「The Hankyoreh」 2023-08-12 07:43
■日本の知識人ら、羅州に東学農民虐殺「慰霊碑」ではなく「謝罪碑」を建てる
【写真】東学農民軍を討伐するために全羅南道羅州市に駐屯していた日本軍の楠美代吉上等兵が残した「陣中日誌」=羅州市提供//ハンギョレ新聞社
日本の知識人たちが129年前に東学農民軍を虐殺した祖先に代わり、全羅南道羅州市(ナジュシ)に謝罪碑の建立を推進する。
羅州市は11日、「東学農民軍犠牲者を慰霊する謝罪碑建立推進委員会は10日に羅州市民会館で住民説明会を開き、謝罪碑を建てることについて話し合った」と明らかにした。
謝罪碑建立推進委は今回の説明会を通じて、謝罪碑を建てることになった歴史的背景と経緯、敷地など具体的な推進計画を明らかにした。
謝罪碑の建立場所は、日帝強占期(日本による植民地時代)の光州学生独立運動の発源地である旧羅州駅近くと、処刑地のあった羅州小学校近くが取り上げられている。推進委員らは、東学農民革命と光州学生独立運動がいずれも抗日蜂起だったという点で旧羅州駅の位置が適切だという意見と、処刑場だった場所に建てるべきだという意見を検討しているという。建立予定時期は羅州市民の日である10月30日が挙げられている。
羅州市と円光大学円仏教思想研究院、韓日東学紀行団は、2019年に羅州東学農民革命韓日学術大会を開き、謝罪碑建立を推進してきた。本来は「慰霊碑」を推進したが、日本軍の虐殺に対する謝罪の意味を込めようという意見によって「謝罪碑」に変更した。謝罪碑には日本語と韓国語で「東学農民軍は日本軍の全員殺戮(さつりく)作戦によって凄惨な犠牲を被った。過去の深い傷をもつ羅州を未来の共生、平和の羅州にしようと、韓日両国の良心ある知識人と志のある韓日東学紀行参加者が取り組んだ」という内容が刻まれる予定だ。
推進委には、韓日東学紀行の韓国代表であり東学研究者のパク・メンス元円光大学総長(68)と、日本の奈良女子大学の中塚明名誉教授(95)、北海道大学の井上勝生名誉教授(80)を中心に、羅州学会、韓日東学紀行団の参加者が参加している。
2006年から中塚教授の提案で発足した韓日東学紀行は、昨年まで計17回にわたって東学農民革命に関連する相互の現地調査と交流を続けている。
羅州は東学農民革命の際に羅州城を占拠した日本軍によって東学農民軍が全国的に最も多く犠牲になった地域だ。東学革命当時、日本軍の楠美代吉上等兵が残した「陣中日誌」によると、日本軍後備歩兵第19大隊は1895年1月5日から2月8日まで湖南招討営(現在の羅州小学校の場所)に駐屯し、各地から押送されてきた農民軍の指導者783人以上を処刑したものと書かれている。
キム・ヨンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
「The Hankyoreh」 2022-10-19 08:21
■日本の教授「日本が東学軍に犯したことを伝えるため調査に通って17年」
奈良女子大学の中塚明名誉教授
「東学農民軍の歴史を訪ねる旅」
日本の13人の市民と共に3年ぶりに訪韓
パク・メンス円光大学総長と2006年に開始
【写真】17日、ソウル仁寺洞のある食堂で取材に応じた中塚明教授=カン・ソンマン先任記者//ハンギョレ新聞社
「私が広島にある海軍兵学校(士官学校)予科に入学したのが1945年4月でした。まさに米軍が沖縄に上陸した時期でした。それでもあの時、日本中から4200人の高校生が志願して海軍兵学校に入学しました。日本人はみんな愚かだったというわけです」。
近代韓日関係研究と日帝の韓国侵略史研究の権威である奈良女子大学の中塚明名誉教授の回顧だ。今年で93歳の高齢にもかかわらず、同氏は「第17回韓日市民が共にする東学農民軍の歴史を訪ねる旅」のために17日、日本の13人の市民と共に韓国を訪れた。
同氏と円光大学のパク・メンス総長の主導で2006年に始まったこのフィールドワークには、これまでに日本の229人の市民が参加してきた。過去2年間はコロナパンデミックによりオンライン開催となったため、現場を訪ねるのは3年ぶりだ。18日から21日までの4日間の今回の旅で訪れるのは、日清戦争の激戦地である月峯山(ウォルボンサン)、羅州(ナジュ)の東学軍鎮圧部隊駐屯地(錦城館)、井邑(チョンウプ)の無名東学農民軍慰霊塔、全ボン準(チョン・ボンジュン)旧宅、大ドゥン山(テドゥンサン)と牛禁峙(ウグムチ)の古戦場など。19日には、韓日の市民と羅州市が来年に同市に共同で建てることが決まっている東学農民軍慰霊碑の建立候補地も見学する。
パク総長は「羅州は日本の東学鎮圧軍が駐留したため、東学軍の被害者が最も多かった。暗い歴史の震源地である羅州で韓日の和解と東アジアの平和に貢献しようとの観点から、韓日の市民が共同で慰霊碑を建てることを決めた。東学フィールドワークに参加した日本の方々を中心として1千万ウォン(約104万円)を集め、韓国市民と羅州市がそれぞれ1千万ウォンと3千万ウォン(約313万円)を分担する計画」だと述べた。
17日に日本からの訪問団と共に取材に応じた中塚教授に、今回の旅に期待することは何かと尋ねると、同氏は「日本人が日清戦争で何をし、東学はなぜ起きたのか、日本人によく考えてもらうこと」だと答えた。そして「羅州は日本軍の東学農民虐殺の根拠地だった。今回のフィールドワークも、韓国についてよく知らない日本人に向けた教育という意味が強い」と強調した。同氏は2年前に羅州韓日学術大会で発表した文章で「東学農民革命の抗日蜂起は東アジアにおいて、帝国主義覇権体制が成立する前夜における、その覇権に対する先駆的な異議申し立てだった」と評価した。しかし日本は依然として、歴史教育において東学のことを西洋に反旗を翻したという程度にしか教えていないというのが中塚教授の指摘だ。同氏はこれまでの東学の旅で得た知見などを加え、今年8月に著書『日本と韓国・朝鮮の歴史』(高文研)の増補改訂版を20年ぶりに出版している。
【写真】中塚教授が8月に出版した『日本と韓国・朝鮮の歴史』増補改訂版//ハンギョレ新聞社
同氏は、これまでの東学の旅の中で、全羅北道井邑で無名東学農民軍慰霊塔を見た時がもっとも忘れられないと語る。「塔に梟首(罪人の首を切って高いところにぶら下げておく刑)された農民軍兵士の顔が刻んでありました」。来年のフィールドワークはどこを訪ねたいかとの問いには、「東学農民軍は(日本軍に追われて)羅州から長興(チャンフン)、海南(へナム)、珍島(チンド)に渡った。長興と珍島には行ったが、まだ海南はフィールドワークをしていない。いつか訪ねたい」と答えた。
一方、2018年の最高裁判決以降に悪化した韓日関係の解決策を尋ねてみた。「朝鮮半島の植民地支配が合法だったという日本政府の認識が変わらない限り、この問題は解決できません。日本は違法な植民地支配を認め、謝罪すべきです」
近いうちに東アジアで戦争の悲劇が繰り返される可能性もあると考えるかと問うと、「よく分からない」としつつ次のように語った。「日本政府は、日本軍が過去にアジアでどんなことをしたのか、今でもよく整理できていません。中国もかつての中国ではありません」
インタビューの最後に「1945年の日本人は愚かだったとおっしゃったが、今はどうか、賢くなったか」と尋ねると、同氏はこのように答えた。「ある程度はね」。
カン・ソンマン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2022-10-18 18:40