樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

北京オリンピックと街路樹

2008年07月23日 | 木とスポーツ
もうすぐ北京オリンピック。先日、あるセミナーでオリンピック会場の周辺で進められている緑化事業の話を聞いてきたので、少しご紹介します。
大規模な道路整備に伴ってたくさんの街路樹が植えられているようですが、主な樹種はサルスベリ、エンジュ、ハクショウ(白松)、イチョウ。この4種は北京にふさわしい樹木なんだそうです。
今の時期はちょうどサルスベリが満開ですから、マラソン中継ではその赤紫色の花が画面に映し出されるはずです。

       
      (近所のサルスベリはもう満開。花期が長いので別名「百日紅」)

エンジュは日本でもたまに街路樹に使われます。日本には「エンジュ」と名のつく樹木がこのほかにハリエンジュ、イヌエンジュがあり、いずれもマメ科特有の羽状複葉なので識別が難しいです。中国では縁起のいい樹とされていて、出世のシンボルになっているそうです。

             
          (京都市の天神川通りの街路樹はエンジュ)

ハクショウは以前、諏訪神社のものをご紹介しましたが、樹皮が白っぽい3葉性のマツ。日本ではほとんど見られない珍しい樹木です。イチョウは日本でもお馴染みで、街路樹としては最もたくさん植えられています。
以上の4種は当然のことながら中国原産。ハクショウ以外は私たちもよく目にしますから、日本は中国からの移入種がいかに多いかを思い知らされます。

             
        (諏訪神社のハクショウ。中国では「白皮松」と表記)

こうした街路樹のほかオリンピック森林公園を整備したり、選手村のマンションに屋上緑化を採り入れたり、中国はかなり大規模な緑化事業に取り組んでいます。黄砂が飛来するせいか私たちは何となく「中国は緑が少ない」と思っていますが、データ上は緑化面積の伸び率は日本を上回っています。
私はオリンピックにはほとんど関心がありませんが、街路樹が映るマラソンだけは観戦しようかな~。
コメント (2)
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