「世界の中心で、愛を叫ぶ(2004年 映画)」

2017-12-04 00:00:20 | 映画・演劇・Video
時間をかけてベストセラーになった恋愛小説(2001年)が漫画になり、この映画になり、テレビドラマになり、舞台劇になり、韓国でパクリ映画化され、中国でもパクリ映画化されたのだが、「丹念に作られたストーリー」なのだろう。

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17歳の高校同級生の恋愛が「信頼」を基に少しずつ時間をかけて築かれていくという現実的でない設定は、古典ギリシア劇やシェークスピア劇では悲劇の序章を意味していて、勘のいい観客は、幸せの絶頂の時にふいに出てくる「白血病」という軽いジョークが、その後の大暗転を予感させるし、女性校長先生の死が、重要な登場人物である写真館の老写真師の骨泥棒につながるし、それは映画の結末にもつながっていくわけだ。

映画の中のストーリーに何気なく登場するパーツが、後の展開で生きてくる小技が随所にあるわけだ。

そして、時代的には17年前と現代が台風29号によって、突然にリンクする仕掛けになっていて、後半は濃密な心理描写が連なっていく。

17年前のシーンは長澤まさみの出世作であり、後半の現代のシーンでは柴崎コウが活躍するはずだが、少し負けている感じだ(それはシナリオの問題なのだが)。本来、「セカチュー」がベストセラーになったのは柴崎コウの貢献もあるのだが、年齢的に17歳の方を演じるのには無理があったのだろう。

同年にテレビで放映されたドラマの方は綾瀬はるかが登場したのだが、つい最近、「セカチューで自分の女優としてのイメージができた」と述べたそうだ。心理面を演じるのに難しいところがある役なのだろうと思う。

一方、「セカチュー」の世界観を否定的に評価する人たちも一定数いるようだ。「ストーリーに新規性がない」とか「結論が違うのではないか」など。また、表現的には「ロメオとジュリエットと似ている」、「ノルウェーの森と似ている(私もそう思う)」と感じるところはあるが、人類の普遍性からいうと、ある程度、筋立てが似てくるのは、理解するべきだろうと思う。

犬印

2017-12-04 00:00:14 | マーケティング
犬年にちなんだものが、あまり思い当たらないので、極私的話題だが、愛用のバッグについて。製作が「犬印鞄店」。浅草の本社ビルでは二階の直販所では、ミシンでバッグを縫っている脇で購入できる。犬印といえば妊婦の腹帯で有名だが、鞄店とは何の関係もないそうだ。

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帆布製のバッグで、雨の日でも鞄の表面が濡れるだけなのだが、実際にはジッパーを開けたままにしていて、中まで濡れたことがあるが、自己責任だ。

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大小二つの鞄を使っているのだが、中サイズがあると使いやすいかも。大サイズの鞄は旅行の時には便利だが、電車の座席に座って鞄を横向きにして膝に乗せると、膝からはみ出してしまい、隣の方の膝を借りなければならない。小さい方はA4版の資料がギリギリなので、クリアファイルに入っていると、ファイルを捨てなければ鞄に入らない。

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最近、黒犬印というブランドを増やしたようだが、ロゴを点検すると、通常の犬印ロゴを白黒逆にしただけのようにも見える。

あえて言うと、丈夫過ぎて、将来、古びても捨てるべき時期を逸するかもしれないと予感する。