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「中央日報日本語版」 2021.07.31 12:11
■福島汚染水でヒラメ飼育へ…「虐待」の声も
東京電力が福島第1原発の汚染水(日本政府は処理水と呼称)を薄めた水でヒラメなど魚介類を飼育する試験をすると発表した。海に放出する前の汚染水で魚類を飼育して安全性を知らせる計画だが、根本的な解決とは距離がある措置に「魚類虐待」という声も出ている。
読売新聞など日本メディアによると、東京電力は29日、福島原発の汚染水を海水で薄めた水でヒラメなどの魚類、貝類、海藻類などを飼育する試験を来年夏から始めると明らかにした。
薄めた汚染水は2023年春から海洋に放出される。放出前のその水で育った魚類の姿をインターネットで中継し、汚染水が人体に安全だという日本政府の主張を広報するということだ。
2011年3月の東日本大震災で事故が発生した福島第1原発では、放射性物質が含まれた汚染水が一日平均140トンほど生じている。日本政府はこの汚染水を多核種除去設備(ALPS)で浄化して原発敷地内の貯蔵タンクに保管している。
日本政府は貯蔵タンクを無制限に増やすことはできないという判断に基づき、汚染水を薄めて海に放出する方針を4月に発表した。しかしALPSで浄化した汚染水には、技術的に除去が不可能な放射性物質のトリチウム(三重水素)が残る。
汚染水を海に放出する前に海水で400-500倍に薄め、トリチウムの濃度を日本政府の基準値の40分の1に該当する1リットルあたり1500ベクレル(Bq)未満にすれば人体に害はない、というのが東京電力の説明だ。
しかし風評被害を懸念する福島漁民は汚染水の海洋放出に反対している。韓国など周辺国の反発も強まると、日本側は放流前に汚染水の安全性を評価する国際検証団に韓国も含めることにした。
東京電力の構想によると、魚類や海藻類は薄めた汚染水が入った水槽で育つ。これとは別に原発周辺からくみ上げた海水の水槽で魚介類を飼育する。インターネットで魚類の姿を生中継する一方、異常の有無および魚類内のトリチウム濃度、生存率などを調査して公表する。
東京電力は「数値で説明するだけでなく目でみて安全だと示す手段としたい」と趣旨を説明した。しかし日本のツイッターなどSNSでは「ヒラメ虐待では」「安全なら直接飲むべきであり、なぜ魚類を犠牲にするのか」などの指摘が続いている。
ヒラメは福島沖に生息する代表的な魚種。福島産ヒラメは東京オリンピック・パラリンピック選手村にも納品され、食卓に上がっているという。