『船に住む漁民たち(中村昭夫撮影)』倉敷市立美術館

2013-07-07 00:00:35 | 美術館・博物館・工芸品
昭和30年代に尾道市吉和漁港で、家船(えぶね)と呼ばれる船を住居として生活する人々を、倉敷市在住の写真家・中村昭夫氏が撮影していた。

2008年に残念ながら亡くなられた後、最近になってご遺族が作品を公開されたようだ。

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その結果、市立美術館の3階で7月7日まで、無料で公開されているのだが、ちょっと拝見したところ、市立美術館で無料で展示するようなものでは到底ないもの、と感じた。展示するなら、国立近代美術館の2階じゃないのかな。

なにしろ、「民族の記憶」というような題材になっているわけだ。撮影の時点で、将来存在しない、という意識があったのかどうかは疑問で、写真に登場する人たちは、みな将来に何の不安も抱いていないように見える。被写体になった人たちの中で、当時の大人はほとんどが鬼籍なのだろうが、こどもたちは、現在、60歳くらいだから、家船(えぶね)から下りて、陸上部分に住むことになった過程を体験しているのだろうが、うまく生活を切り替えられたのだろうか。

まだ近隣の団地とかに集団で住んでいるのだろうか。

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集団墓地の写真もあったので、墓地については、陸上のどこかにあるのだろう。

思えば、尾道には何度か行ったことがあったし、現在、居住している倉敷からは、電車で1時間くらいだ。もう少し、データを集めてから行ってみようかな。

なお、中村昭夫氏はある新興宗教の熱心な信者だったそうだが、それと家船との関係については不明である。