旧江戸川乱歩邸

2017-12-10 00:00:52 | 美術館・博物館・工芸品
池袋の立教大学の敷地内に旧江戸川乱歩邸がある。日本におけるミステリーの父である。

乱歩は早稲田大学出身でありながら、立教大学に接する場所に住んでいたのだが、合理的な説明を読んだことはないので、たぶん偶然なのだろうか。

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ともあれ、立教大学は結局、乱歩研究の拠点になっている。

現代的に言えば一等地であるが、当時はそうではないだろう。かなり静かすぎる環境だったのだろう。よく浅草や銀座に江戸川乱歩ご愛用の食堂というのがあるが、この巨大書庫付きの家の他に住宅があったのだろうか。生涯40回以上の引越しをしたというのだが、書庫の中の書物や雑誌をそのつど運んだとは思えない。

晩年には多くの仕事があったようで、家が一軒だと編集者の督促から逃げるのが難しかったのだろうか。

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乱歩の作品は多岐を極めるが、探偵もの、怪奇、エロ、少年少女向けどちらかというと怖い。私も大量に出版されている乱歩の文庫本を片端に読んでいたことがあったが、ストーリーの展開が早いのが特徴だろうか。

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ところで、彼の作り出した様々なキャラクターだが、有名なのは明智小五郎、小林少年、怪人二十面相あたりだろうか。

詳しく調べると、明智小五郎探偵だが、1924年に「D坂の殺人事件」に初登場し、雑誌「少年」に1年間(1962年1~12月)連載された『超人二コラ(黄金の怪獣)』で活躍した後、行方がわからないようだ。

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誰か探し出して、もう一回働かせてくれないものだろうか。

なお、乱歩の没後(1965年)、52年が経過し、少しずつ青空文庫に収録されているようだ。TPPで米国が不参加のため著作権が75年に延長されなかった効果だ。三省堂書店では、青空文庫をプレゼント用に製本するサービスを提供(有料)している。主に、宮沢賢治関係が多いらしいが、嫌な交際相手にお別れのしるしとしてバラバラ物に真っ赤な表紙を付けて送ってみたらどうだろう。結果は知らないが。