ちはやふる-結び(2018年 映画)

2019-05-10 00:00:47 | 映画・演劇・Video
3部作の3作目(『上の句』、『下の句』、『結び』)。1作目と2作目は、連作的に2016年に上映された。漫画からの実写として、高校1年生の新設かるた部の高校日本一に向けての戦いと、一歩届かなかったくやしさを描いていた。

musubi


幼馴染の広瀬すずと野村周平の演じるかるたヒーローに脇役が絡んで、青春の一瞬とかるた競技のすばらしさが印象に残る作品だったが、この3作目『結び』は、1、2作目の成功と、その時の若き出演者たちが例外なく、演技力も成長し、多くが主演を張るようになった2年後に再集結し、漫画にはなかった最終章を演じる。

本来、原作になかった脚本を前二作とうまくつないでいて、ストーリーを大きくしたのは、監督の技量なのだろうが、新たな登場人物が、そのストーリーをつなぐために重要な役割を果たしている。「東大生名人」が登場したのには笑えたが、徐々に視力を失っていきながら聴力を磨いていった名人。彼が言った百人一首の魅力である「1000年の時を超え、一瞬にして現代に伝える情景」。すばらしい!百人一首を選んだ藤原定家。影の脚本家は彼なのではないだろうか。

そして、エンドロールの中で、主演の広瀬すずの演じたヒロインは、その後、かるたクイーンになり、数年後に母校のかるた部の監督になることが明かされるのだが、実はこの映画の1年前の「チア☆ダン」でも、彼女は全米チャンピオンになった高校を卒業後、数年後に母校のチアダンス部の監督になる。二つも監督をかけもちすると、さぞ忙しいだろうと、心配になってしまう。