ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

一発勝負

2004-10-19 13:31:52 | 脳みその日常
数日前、とある雑誌社から見本誌が届いた。
ワシがその11月号の特集記事を書いたからである。
出版の世界では執筆者に見本誌を送るのは常識なので、そんなことは驚くにはあたらない。
問題なのは、印刷前に編集者がゲラを送って来なかったことだ。
ゲラというのは「印刷されるとこんな感じになりますよ」という、いわば仮見本のようなもの。
執筆者は、それを見て修正したいところがあれば加筆訂正などを行なう。
このプロセスも出版界ではジョーシキ。
しかし、この雑誌社ではゲラを執筆者に見せずに印刷するのが常識のようだ。
ただし、毎回そうというわけでもない。
思い出したようにゲラを送ってくる時もある。
ゲラを送るのは常識とはいえ、その会社がたまにそんなことをすると気味が悪かったりする。

いずれにしても、今回は印刷前の確認作業(ゲラを見ること)はなかった。
ま、ワシはいろんな編集者をみてきているので、今回のようなことで別に驚いたりはしない。
むしろ、最悪の事態を想定し、いつも前もって防衛策を考えている。
それは何かと言えば、ごく簡単なこと。
つまり、原稿を送る前に徹底的に見直す……これに尽きる。
そうすれば、万一ゲラが送られずに印刷されてしまっても、問題は起きないからだ。
文字の打ち間違いはないか。
内容におかしなところはないか。
表現は適切だろうか。
この程度のチェックをしておけば、まず安心。
もちろん、今回もそのチェックをして原稿を送ったから、狼狽することもなかった。

でもね、なんでゲラなんて送るのかっていうと、さまざまな事情があるのだよ。
ひとつには、出版社サイドの問題。
印刷物というのは記録として残るもの。
だから、誤字脱字のような初歩的なミスは、すなわち出版社としての恥でもある。
それを未然に防ぐには社内の校正係や執筆者に原稿を見直してもらえば済むこと。

もうひとつは、執筆者サイドの問題もある。
慌てて原稿を送ってしまったが、どうしても直したい箇所があるから訂正したいという事情だ。
前述のようにワシは自衛策を講じているが、なかには信じられないほどいい加減なヤツもいる。
ワシが編集の仕事をしていた時、実際に経験した話。
ある執筆者にゲラを送って、確認してもらったら、トンデモナイことに。
最初に送って来た原稿と、内容がまったく変わっていたのだ !
おいおい、これって手直しじゃないじゃん。
また最初から組み直しだよ(泣)

その時に添えられていた厚顔無恥な執筆者のメモは、ワシを呆れさせた。
「また確認したいので、ゲラを送ってください」
たわけ ! 何を抜かしとる !
たかがゲラかもしれんが、それを作るのだって手間ヒマかかっとんじゃい !
なめとんか、コラッ !

てなわけで、ゲラは二度と送りませんでしたよ。ええ、ええ。
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