情景作家(昭和のミニチュア)

2013-07-21 00:00:18 | 美術館・博物館・工芸品
旧新橋停車場で開催中のミニチュア展。

4人の作品。

「昭和のミニチュア」というような表現だが、私よりも若い作者もいる。

何か観ていると、「人は、なぜミニチュアを作るのか」と思うのだが、もちろん本物サイズでつくれないものはミニチュアで作るのだが、本物サイズで作れるものまでミニチュアで作るという行為は、なんだろうと、答えのない愚問を考えたりする。

いわゆるプラモデルとは異なり、素材のすべてのパーツを自分で作って組み立てる。少なくとも私にはできないし、やろうとも思えない。富士登山と同じだ(例が悪いが)。

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しかし、みなさん精巧です。桜の木を作るのだって大変だと思うが、山田卓司さんは、地元の浜松に、彼の作品を常時展示するための「浜松ジオラマファクトリー」がオープンしたそうだ。

戸塚恵子さんの場合は、もっとわかりにくいのは、もともとポップライターやステンドグラスなどのリアルなものつくりをしていたのだが、徐々に小物製作に移っていき、ついにミニチュアの世界に到達。出品作は「銭湯」みたいだ。

諸星昭弘さん。肩書は「イラストレーター」と「模型作家」。鉄道模型を専門とする正統派。電球に情景を収めた「ノスタルジックランプ」を出品。輸送中に壊れそうだが、壊してしまって泣いたこともあるのだろうか。特にマニアックな感じが漂う。

坂本衛さん。キャリア65年。廃材を使って模型電車を作るそうだ。ある意味、日本の伝統をミニチュアにして保存するという使命を自らに課しているような感じがある。そう考えると、人間誰でも信じることが重要だということがわかる一方、少し(いや、かなり)、こわい。

こういう仕事をする人から見れば、3Dプリンターなんて、究極的邪道の極みということになるのだろう。