024.11.20 17:08
■佐渡金山の労働者追悼式 24日に初開催=韓国の遺族ら出席
【東京聯合ニュース】朝鮮半島出身者が強制労働させられた新潟県の「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録を巡り、日本が開催を表明した朝鮮半島出身者を含む労働者の追悼式について、実行委員会は20日、新潟県佐渡市が運営する相川郷土博物館で24日に開催すると発表した。
新潟県佐渡市が運営する相川郷土博物館(資料写真)=(聯合ニュース)
日本側からは実行委員会や地方自治体の関係者、民間団体や政府の関係者が出席する。韓国からは被害労働者の遺族や政府関係者が参加する。
ただ、日本政府の出席者はまだ公表していない。韓国政府は政務官(次官級)以上の要人の参加を要請してきた。
追悼式は7月の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会で佐渡金山が世界遺産に登録された際、日本が韓国と合意し約束した措置で、今回が初開催となる。
追悼式は9月ごろにも開催されるとされたが、自民党総裁選や総選挙といった政治日程などの影響で遅れ、今月下旬の開催となった。
日本メディアは先月末、追悼式が11月24日に開催されると報じたが、これまで正式発表がなく、両国が追悼式の名称や出席者などを巡って対立しているとの見方も出ていた。日本政府が追悼式の名称に「感謝」との表現を入れることを主張したとされるが、韓国政府が反対し、公式名称には盛り込まれなかった。
日本政府は佐渡島の金山の世界遺産登録を進め、遺産の対象時期を16~19世紀半ばに限定し、朝鮮半島出身者らの強制労働があったことから目をそらそうとしているとの批判が出た。韓国政府は「全体の歴史」を反映するよう求め、日本は朝鮮半島出身者関連の展示物を設置し、追悼式を開催することを約束した。
歴史研究者の竹内康人さんは朝鮮半島から佐渡の鉱山に動員された人は1500人を超えると明らかにしている。