新聞を配る少年のモデルは?

2012-04-08 00:00:12 | 美術館・博物館・工芸品
横浜の日本新聞博物館(ニュースパーク)の裏の方に、「新聞少年の像」が立つ。この場所に記念館があるのは、ここで、日本最初の新聞が発行されたからで、1864年の「海外新聞」である。中心人物は、ジョセフ・彦。本ブログでも以前、何回か書いたのだが、幕末の漂流者で、三代のアメリカ大統領に面会し、日米関係史では欠かせない重要人物である。もちろん、その時には新聞配達員は存在しない。

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途中で脱線だが、長くブログを書き続けていると、色々と調べてしまうことになり、かなりの物識りになってしまい、さらにあれこれと手を伸ばさなければならなくなり、それはそれなりに人生の一部と化していくのかもしれない。ちょっと現在は、2度目の千代田区の会社に変わったばかりで、手間取るテーマは無理なんだけど。

で、新聞少年の像だが、よく顔を観ていると既視感がある。

WHO?

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どこかの国の次期国王に極似という感じだ。


ところで、新聞少年の像は、これだけだと思っていたら大違いだった。社団法人日本新聞販売協会のホームページによれば、全国11ヶ所に像が立っているそうだ。東京、岡山、和歌山×2、京都、広島、富山、神戸、徳島、仙台。うち5か所には路面電車がある。何か関係があるのだろうか。

そして、横浜の新聞少年の像の記事は、こんな感じだ。

平成16年、当協会の創立50周年を機に、新聞と新聞販売が多くの少年を含む先人の支えられた歴史と原点を振り返り、社会と活字文化の一層の発展に向け、心新たに歩む象徴として「新聞少年の像」を制作、横浜の港未来地区にある日本新聞博物館(ニュースパーク)に寄贈しました。


最後の一節の「横浜の港未来地区」が問題だ。まず地名表記が、『港未来』ではなく『みなとみらい』となるのが間違いの1。小さな問題かもしれない。しかし、実際には新聞博物館は、『みなとみらい』地区ではなく、幕末にペリー提督が上陸した場所のすぐそばにあるわけだ。こういうように、新聞というのは、小さな間違いだけではなく大きな間違いも平然と存在するわけであり、間違いを指摘しようにも、意見を書く手段も見当たらないのである。

なお、間違え記事も問題だが、知っているのに書かないというのも大問題で、先の大戦の時の新聞社の態度がまさにそれなのだが、最近、消費税についてささやかれているのが、『新聞非課税案』。新聞社を世論作りの味方に引き込むため、現在の5%の消費税を10%ではなく0%にしようという懐柔策である。まあ、そういう話が現実化しそうになったら、新聞少年の顔でも思い出してみるといいかもしれない。