湯島天神の絵馬の不思議

2019-10-13 00:00:44 | おさんぽ
湯島天神に行くと、かわいらしい牛の像がある。通称「撫で牛」と言われ、自分の体の悪いところと同じ牛の部位を触ると病気が治ると言われる。左掌の腱鞘炎を治したいが、牛が臥せていて左前脚は折りたたんで体の下にあるので触れない。また角からしてオスの牛だろうが、精力減退を治そうと思っても、重要な部位は体の下にあって、触れない。背中を触って治りそうな病気は、ぎっくり腰だろうか。



なぜ天神様に牛かというと、菅原道真公は牛をこよなく愛していて、自分が亡くなった時には、遺骸を牛にひかせて、牛が立ち止まった場所に埋葬するように言い残したからだそうだ。

ところで、湯島天神と言えば、学問の神様(つまり菅原道真公)といわれるが、実際には受験の神様となっている。試験の前には多くの成績不良者が参拝に行き、「無理なお願いであるのですが、○○学校の入学試験に合格させてください」と無理なお願いを絵馬に書いて願掛けする。また、一部の成績優秀者も「まさかと思いますが、成績不良者を無理やり合格させないでください」と願をかける。

この「入学試験」という部分を「資格試験」とか「入社試験」、「TOEIC何点」とか書き換えれば絵馬が完成する。神社も、絵馬に、「    」に合格しますように。氏名「   」。とあらかじめ印刷しておくと親切かもしれない。さらに親切なら、1.入学試験、2.入社試験、3.資格試験、4.その他試験 と具体的に分類を書いて、該当する番号に〇をつける方式でもいい。



実際に境内の一角に集められている絵馬だが、本来、人の心の中の多様性(本心)を勉強するには良い場所なのだが、湯島天神では病気快癒とか恋愛成就とか将来の夢とかそういう面白いものはまったくないわけだ。すべてが、「合格させてください」なのだ。

ふと気が付くと、「合格御礼」の絵馬は、どこを探しても一枚も見つけることはできないのだ。



境内の一角にはガス灯が立っている。都内で唯一の現在使われているガス灯だそうだ。明治の作家である泉鏡花が代表作『婦系図』の中で、湯島天神のガス灯について書いた一文に由来して昭和56年に設置されている。なお、本物の明治のガス灯は大阪の造幣局内に明治4年のものがあり、横浜の本町小学校内に明治5年のものがある。
コメント