将棋観戦記コレクション(後藤元気編)

2019-05-25 00:00:29 | しょうぎ
プロ将棋を新聞等で読者に伝えるために観戦記があり、その観戦記を書くのが観戦記者だ。昨今はabemaTVでタイトル戦や藤井聡太七段の対局などが流され、男女プロ棋士が解説するということになっているが、藤井聡太七段の指し手は予想外のことが多く、指されてから意味を考えるというような展開が多く、さまになってない。



私もこども教室で棋譜の解説をするときに大盤の横で前を向いたまま手を読みながら解説するが、事前にソフトで分析してからしゃべっているだけなので、ようするに口パク歌手というかエアバンドというかだ。実際に後ろ向きで、さらに上下逆になっている後手の手を読むのは難しい。解説者に同情の余地はある。

そうなると、やはり観戦記ということになるが、最も鋭く書くのは同業者の棋士のような気がするが、対局者への配慮とかはあるだろう。最近は文学者で将棋に明るい人が少なくなったようだが以前は、坂口安吾や山口瞳のようにのめり込んだ人たちもいた。山口瞳氏はプロ10人との飛車落ち10番勝負を『血涙十番勝負』として刊行したが、むしろ観戦記ではなく自戦記と呼ぶべきだろう。

本著の編集は自らも観戦記者の後藤元気氏。自分で書いた観戦記をコレクションには入れなかった。謙虚なのだろうか。小倉百人一首の編者の藤原定家は自作を100番中97番に入れている。

辛いことを書くと、本書は文庫本なのに定価が1600円+税と極めて高い。それなのに、誤植が多く、なかには棋譜と図面と記事がずれていて、意味が分からない箇所もある。

記事に行き詰まったら本書からネタ取りできそうな気もするが、本日は、ここまで。


さて、5月11日出題作の解答。





問題は5四とが不要駒だったこと。制作中は5一の竜を6一に置いたり、生飛車にしたりしていて、5四とが必要なケースもあったのだが、最終的には要らなくなった。スマホを組み立てる都合、最終的に不要になる部品も一時的に必要で、最後は埋込まれたままにされることもあるが、「スパイ部品」と認定されることがある。あるいはそれを装ったスパイ部品かもしれないが、「5四と」は人畜無害なので。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題。

筋違い角が活躍。金は補助的に使うこと。

わかったと思われた方は、コメント欄に、最終手と総手数とご意見をいただければ、正誤判定します。