これから生まれるこどものみに支給を

2009-12-21 00:00:46 | 市民A
「こども手当」が大変なことになってきた。「高速道路無料化」と並ぶ民主党の最も重要なマニフェストが財源不足で漂流中である。

15歳以下のこども一人当たり毎月2万6千円(年間31万2千円)が支払われる(初年度平成22年は1/2)。総額は年4兆5000億円らしい。総税収が40兆円に満たない国でそれだけの支払いは、ほぼ無理だろう。扶養手当廃止では焼け石に水で、さらに新たな税の財源探しが始まる。

所得制限の話があるが、元々、親のためのカネではなくこどもの為のカネなのだから、すべてのこどもが平等に受け取るべき、という主旨だった。さらに、所得が多くても子供が多い家庭だってある。元々、日本には「大金持ち」は少ない。鳩山家のような超高額資産家はほんの一握りだし、金融工学の達人に超高額ボーナスを払ったりしない。結局は税源は中流階級ということになる。だからこそ、愚策ということだ。

それに、年間31万円を何に使えと期待しているのだろうか。今、この財源に大いなる期待をしている業界が、いくつかある。

まず、保険会社。「こども保険」である。毎月2万6千円を積み立てて、大学入学時(18歳)に満期で受け取る。かなりの金額になるだろう。私立大学の入学金対策。最大の欠点は、おカネが需要に回らないこと。

次に、「塾」業界。月額2万6千円の高額コースを用意しているようだ。

さらに自動車販売業界。学校や塾への行き来に自動車は必需品として、毎月2万6千円払えばクルマが手に入るとローンを勧めている。

つまり、毎月2万6千円の支出先に有効なものがないわけだ。

まだ、話題になっていないが、公立高校無料化というマニフェストも生きている。つまり、民主党政権のおかげで、15歳までたくさんお金をもらえて、18歳までは高校がタダ。そして、「18歳参政権」につながるのである。

困ったことに、外国人から見ると、この「こども手当」が、かなりの人気である。手当のおかげで出生率が上がれば、日本の潜在成長率が高まると考えられている。

そこで提言だが、

これから生まれるこどもだけに支給したらどうだろう。それなら額は少ない。悩む必要もほとんどない。

既に生まれているこどもにばら撒いても、こどもは増えないだろう、少子化対策効果としては効き目が薄い。これから先の話にすればいいのだろう。

何か、徳川5代将軍綱吉の「生類憐みの令」みたいである。