![野良犬<普及版>](http://ec2.images-amazon.com/images/I/51FMh9SIcmL._SL500_AA240_.jpg)
もうここまでで感想はすべて言いつくしたようなものだが、はっきりと書くと面白くなかった。
さすがの森田芳光も、この映画を全く同じ脚本で再映画化しようとは思うまい。志村喬が登場する前の、三船敏郎の台詞なし音楽なしの捜査シーンが長すぎる。こんなシーンはもう現代の映画には全く見られない。それはそれで見られないシーンではなかったけれど、織田裕二で同じことをやるととても退屈なシーンになってしまう。
かつて刑事ドラマの「太陽にほえろ!」で毎回挿まれていた聞き込みシーンのようなものになるだろう。(って言ってもあんまり分かってくれる人はいないだろうけど。)
歴史としては愉しめるが、同時代のものとしては愉しめないものってあるものだ。
黒澤現代サスペンス映画とはどうも相性が悪い。
こういうのを見ると、黒澤明って全部が全部おもしろいわけじゃないんだよなー、と思ってしまう。
やはり時代劇だけ見てようか。
だいだい何をしゃべっているのか分からない部分が二割くらいあったように思う。声が小さいわけじゃなく、昔の日本語が聞き取れなくなっているのだろう。
三船敏郎と志村喬の言っていることははっきりと聞き取れるのだが、杉村春子的な、かん高い早口がほんとうに聞き取れない。
「酔いどれ天使」を見るかどうか非常に迷う。