「そのまま使える!ビジネスメール英文集」はそのまま使えるか?

2011-01-31 00:00:09 | 書評
昨年末にちょっとした理由で読んでいた本。「そのまま使える!ビジネスメール英文集」。



数あるビジネスメール集の中からこの本を選んだのは、実は日本語でもそのまま使えるというか、なかなか日本語的にうまい言い回しをシチュエーション的に選んでくれるからだ。

例えば、

色々と手をつくしてみたのですが、12月23日に都合のつく同時通訳者をどうしてもみつけることができませんでした。

We tried our best to find a simultaneous interpreter for you but were unable to find anyone available on December 23.


「色々と手をつくしてみた」という表現は、日本語でも使ったこともないし、思いついたこともない。どちらかと言うと、「裏から手を回してみたのですが」というようなことを書くことが多い。

つまり、日本語メールのテキストにもなっているわけだ。

というよりも、日本語メールのテキストであって、英語メールではないような感じがしないでもない。


例えば、

海外子会社に「おこごと」を言う時だろうか。

営業活動での移動には、緊急時を除いて、公共交通機関を利用して、経費節減に努めること。

In an effort to reduce sales costs, you are encouraged to use public transportation for sales activities except in the case of an emergency.

緊急時というのが、in the case of an emergencyというのでは、かなりおおげさなのではないだろうか。


貴方と話していても埒があかないので、上司か責任者を出して下さい。

Talking to you hasn’t gotten me anywhere, Could you please provide me with the contact information of your supervisor or the person in charge?

こんなことを、紙に書いてもいいのだろうか


日本に来ることがあれば、是非スッポン料理を食べてみてください。

If you have the chance to come to Japan, definitely try suppon turtle dishes.

お願いだから、そんなレターを作らないでほしい。


ところで、著者の二人だが、一人は倉骨彰(くらほねあきら)氏とトラビス・T・クラホネ氏の二名共著だが、二人ともかなり珍しい名前である。というか、漢字の倉骨氏とカタカナのクラホネ氏の関係は何だろうと思うわけだが、これがよくわからない。

「もっとも知りたいことは、もっとも知りたい時には、知ることができない」。マーフィーの法則にもあったような気がする。

「最も使いたい例文は、いくらビジネスメール集を探しても出てこない」。これもマーフィーかな。

それで、倉骨氏の略歴を見ると、過去の翻訳履歴として「マーフィーの法則」を訳している。もしかして、すべての例文がジョーク?