前回から記念日がらみになっていますが、明日9月4日の「櫛の日」にちなんで櫛のお話を。
京都には「十三屋」という屋号の櫛屋さんが2軒あります。「とみや」ではなく「じゅうさんや」と読みます。1軒は四条通り、もう1軒は清水寺の近くにあります。東京にも同じ名前の櫛屋さんがあるそうです。3軒とも全く別の経営ですが、昔から櫛のことを「十三」と読んだので、同じ屋号になったのでしょう。
櫛がなぜ「十三」かと言うと、「くし=九・四」ですが「苦・死」を連想するので、わざわざ九と四を足して「十三」に読み変えるからです。九と四を避けておきながら、9月4日を「櫛の日」にするのは矛盾すると思いますが、いずれにしても「語呂合わせは日本の文化」です。
(四条通りの櫛屋「十三や」。創業は明治8年)
万葉集に次の歌があります。
君なくば なぞ身装はむ 櫛笥(くしげ=櫛箱)なる
つげの小櫛を 取らむとも思わず
「あなたがいなければお洒落をしてもしょうがないので、櫛箱にあるツゲの櫛を持とうとも思わない」。播磨の乙女という女性が、都に帰る男性に贈った別れの歌です。
この歌にもあるように、櫛と言えばツゲ。しかも、三宅島の南にある御蔵島(みくらじま)で産出するツゲが最高とされています。御蔵島のツゲは将棋の駒の最高級材としても知られています。
材質が緻密で固く歯が折れにくい、静電気が発生しないので髪を傷めない、使うほどに艶が出るなどの理由でツゲが重用されるようです。
(ツゲの葉は小さく、対生。別種のイヌツゲは互生)
しかし、もっと昔の櫛はツゲではなかったようで、縄文前期の遺跡から出土した日本最古の櫛はツバキ製で、漆が塗ってあるそうです。
実は、京都の同じ四条通りには「二十三や」という櫛屋さんもあります。店の説明によると、梳櫛(すきぐし)のことを昔は唐櫛(とうぐし)と呼んだので、10+9+4=23 で「二十三や」。昔の日本人は言葉遊びが大好きだったようです。
京都には「十三屋」という屋号の櫛屋さんが2軒あります。「とみや」ではなく「じゅうさんや」と読みます。1軒は四条通り、もう1軒は清水寺の近くにあります。東京にも同じ名前の櫛屋さんがあるそうです。3軒とも全く別の経営ですが、昔から櫛のことを「十三」と読んだので、同じ屋号になったのでしょう。
櫛がなぜ「十三」かと言うと、「くし=九・四」ですが「苦・死」を連想するので、わざわざ九と四を足して「十三」に読み変えるからです。九と四を避けておきながら、9月4日を「櫛の日」にするのは矛盾すると思いますが、いずれにしても「語呂合わせは日本の文化」です。
(四条通りの櫛屋「十三や」。創業は明治8年)
万葉集に次の歌があります。
君なくば なぞ身装はむ 櫛笥(くしげ=櫛箱)なる
つげの小櫛を 取らむとも思わず
「あなたがいなければお洒落をしてもしょうがないので、櫛箱にあるツゲの櫛を持とうとも思わない」。播磨の乙女という女性が、都に帰る男性に贈った別れの歌です。
この歌にもあるように、櫛と言えばツゲ。しかも、三宅島の南にある御蔵島(みくらじま)で産出するツゲが最高とされています。御蔵島のツゲは将棋の駒の最高級材としても知られています。
材質が緻密で固く歯が折れにくい、静電気が発生しないので髪を傷めない、使うほどに艶が出るなどの理由でツゲが重用されるようです。
(ツゲの葉は小さく、対生。別種のイヌツゲは互生)
しかし、もっと昔の櫛はツゲではなかったようで、縄文前期の遺跡から出土した日本最古の櫛はツバキ製で、漆が塗ってあるそうです。
実は、京都の同じ四条通りには「二十三や」という櫛屋さんもあります。店の説明によると、梳櫛(すきぐし)のことを昔は唐櫛(とうぐし)と呼んだので、10+9+4=23 で「二十三や」。昔の日本人は言葉遊びが大好きだったようです。