樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

最も高い木造建築

2008年07月25日 | 木造建築
以前、「幻の世界最大の木造建築」として出雲大社(高さ48.5m)をご紹介しました。そして、記録上では100m級の建築物があるものの建築家は「不可能」と否定していることもご紹介しました。
ところが、bulbulさんに「ぜひ掘り下げて…」と励まされたこともあって調べてみると、それは戦前の話で現代の建築家に言わせると「100m級の木造建築は可能」なのだそうです。
日本に現存する最も高い五重塔は京都の東寺のもので54.8m(相輪を含む)ですが、記録によると過去には100m近い塔もあったようです。例えば、奈良の大官大寺には300尺(90m)以上の九重塔があり、遺跡の規模から推測すると十分に可能だそうです。
さらに、遺跡は残っていませんが、東大寺には330尺(99m)の七重塔が2基、京都の相国寺にも360尺(109m)の七重塔があったと伝えられています。

             
             (日本で最も高い東寺の五重塔)

日本の寺院のルーツである中国にも五重塔はありますが、木造のものは1基しか残っていないそうです。それが仏宮寺の五重塔で67m。東寺の五重塔よりも10mほど高いです。
さらに、中国の文献は永寧寺の九重塔は49丈(133.6m)あったと伝えていて、遺跡の発掘調査の結果「間違いないだろう」と推測されています。現在のビルで言えば40階建てくらいでしょうか。
しかし、こうした木造の塔は高いがゆえに落雷のリスクが高く、七重塔や九重塔のほとんどが雷によって焼失しています。
ちなみに、現在の世界一高い建物はアラブ首長国連邦の「ブルジュ・ドバイ」で、2008年6月5日現在ですでに656.1mだそうですが、他のビルと世界一を競っているために最終的な高さは公表されていません。700m以上になるとか。高所恐怖症ではないですが、私は絶対に登りません。
コメント (4)
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