樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

トピアリー

2008年07月21日 | 木と文化
       

写真のようなもの、つまり樹木を剪定して立体像を作ることをトピアリー(topiary)というそうです。
使われる樹木は主にイヌツゲ。葉が小さくて形を作りやすいこと、常緑樹だから1年中形を保つこと、成長が遅いので変形しにくいことがその理由でしょう。
トピアリーの歴史は古代ローマまでさかのぼり、奴隷の庭師が生垣に主人と自分のイニシャルを刈り込んだのが最初とされています。その後、16世紀になって技法が発達し、王族や貴族の館で円錐形や幾何学模様を表現したトピアリーガーデンが造られたようです。
現在もヨーロッパが本場のようで、スペインのビルバオ市にあるグッゲンハイム美術館の前には、12メートルの高さの犬のトピアリーが立っているそうです。画像はこちら

             
   (イヌツゲではなく花のトピアリー。上下2点とも宇治市植物公園で撮影)

もともとは樹木を刈り込むのがトピアリーでしたが、最近は広い意味で使われるようになって、金属ネットのフレームにツタをからませたものやクリスマスリース、さらには日本の菊人形や生垣、庭木の玉仕立てにまで拡大解釈されているようです。

       
             (こんな生垣や玉仕立てもトピアリー?)

私自身は樹木を人工的に変形させることが好きじゃないので自分で作ろうとは思いませんが、動物のトピアリーは子どもたちが樹木に関心を持つきっかけになるかも知れません。
コメント (4)
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