ナウマン象を食べた人の末裔は?

2018-03-12 00:00:10 | 美術館・博物館・工芸品
横浜市歴史博物館に古墳のことを調べにいったついでに横浜の歴史を鳥瞰してきた。

といっても横浜市の多くは海の中にあり、内陸の方が海岸だったようだ。そして日本で多く発見される謎の動物が「ナウマン象」。立派な象である。50万年前から2万年前まで、日本と中国の一部に生息していた。氷河期である。氷河期のように寒い時に生きていたということで誤解されそうだが、暖かい時期(間氷期)に生きていて、少しずつ寒くなって、徐々に数を減らし、氷河期が終わるほんの少し前に力尽きた。もう少し頑張れれば現代まで頑張ったかもしれない。

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日本人はナウマン象やトナカイのような大鹿を捕まえて食べていたようで、大陸方面からナウマン象や鹿を追いかけて日本まで来てしまったらしいとの説もある。つまり、象がいなくなった2万年ほど前から農業を始めたのかもしれない。

しかし、象は体の構造からして草食ではありながら食べ物は限られている。鼻でくわえて口に持って行くのだからキャベツや白菜なんかは食べにくい。木になった果物や、葉を食べたりする。マンモスは餌がなくなって地面の苔を食べ始めたが日本はそこまで寒くなかった。ということはナウマン象がいた頃には大量の果物があったのかもしれない。

ところで、トナカイの肉から想像すれば、大鹿の味は絶品であるだろうが、ナウマン象はどんな味だったのだろうか。現代において世界中さがしても象を食べたことがある人はほぼ皆無と思ったが、アフリカの一部には象のレストランがあるそうだ。また、タイではバイアグラと同様の目的で食べられるそうだ。どうも食べたことのある日本人の感想では、大味でまずい、ということらしい。ただし、ローマ時代の「料理大全」には象の部位ごとの評価が行われていて、足と鼻と臀部が美味とされている。