わたしを離さないで(2010年 映画)

2019-10-01 00:00:14 | 映画・演劇・Video
2017年のノーベル文学賞作家のカズオ・イシグロの同名の小説(2005年)の映画化。ストーリーは原作とほぼ同じである。今年の4月に書籍の方は読んでいる(2019年5月1日『わたしを離さないで(カズオ・イシグロ著 小説)』)。

主要人物の3人は気鋭の女優、男優が演じるが、奇妙なことに本で読んだときにイメージしていた人物像と、映画の3人は違和感がない、というかソックリである。



このストーリーは近未来のイギリスを描いていて、医学の進歩によって、臓器移植のドナーとなる人間をクローンで作っておき、様々な病気で亡くなる人たちにドナーの臓器を生きたまま切り取って移植していく。20歳から30歳くらいのドナーの体を3~4回ほど利用して、あとは始末する。

そういうドナーたちの中でも恋愛感情があったり三角関係が生じたり、なんとなく重苦しい空気が全編を漂うわけだ。

映画の内容はあまり語られないのだが、上映された当時も、今、DVDで観る人も、ある程度、ストーリーを知りながら観ることが多いだろう。

おそらく、この映画を観て、何か明るい気持ちになったり、さあこれから頑張ろうとか、そういう方向の気持ちになる人は多くはないと思うが、かといって駄作というのではまったくないのであるが、気持ちを伝えるべきことばが出てこない、ということだ。