ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

良い口癖

2007-10-09 17:19:51 | 脳みその日常
「ありがたいですね」
「いつも助かります」

これらはワシが懇意にしている整備工場の社長の口癖。文字だけを見ればどうってことはない。誰もが使うフレーズかもしれない。でもそれが口癖になっている人はどれほどいるだろうか。

通常、こうした文言は他人から何かをしてもらった時に発せられる。この社長の場合も例外ではないだろう。しかし我々はどんな時であっても即座に感謝の言葉を発することができるだろうか。

ちょっとしたことをしてもらった時、確かに誰でも「ありがとう」とは言うだろう。でも果たしてそこに心が込められているだろうか。挨拶程度の意味合いで「ありがとう」と言ってはいないだろうか。

仏教の教えのひとつに「身・口・意の三業(しん・く・い・のさんごう)」というのがある。これは簡単に言えば、どんな行ないも、どんな言葉を発しても、そして心で思ったことであってもすべて業(ごう)になるというもの。

たとえば、暴力を振るったり、口汚く罵ったり、良からぬことを考えるだけでもそれらを発した人の因縁になり、やがて因果応報となって本人に帰ってくる。だから良き人生を送りたい、もしくは極楽浄土に行きたければ「身・口・意の三業」のことをいつも心しておきなさいといった教えだ。

この教えを別の視点から捉えるならば、こうなる。人のために何かをしたり、感謝の言葉を述べたり、他人を恨んだりしないといったことをしていれば、もしかすると良い人生を送ることができる(かもしれない)。-◎

理念に同意するしないを問題にしているのではない。ただ、現代の処世術として考える時、少なくとも後者(◎)を実践していれば他人から悪い評価を受けずに済むのは事実だろう。そりゃそうさ、自己中心的な振る舞いをしたり、「ありがとう」も言えず、年がら年中悪意を抱いていたら嫌われ者になるのは確実なワケだし。

エラソーなことを言ってるが、ワシがそれを実践できているのかというと、否である。目指してはいても、なかなか実践できないでいるのが実際のところ。そもそも他人のことを評価するのが仕事だったりするから、悪口で発言しているつもりはないにせよ結果的に悪口と解釈されてしまうことも多い。だからというわけじゃないが、ほかの要素、すなわち「身」と「意」だけでも実践しようと日々努めている。なかなかうまくいかないけどね。

話を社長に戻そう。ワシが常々感心するのは社長の発する口癖のニュアンスだ。文字でうまく表現できないのがもどかしいけれど、同じ感謝の言葉を発するにしてもそこには「ありがたい」という気持ちが込められている。決して棒読みではないし、営業的な発言でないことは実際に聞けばわかる。

気持ちが伝わるからこそ、こちらもできることがあれば社長に何かしてあげようという気になる。そんなこんなで付き合いは20年以上になった。社長にはまだまだお返ししなければならないことがたくさん残っている。良いことは真似したいものだ。
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