コンタクト(映画 1997年)

2018-03-06 00:00:25 | 映画・演劇・Video
地球外生命体との出会いをテーマにしたカール・セーガンの小説をもとにした映画で、「これはSFではない」と地球外生命体の存在を前提としているので、「そんなものはいない」と信じている人は、劇中の宗教家たちのように面白くないかもしれない。この映画を見ない方がいいだろう。

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実際には、今まで発見されていないからといって存在しないというほど傲慢にはなれないのは、例えば微生物など、近くにあっても発見されていないことの方が多いわけで、地球と同じような環境の星で生命が生まれるかどうかを調べるには、人間の力で地球上の物質で生命を作り出せるか研究した方がいいかもしれない。無論、そういう研究している人はいないような気がする。

で、現実の世界では、宇宙のどこかにいる地球外生命とコンタクトしようと、近くにいそうな空間に信号を送っている。とても危険だ。少なくても月とか火星とかダミーの星から信号を送らないと、発信源を破壊しようと思う輩がいるかもしれない。地球だって善人と悪人がいるのだから、宇宙だって同じだろう。

映画では、果てしなく宇宙からのサインを待つわけだ。そして、それはベガ星方向からのご招待という形になり、色々とバタバタとした結果、招待状を受け取ったジョディ・フォスター博士本人が地球人代表として空間移動装置に乗り組むわけだ。

この装置の原理については映画の中では語られないので、代弁すると、アインシュタイン博士が断定した「宇宙でもっとも早いものは光」という理論に使われる速度というのは「単位時間に対する移動距離」なのだが単位時間というものが空間を歪めることによって早くも遅くもなるもので、簡単に言うとワープマシンを使うわけだ。実際には地球上の1秒の間にフォスター博士はベガ星に18時間滞在し、人類の数億年先を行く知能に接触して、そして帰ってきて変人扱いされる。いわば逆浦島太郎現象である。

ところで、このワープマシンだが、あまりに高額過ぎて地球上の多くの国からの支援を受け3000億ドル(30兆円)を集めて、日本が下請けになって北海道に作るわけだ。しかし、残念ながら日本には何も恩恵がなかったようにも思うし、たかだか日本国債の発行残高の1/40でしかないわけだ。

そしてわからなかったのは、生命体の正体。地球上の生命と同じように効率の悪い神経回路を使って考えたり行動したりするのだろうか。あるいはデジタル信号の中で記号として存在しているのだろうか。