サメの歯の行方

2018-03-04 00:00:34 | 美術館・博物館・工芸品
今年1月28日に日テレで放送された『ザ!鉄腕!ダッシュ!!』でTOKIOメンバーが試みた実験は・・

同グループが以前東京湾で吊り上げたヨシキリザメの歯を加工して作った漁具を使って、実際に漁を行うこと。

実は、全国の縄文時代、弥生時代の遺跡からは削り加工などをされたサメの歯が発掘されている。その使い途について、漁業ではないかと思われていたが、実験例はなかったそうだ。つまり、石器の加工は重労働である反面、水中では落下しやすいので消耗品には向かない。一方、動物を捕まえたり加工したり皮をはがすにはサメの歯では柔らかすぎる。ということからの推論である。

ということで、横浜市の歴史博物館の高橋さんという方が思い立ち、サメの歯の漁具化を主導することになった。

手順は、

1. ヨシキリザメの顎から歯を抜く
2. 紙やすりで磨く
3. 漁具の作成開始
4. 銛(もり)と鏃(やじり)の完成

以上で約半日。

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そして実験開始。場所はTOKIOリーダーの苗字を尊重し、神奈川県三浦市城ケ島沖。

収穫は、ヒラエタイ・マダコ・ハコフグである。

テレビ側からいうと「サバイバル物」であるのだが、学問的には「再現考古学」という分野になる。考古学というのはおカネにならないことから常態的に金欠学問なのだが、もっと陽が当たってもいいと思うわけだ。縄文時代を知ることは重要なのだ。

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そして、この実験道具だが、横浜市歴史博物館に期間限定で展示されている。期間は3月31日まで。無料エリアであるのだが、『DASH』とか『TOKIO』とかの表示はまったくないので注意が必要なのと、休館日があることと、横浜駅からはまったく異なる場所にあるので、行く前には確認が必須だ。


ところで、展示期間終了後のこのサメの歯の行方はどうなるのだろう。

現代では、サメの歯は、「何度でも再生する」という性質からお守りに使われていて、ネットオークションには多数出品されている。(もしかしたら受験不合格者が癒しのために使うのかもしれない。)同様のお守りは縄文時代にも使われていたようだ。

少し気になる。