「復活」とか「開国」とか

2011-01-03 00:00:49 | 市民A
大晦日の恒例だが、テレビ東京が「ジルベスター・コンサート」を生放送する。年越しオーケストラである。毎年、人気指揮者が新年の0時0分0秒に、「ジャ-ン」とタクトを振り下ろすと、演奏がそこで終了するように、お得意のナンバーを持ってくるわけだ。

kobaken2そして、今回登場は、小林研一郎。炎のコバケンである。東京フィルがどう応えるか。

演目は、マーラー作曲交響曲第二番「復活」の第五楽章。

ここで、演奏から離れて、2011年のクラシック界のメモリアルであるが、このマーラーが生誕150年だそうだ。そして東京フィルが創立100周年とのこと。さらに、指揮者の小林研一郎氏だが、司会者が「生誕70年おめでとうございます」と発言した途端に、不愉快な顔になった。どうも、生きている人に「生誕・・年」とはいわないようだ。さらに70になったこと自体が嬉しくないのだろう。無神経な司会者だ。


ところで、この交響曲が「復活」と名付けられたのは、第五楽章で合唱団が復活の歌を唄うからだ。が、一般的に第五楽章というのはあまり好きになれない。くどい感じがある(ベルリオーズの幻想交響曲は別格)。さらに合唱付きもあまり好きになれない。人間の声という便利な楽器は、あまり管弦楽となじまないような気がしているからだ。

kobaken1とはいえ、「復活」は、2011年の日本のVターン復活を祈りながら、0時0分0秒に向かって、刻々と進み、一秒以下の誤差を持って今年も大過なくフィナーレを迎える(正確には、デジタル放送なので秒差の誤差は確認できないが)。


こうして、小林研一郎は「復活」を唱え、天皇陛下は新年に「少しでも良い年となること」を願い、半年前まで最少不幸論を唱えていた当該国の宰相は「開国元年」を宣言し、一部アナリストは「バブル再燃」を予想して、2011年は始まった。