富士登山(ただし川和富士)

2018-03-07 00:00:18 | おさんぽ
自宅から30分ほど歩くと(つまりクルマで5分強)、田畑の中に富士山がある。通称川和富士。この富士山は江戸時代中後期に流行した富士信仰に基づくものとされているのだが、あまり確かな情報ではないらしい。山を登るのに2分程度で、天気が良いと本物の富士山が眺められるはずだが、春霞に丹沢山系すら見えない。

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頂上から眺めた景色だが東側、北側、南側の三方は住宅街で、この富士山より高いマンションが東京方面や横浜港方面の視界の邪魔になる。残るは西方で、こちらはまだ日本のTibetと呼ばれていた頃の面影が感じられる。


ところが、こんもりと浮き上がった島のような丘を無残に切り裂いた緑色の施設がある。どうみてもゴルフ練習場だ。(無残と書いたが、自分も行ったことがある。確か150ヤード程度の長さだ)

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そして、なにげなく30秒ほど眺めているうちに不意に思ったのだが、丘の形や、その存在の突然性が何か不安な気持ちをかきたてたのである。

どうみても、古墳のように見える。もっともゴルフ場も古墳も地面に穴をあけて「玉」という字で表す「ゴルフボール」または「玉体」を沈めるのだから、同系列の場所ともいえるのかも知れない。


見ているだけでは、それ以上真実に近づけないので、帰宅後にまず、ネット周りで調べると、まず近隣には三つの富士山があり、この川和富士と山田(やまた)富士、そして池辺(いこのべ)富士の三つがあり、池辺富士は別名「富士塚古墳」ともいわれるらしいが、古墳である証拠はないとのことらしい。つまり登った川和富士自体が古墳の転用で富士山に見立てられた可能性すらあるわけだ。


後日、博物館で調べると、古墳はこの近くでかなり見つかっているのだが、多くは開発に伴って邪魔になり、発掘調査を行った後に宅地になるようだ。3世紀頃の歴史は実際にはよくわかってないし、関東の古墳は大人物ではなく中人物クラス(地元のボス)の墓なので、現代では、詳しく調べる動機もなくおカネもなく調査員もいないということだろうか。

ゴルフ練習場の森も豪族か中央政府の小役人の墳墓だった可能性が高いような推察をしておこう。近くには税務署もあるし。