樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

空気をきれいにする並木

2007年09月07日 | 木と防災
8月29日の記事で「イチョウは防火にはあまり役に立たない」と書きましたが、名誉回復のために、きょうはイチョウの別の効用について。
日本の街路樹として最も多く使われているのはイチョウ。関西では大阪の御堂筋(みどうすじ)が有名です。両側の歩道と2つの分離帯の4列で、合計830本のイチョウが植えられています。欧陽菲菲の「雨の御堂筋」や坂本スミ子の「たそがれの御堂筋」など大阪のご当地ソングにもよく登場します。

       
         (大阪のメインストリート・御堂筋のイチョウ並木)

このイチョウ、防火性ではそれほど頼りになりませんが、空気の浄化能力はかなり高いようです。亜硫酸ガスの吸着能力について大阪市で調べたところ、防火力に優れたサンゴジュの2倍、サクラの3倍以上、また川崎市の調査でもプラタナスの2倍の吸着能力を示したそうです。
亜硫酸ガスは車の排気ガスにはあまり含まれていませんが、公害や環境破壊の原因とされる有毒物質。イチョウは空気を浄化することで、人間に貢献してくれているのです。
また、なぜか大学のシンボルに多用され、東京大学、大阪大学、熊本大学の校章はイチョウで、東大の同窓会の名前は「銀杏会」。さらに、東京都と大阪府、神奈川県のシンボルツリーに選定されています。東京にも大阪にもイチョウ並木が多いからでしょうか。
コメント (2)
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