ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

継ぎ足し、継ぎ足し…

2005-05-02 12:42:49 | 脳みその日常
ウマい食い物屋には、たいてい「秘伝のタレ」がある。このタレの作り方は門外不出であり、従業員であっても教えてもらえない。だから「秘伝」なのだ。

しかし一度作ったタレも使えば必ず減る。そうなると店主は秘伝の味を守るべく、残っているタレに新しいタレを加える。そうやって秘伝の味は守られてゆくのだ。

たまたま目にしたニュースを読んで、「なんだ、これじゃあ、食い物屋と同じ発想じゃないか」と思った人は多いのではないか。メンバーがひとり抜けるごとに新しい子を補充するやり方。

もちろん、「モー娘。」と「食い物屋」を同列に置くこと自体、食い物屋に失礼であることは承知している。それにしても、継ぎ足し、継ぎ足しで何とかグループを存続させようとするつんく♂の発想は、貧困というか、痛々しい限りだな。

確かに一旦「モー娘。」というブランドを立ち上げ、それが軌道に乗れば、構成メンバーが変わろうとそれなりの人気は維持しやすいだろう。すべて一から始めるよりは広告宣伝費も安く済むし。合理的といえば合理的である。

しかしその発想は見方を変えてオーバーに言えば人権無視もいいところ。つまりつんく♂の発想では、メンバーそれぞれはグループの単なるパーツとしか考えていないことになるからである。必要がなくなれば「さいならー」なのだ。

使い捨てが当たり前となっている音楽業界ではあるが、夢と希望をもって飛び込んでくる少年少女にとって、これは余りにも惨い使い方ではないだろうか。たとえ彼らがその現実を予め受け入れて入ったとしても…。

もって生まれた才能を生かして金を稼ぐことは悪いことじゃない。また、一方で才能のある人を利用して金を稼ぐ奴もいる。両者が良い関係である間はいい。しかしその関係が悪化するや、人を利用して金を稼ぐ奴は途端に非情になる。そこまで非情になれるものなのかと思うほど冷酷になるから恐ろしい。でも、よく考えてみれば合点がいく。そういう奴は、最初から人をモノとしか見ていないからね。
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