ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

ゆったり歩いて学べる…長井ダム

2021-06-18 06:58:56 | 山形(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。今回は最上川水系の長井ダム(山形県長井市平野北脇ノ沢)を訪れてみようと思います。場所は山形鉄道フラワー長井線の長井駅の西方向にあり、県道252号を登っていくとトンネルを抜けた先にダム右岸へ通じる道があるので、そこを入っていきます。

まずは左岸から見た「勇姿」をご覧ください。これがベスト・ショットかなぁ。



ダムへの道を入っていくと、最初に目に入ってくるのが長井ダム管理支所の建物です。このサイトによると、長井ダムは昭和52年(1977年)4月に予備調査を開始し、平成12年(2000年)3月に本体工事に着手。平成15年(2003年)9月にダムの定礎、平成23年(2011年)3月に長井ダム竣工、そして同年4月、長井ダム管理支所開設だそうです。





近くにはこのダムの貯水湖の名称である「ながい百秋湖(ひゃくしゅうこ)」と刻まれた石碑。



その裏には命名の由来が丁寧な解説で書かれています。「ながい」は長井市に、そして「百秋」は古事記に記されている「豊葦原之千秋長五百秋之水穂国(とよあしはらのちあきながいほあきのみずほのくに)」(=日本国のこと)に由来するそうな。



「千秋長五百秋」は幾千年も続くという意味であることから「ながい百秋湖」は長井市にある幾千年も続く(続いて欲しい)湖と解釈できます。興味深いのはカナ読みだけなら「長五百秋湖(ながいほあきこ)」でも良かったのでしょうが、それでは長井市のニュアンスが出ない。そこで「長五」を「ながい」に変え、「百秋」を「ほあき」でなく「ひゃくしゅう」と読み替えることで、出典は古事記だけど別物だよ感を出したとも考えられます。

それにしてもこの石碑の解説文はとても明快で、わかりやすい。おそらく文章を作成した人は頭脳明晰なんだと思います。ワシは文章を書くことを生業にしているので、こういうところがすごく気になるんですよね。

この管理支所からダムまでは少し歩くことになります。



その途中には長井市出身の現代具象彫刻家である長沼孝三(ながぬまこうぞう:1908-1993)の作品『万手(まんじゅ)』があります。これは千手観音以上にあらゆる想いをあたたかく支える女性を具現化したものだそうです。







【「卯の花姫」伝説と『万手』】
長井ダム上流には三淵渓谷があり、そこには「卯の花姫」の伝説があります。祭礼の日になると卯の花姫は龍神となって野川を下り、里の人たちに安全と五穀豊穣をもたらすとのこと。この伝説は現在でも近隣の神社で「黒獅子の舞」として受け継がれているそうな。『万手』像はこの卯の花姫と重ね合わせ、ダムはもちろんのこと流域の人々を見守って欲しいとの願いから建立されたそうです。いや〜、ロマンだねぇ。



では、いよいよダムへ。ダム横には独特の筆跡で「ながい百秋湖」と刻まれた碑。



右岸、下流側から見たダムの様子です。



これがダム上。広々していますね。



ダム上、中央から見た「ながい百秋湖」。



ダムの真下はこんな感じ。なかなか「ひぃぃ〜」です。



下流側の遠景。



ダム上、中央に設置された「展望台」。いや〜、そこに登ったところで景色はそんなに違わんゾ。



ウォーティーとフラッティーは可愛いけど。(でも、なんでそんな名前なんだろうか…)



ダム上、中央にある建物の中の様子。ガラス張りなので覗いてみると、色彩のせいかプラモデルのように見えます。一応これは常用洪水吐ゲートの開閉装置らしいんですが…。



対岸(左岸)に来ました。振り返るとこんな感じ。



対岸、「ながい百秋湖」側から見たダムの様子。



国土交通省が管理するダムだけあって、いろいろなところに目が行き届いていますね。見て、学んで、楽しめるダムだと思います。
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