1図面のことなど

2009-12-19 00:00:46 | しょうぎ
最近、ある酒宴で棋士の方とお話をさせていただいた。ここに書くと人心を惑わすことになるだけなので、ほぼ内容は明らかにできないが、最近「渡辺明ブログ」でもサラッと触れられていた「ブログ等に棋譜を公開する場合の、1局1図面ルール」について。

まず、突如郵便で連絡が届くそうだ。そして、新ルールが通達されるのだが、色々と疑問が生じるわけだ。竜王のように、棋譜が対局後まもなく公開される棋士ならともかく、公開されない場合、別に著作権と関係ないじゃないか、という意見だ。確かに大部分の棋譜は陽の目をみない。

そういう時には、もっとも若い理事の人に、電話を掛けるそうだ。説明を求めるわけだ。「なぜ1図面なのか」「新聞等で公開された後もそうなのか」「棋譜が公開されない場合でもそうなのか」などだ。

実際そういう質問もよくあるようだ。「みんなでそう言ってください」ということだそうだ。

ところで、それに関係して酒宴の席で出た話題だが、新聞観戦記が「イマイチ」ということ。最近は、タイトル戦なども多くはネット上で同時進行となり、プロ棋士による感想が次々に書き込まれる。それと同じような記事を数日後の新聞に掲載しても、感動が少ない。

かといって、新聞には棋譜の解説も書かなければならない。結局妥協的になり、なんだかわけがわからなくなる

では、対局後数日後に登場する観戦記は、何を書けばいいのか。

思うに、一局の将棋が決着を見るのは「悪手」とか「好手」とかいった大きなイベントがあるわけだ。プロもアマも同じだろう。そのイベントというのは、まさに対局が終わってから一局を眺めてみて伝記を書くようなものではないだろうか。

大好手「A」とか大落手「B」が登場するまでの、本人たちにすら気付かないことのあるさまざまなドラマを、小説風に描ければいいのではないだろうか。

もっとも、それには、かなりの筆力が求められるのだろう。


さて、12月5日出題作の解答。



▲1一金 △1三玉 ▲8三飛成(途中図1) △同飛 ▲4六角成(途中図2) △2四歩 ▲同馬 △2二玉 ▲2一金 △1二玉 ▲1三歩 △同飛 ▲同馬 △同玉 ▲2三飛 △1四玉 ▲2四飛成まで17手詰

途中図1では▲8三飛不成でも可。

途中図2に桂合、香合だと華麗な15手詰めになるのだが、それを本筋とするには、桂か香かを特定し、歩合を消す(二歩ルールを利用)必要がある。

うまくできなかった。

b34華麗ではない17手詰が正解になる。

5二金がめざわりのような気もするが、関ヶ原の戦いに遅刻した徳川秀忠のようなものかな。

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